2006年06月07日「本気で言いたいことがある」 さだまさし著 新潮社 735円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 忘れない中にいっとくけど、今日から日経ネット「BIZ PLUS」で「社長が愛した数式」という連載を半年間することとなりました。
 「デキる人の数式」で紹介した経営者の中から、12人だけ選んでそのマネジメント、マーケティング、ビジネス哲学の数式をさらに突っ込んで敷衍して解説。目から鱗が3枚くらいは落ちるはず。
 まぁ、百聞は一見に如かず。アクセスしてみてください。
 http://bizplus.nikkei.co.jp/


 ♪君はその手に花を抱えて 急な坂をのぼる
 ボクの手には小さな水桶 君の後に続く♪
 ♪あなたの大事な人を
  ぼぉくに まかせてくださぁい♪

 この唄、好きだったなぁ。日テレのドラマの主題歌ね。
 「近藤です」の近藤正臣さんと島田陽子さんの主演。あの頃の島田陽子って、可憐な美しさでピカピカしてたよね。

 この唄?
 そう、さだまさしさんの曲。

 で、この本、彼が言いたいことをホントに述べてる本です。だから、少しとっちらかっているかもしれないけど、何が言いたいかは熱で伝わってきます。

 「文化庁や文部科学省に聞いてみたいですね。
 仮に1人一月五十万円程援助したとして一年に六百万円。
 この補助金を1万人に出したところでたかだか一年に六百億円に過ぎないのです。
 社会保険庁の無駄遣いは五兆七千億円です。単純計算で九十五万人になります。1万人の九十五年分ですよ。
 今や、文化は国民全体で守ってやかねばならない、と思う」

 国が無駄を省くのは当たり前のこと。しかし、文化のための必要経費をケチったのでは話にならない。
 歴史上、大切なことはその国がどれだけたくさんお金を持っていたかではなく、どんな文化を持っていたかなんですね。
 
 中国の文化が尊敬されるのも、かつての中国(古典)が築き上げてきた文化だからであって、いまの中国にはなんの魅力もありませんよね。
 中国共産党は孔子も史記も生んでません。中国の文化人て、だれがいるの? 世界的なエンタテイナーっているの? 歌手でも作曲家でもいいけどさ。
 いま国を挙げて懸命にお金儲けしてるね。文化など、なにも考えてない。
 
 桜前線。 
 日本列島を南から北に移動していくわけ。その速度だけど、1日ほぼ二十キロなんだってさ。一秒間に換算すると、二十三センチ。つまり、女性の足の大きさ(猫ひろしもか?)。
 桜前線って、女の人が歩くスピードっつうこと。
 なんかいいね。

 「いまの選挙の悲しさは、早く選挙権が欲しいとだれも思わないことでしょう」
 「主権在民」って、国政選挙があるから実現されてるわけ。でも、国民は主権を発動してる責任を感じているんでしょうか。

 ノーベル平和賞も受賞したケニアの環境副大臣ワンガリ・マータイさん。
 来日していちばん感動したのが、「もったいない」という日本語。いま、世界に響け、キャンペーンしてんだよね。
 「もったいない」っていいね。捨てる技術あれば、残す技術もある。やみくもに残してもダメ、捨ててもダメ。つまり、どちらも知恵がないとダメなのよ。

 さださん、言いたい放題。けど、大切なことを真摯に述べてます。200円。