2007年02月04日戦士の休息!

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 いま、電車に乗ると親子連れをよく見かけますね。車中で参考書でしょうか、広げて勉強してますね。
 この1日からはじまった受験シーズンもそろそろ終盤ですよね。今日か明日には長かった母子の戦いも終わります。
 がんばれよ、と心の中でそっと応援したりしてね。だって、私も経験しましたからね、気持ち、とってもわかりますよ。自分の受験より心配だったもんね。


こりゃ大変だわ。大学受験も大変そう。けど、団塊の連中はもっと大変だったんじゃないか?

 とくには今年は、例年にないほどの競争率だそうですね。
 大手進学塾の予測によると、首都圏では初めて5万人超。6年生の6人に1人が受験。受験者数、受験率ともに過去最高。バブル期をはるかに超える数字ですよ。
 「ゆとり教育」の反動ですなぁ。

 各校とも倍率がとんでもなく跳ね上がってるそうで、「全落ち続出か!」と、各塾ともあまりの厳しさに震撼してるそうです。

 そんな中、第1志望に受かって前途洋々とニコニコ!の子もいるでしょうし、ようやく滑り止めに引っかかったハラハラ!の子もいるでしょうし、全落ちでプンプン!という子もいるでしょう。
 「こんなに苦労したのにチックショー」と、悔しさと悲しさと空しさをどこにぶつけていいかわからない親御さんも少なくないと思います。

 でも、お子さんを叱らないようにしてくださいね。「なんでもっと勉強しなかったんだ!」なんてね。
 いちばん辛いのは本人なんですから。のほほんとしているように見えても、かなり傷ついてるはずですよ。

 昔、愚息がチビの頃に少年野球やってたんです。
 これが下手くそで万年補欠。補欠は2人しかいないんです。1度も試合に出たことないんです。練習は1度もさぼらないけど、試合になったらやっぱり上手な子を出しますよね。
 だれか怪我しても、もう1人の補欠が出たりして愚息はいつもベンチ。
 私、子どもの頃、リトルリーグでサードで5番打者だったんで、あまりにも情けないんでね。ガンガン叱ったことあるんです。もっとちゃんと練習しろ、なんてね。
 けど、本人にしては懸命だったんですよね。それはわかってるんだけど、あまりに悔しいんで、ついつい怒鳴ってしまったんですよね。

 後悔しましたよ。とっても。自己嫌悪に苛まれる、というのはこういうことを言うんでしょうね。

 あるとき、本を読んでるとこんな文章が目に飛び込んできたんです。

 「坊や、きいておくれ。これまで、私はお前にずいぶんつらく当たっていた。お前が学校へ行く支度をしている最中に、タオルで顔をちょっとなでただけだといっては叱った。持ち物を床の上にほうり投げたといっては、どなりつけた。今朝も食事中に小言をいった。(中略)一緒に家を出たが、別れるとき、お前は振り返って手を振りながら、お父さん、行ってらっしゃい!といった。すると、お父さんは顔をしかめて、胸を張りなさいと文句をいった。(中略)夜になって書斎で新聞を読んでいるとき、お前は悲しげな目つきをして、おずおずと部屋に入ってきたね。うるさそうに私が目をあげると、お前は入り口のところでためらった。何のようだと私がどなると、お前は何もいわずにさっと私のそばに駆け寄ってきた。両手を私の首に巻きつけて、私におやすみのキスをした。お前の小さな両腕には神さまが植えつけてくださった愛情がこもっていた。どんなにないがしろにされても、けっして枯れることのない愛情だ。やがて、お前はばだばたと足音をたてて、二階の部屋へ行ってしまった。
 ところで、坊や。そのすぐあとで、お父さんは突然なんともいえない不安におそわれ、手にしていた新聞を思わず取り落としたのだ。叱ってばかりいる習慣−−けっしてお前を愛していないわけではない。お父さんはまだ年端もゆかないお前に無理なことを期待しすぎていたのだ。お前を大人と同列に考えていたのだ。(中略)小言をいいたくなったら舌をかもう。そして、お前がまだ子どもだということを常に忘れないようにしよう。お父さんの注文が多すぎたのだ」(デール・カールギー『人を動かす』より)。

 傷ついてる戦士には休息と愛情をたっぷり補給してあげましょうよ。ねっ、お母さん。