2006年09月06日「UDON」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 紀子さま、男児ご出産。誠におめでとうございます!

 さて、まったく期待してなかったのよね、この映画。けど、意外といけるよ。
 なかなかいい。
 宣伝もそんなに、「金、たくさんかけたんだかんね」という感じじゃないし、せいぜいCXの番宣をジャックするくらい地味でさ。

 私の勘では、「実は・・・うどんをテーマにした映画作りたかったんす。踊る大捜査線で儲けたからいいじゃないすか。転けても損はしないと思うんすが」ってノリで、飲み会の席で決まっちゃったみたいな映画?

 でもさ、ほら、軽く作った作品て肩の力が微妙に抜けててかえってよかったりすんのよね。

 おいおい、いいのかい? こんなに儲かっちゃって? ボクって、なにやっても成功させちゃう。天才! なんて、本広克行監督×亀山千広さん製作コンビは思わないだろうけどね。



 主人公の香助役はユースケ・サンタマリアさん。讃岐うどん屋の息子なんだけど、うどんなんて大嫌い。よくいるよね。家業が異常に嫌いなヤツ(同級生にもいたな。電器屋って言われると顔真っ赤にして怒るヤツ)。
 「だっせぇ、そんなの。俺は世界中を笑わせてやるぜ」って、ニューヨークに行っちゃった。借金、踏み倒してさ。コメディアンになりたかったんだよね。
 でも、面白くなくてさ、クビ。しかたなく香川に戻ってくんだよ。

 ひょんなことから、同級生の庄介(トータス松本)の勤めるタウン誌編集部で仕事することになっちゃった。あっ、悪い。これ、ネタばれしちゃうから、映画見るつもりだったら読まないでね。

 で、企画会議であぁだこうだと議論したりしてさ。「うどん屋の紹介したらどう?」「んなもんいらねぇ。ここは讃岐だ」なんてね。
 で、調べたら、どのタウン誌でもうどん屋の紹介なんてやってないの。
 じゃ、やってみっか。取材したけど、普通に紹介したらつまんねぇよな。タウン誌抱えて、うどん屋巡りするヤツが出てくるような文章じゃないと・・・。で、それをホントは文芸出版社志望だった小西真奈美さん演じる宮川恭子に担当させるわけ。
 
 そんなこんなで、この企画に火がついちゃうわけさ。テレビ局は来る。さらに全国からお客がわんさか来る。とんでもないことになっちゃうわけ。
 
 うどんてすごいな。口もきかない仲の親父を少し見直したりするわけさ。
 ブームの後の静かさ。虚しさ。
 俺がやりたいことって何だろう?

 「親父、うどん屋ついでもいいぜ。俺、うどんが大好きなんだ。教えてくれよ」
 こう言う前に、親父は心筋梗塞で倒れちゃう。
 レシピもないしさ、どうやって、親父の味を出せばいい?

 まっ、後は見てのお楽しみということで・・・。

 キャストはCX総力を挙げてコネ出演者ばかり!
 小日向文世、木場勝己、鈴木京香、小泉孝太郎、升毅、小倉智昭といった各氏。それに、女子アナとかね。香川県も全面協力。映画はこうでなきゃ! 香川県中のおもなうどん屋がズラッと登場。これもいいぜい。

 『日経エンタ』、商売うまいぜ。讃岐うどん屋特集なんて組んじゃってよ。
 ふざけんな。買っちゃうじゃないか!面白かったぞ!

 美味いもの食べると自然と笑うよね。うどんで世界中を笑わせてたってわけさ。

 この映画を見た第一印象は、「あっ、これ、フィールド・オプ・ドリームスのうどん版だ」と思ったね。実際、あの映画とよく似たシーンもいくつかあったしぃ。
 まっ、お勧めです。

 それにしても、こんだけうどん見せられると、喰いたくなっちゃうよな。よし、明日はうどんだ。
 讃岐うどん、食いに行くぞ!