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2026年2月13日(金)
「幻の近代アイドル史;明治・大正・昭和の大衆芸能盛衰記 前編」 笹山敬輔著 1,980円
漱石も、谷崎も、川端も……みんなアイドルにハマッていた!?
アイドルとアイドルヲタ現象は明治からあった。1887年から1945年、明治・大正・昭和にかけて活躍しながらほとんど忘れられている「アイドル」に焦点を当てた異色のアイドル論にして“キワモノ”として埋もれてしまった大衆娯楽に光を当てた新しい大衆芸能史。
「元祖アイドル「明日待子」がいた時代 ――ムーラン・ルージュ新宿座と仲間たち」
ご存じですか? 戦前のAKBセンターの元祖と言っても過言ではない〝アイドル〟がいたことを・・・。
「戦争」という時代の波に翻弄され、空襲の下でも、「滅私奉公で兵隊さんや観客の方をお慰めできればいい」とステージに立ち続けた明日待子さん。彼女の生きざまには、他者を第一に思いやる日本人のDNAが滲み出ている。
NHKドラマ『アイドル』で放送! 主演:古川琴音、共演:山崎育三郎ほか・・・。
「私たちは、待子さんが何度も口に出した「滅私奉公」という言葉すら死語になった時代を生きている。だが、「滅私奉公」をする相手が観客だと言い切った待子さんに、私はアイドルの宿命と使命、その究極を見た思いがした。アイドルは大衆を動員する最強の装置。それは否定しがたい。「時代がそうでした……」と待子さんはこうも言った。待子さんの口を通すと、それは強い説得力を持って伝わってきた。だが、「常に戦争があった」「青春時代は戦争一色だった」とは、やはり悲しすぎる言葉だと思えてならない。」(あとがき)