2016年09月07日まずは「おわら風の盆ツアー」のご報告から。。。

カテゴリー中島孝志の「日本伝統文化研究会」」

♪うたわれよ わしゃはやす
 唄の町だよ 八尾の町は
 キタサノサー ドッコイサッサ
 唄で糸つぐ オワラ桑もつむ♪

 独特の節回し。かなり高音で回すのね。八尾では11支部が競うかのように節と踊りを流しますが、なんともいえない優美な世界ですな。


駅前から屋台がずらっと並びます。

 人口2万の町に25万人が集まる、富山県最大のイベントでもあります。富山県とはいえ、岐阜県に接してるのよね。

 越中八尾の民謡行事。歴史は古く元禄の頃だそうです。「おわら」とは大笑いのこと。豊穣を祝うので「大藁」が語源とも。台風銀座の日本ですから、風水害を鎮める祭礼。二百十日が吹く頃の3日3晩踊り続けます。

 「夜に帰るのは野暮。時計がまわってからが本番ですよ」

 金沢や高山からは午前0時をまわってからやってくるそうです。踊り手たちも観光客ではなく、これからは自分が楽しむために踊るんすよ。



 八尾小学校では、各支部ごとにこの1年間の稽古の成果を披露。まったく飽きませんな。節も踊りも個性が出ますからね。ああ、この人の節回しすきだなあ、かなり歌いこんでるなあ、と素人耳にもわかりますな。


舞台で披露。




 おわら風の盆といえば、「聞名寺」でしょ。八尾は門前町として栄えたわけでね。本願寺第三世覚如上人が建立。ここでも本堂で披露。こちらのほうが間近で見られますよ。

 たしかに八尾は坂が多いすっね。私が心奪われたのは町並みですな。格子戸と土塀。いまどき、こういう建築は見ませんものね。


こういうのが「家」つうのよ。

 細い路地のあちこちから節が聞こえてきます。その節に誘われて人が集まってきます。やっぱり「町流し」がいいなあ。









 揃いの浴衣に白足袋は女舞い。編笠から少しだけ顔が見える。これが早乙女ですね。夜目、遠目、笠の内。美人に見える条件ですが、美しい人がより美しく映えますな。
 股引に法被姿は男舞い。きりりと見えますよ。各地区100ー150名くらいが参加してます。ここでもやっぱり少子化なんだろうけど。。。

 阿波踊り、佐渡おけさ・・・毎度言ってますが、リズムが違うわけ。エイトビートからワルツまで。躍動感溢れる中にゆったり感の阿波踊りは、緩急自在に投げる名ピッチャーのようですし、佐渡おけさは編み笠。さらにスピードを落として止めてしまうとおわら風の盆。
 静止画像の世界はあわただしい日常から解放される気持ちになりますな。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「コルシア書店の仲間たち 」(須賀敦子著・白水社・950円)です。