• 2022年8月5日(金)

    「『失敗の本質』を語る なぜ戦史に学ぶのか 前編」 野中郁次郎・前田裕之著 990円 

    『失敗の本質』は、日本が第2次世界大戦(同書では大東亜戦争という呼び方に統一しています)で敗戦を喫した原因を解明し、教訓を引き出した著作で、長く読み継がれている名著です。

    新型コロナウイルスの感染爆発、環境破壊や自然災害の拡大、世界各地での軍事的な緊張の高まりなど、「安心・安全」とはほど遠い世界の中で、日本政府や企業は国難に十分に対応できているでしょうか。

    本書が浮き彫りにした日本軍の構造欠陥は、残念ながら、現代日本の様々な組織の中にも見受けられます。
    日本軍の敗因分析から様々な教訓を引き出し、勝てる組織になるための方法を提言していますが、なお実行できていない組織が多いのが現実です。
    今こそ読み直し、混乱の時代を乗り切る知恵を吸収するときではないでしょうか。

    著者の一人で、完成に至るまでのプロセスを主導した野中郁次郎一橋大学名誉教授に本書誕生の背景や、その後の戦史に関わる研究の軌跡について語ってもらった・・・というわけです。