2007年04月22日「ハンニバル・ライジング」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 今年は名作の目白押しでんな。とくに4月からのラインナップをチェックすると、映画好きにはたまりまへんでぇ。

 「ボクとオカン」はいいとして、「クイーン」「ゲゲゲの鬼太郎」「バベル」「スパイダーマン」「眉山」「パッチギ!LOVE&PEACE」「大日本人」「舞妓Haaaan!!!」「ゾディアック」「憑神」「オーシャンズ13」「しゃべれどもしゃべれども」・・・これにしんちゃんとドラえもんにハリポまで入れたら満腹でっせ。

 そうそう、予告編でやってたけど、「ダイハード4」がいよいよ公開ですよ。
 9.11事件後、映画より事実のほうがとんでもなくて、これはもう封印されるべき映画だと思ってたんだけどね。こうなりゃ、ホワイトハウスを吹っ飛ばすしかないじゃん?


美学で観るなら「ハンニバル」、サイコの歴史的作品として観るなら「羊」だけど、やっぱドキドキ・エンタとして観るなら「レッドドラゴン」でしょ。
というと、この作品はどこの位置づけになるんだろうね。

 さてと、レクター博士4部作の完成です。「羊たちの沈黙」「ハンニバル」「レッドドラゴン」に続く「ハンニバル・ライジング」。
 平たくいうと、ヤング・ハンニバルね。原作はこっちなのね。

 ぶっちゃけ、4部作の中ではいちばんつまんない。あれ、レクター博士って必殺仕掛け人だったの? そんな感じ。
 だけど、それは前3部作がものすごく良すぎたからなんだよ。

 とくに、私、いちばん好きなのは、デビュー作の「羊」でもなければ、レクター博士が出ずっぱりでオセロの松嶋くりそのジュリアン・ムーアが登場した「ハンニバル」でもなく、レクター博士もクラリスもサイドラインだった「レッドドラゴン」なのね。

 これに続く作品というか、時系列的には逆に「レッドドラゴン」へとバトンタッチする作品。つまり、ハンニバル・レクターがカニバリズムに目覚めた瞬間をとらえた作品としては、ものすごく期待値が高かったわけ。
 山高ければ谷深し。まっ、名作シリーズにはえてしてよくあることでやんす。

 今日公開したばっただから、さすがにネタバレは避けましょうね。
 
 旧ソ連領内のリトアニアにハンニバル・レクターは生まれます。自分の城で生まれてるし、宝石がうじゃうじゃあるくらいだから超金持ち、超名士の生まれだったのね。
 ところが、第二次世界戦争ですべてを失います。
 富と両親? いやいや、もっと大切なもの。
 それは・・・ハンニバル・レクターという人間の心だよ。

 な〜るほど、こういう極限状態の中で精神を病んでいったのか、と共感してしまう点が多々あるのね。
 その後、彼はパリの医学校からカナダへ、そしてアメリカに渡ります。

 脚本は原作者でもあるトマス・ハリスが、原作と同時進行。だから、必殺仕掛け人になっちゃったのか・・・。これは、本人がなんといおうが、1年待とうが、プロの脚本家を数人雇って、いつものようにリレー式でどんどんバージョンアップさせたほうが良かったかも。

 ナレーションはレクター役をずっとしてるアンソニーホプキンスだって?
 気づきませんでしたねぇ。ナレーション、聞こえなかったなぁ。あったの?

 ヤング・ハンニバル役は「フランスのオダギリジョー(私が言ってるだけなんだけどね)」こと、ギャスパー・ウリエル。若干20歳の怪演ですな。
 で、紅いコーリャン、コン・リーがマダム・ムラサキという日本女性役。おいおい、本物の日本人女優はいなかったのか?

 レクター博士3部作はすべて持ってる。「レッドドラゴン」でもかけながら仕事するか。それとも、さっさと寝て朝4時に起きて仕事すっか? 無理だな。締切に間に合わない。先週は5日間で計10時間しか寝てないっつうのに。「1日22時間仕事術」っての書こうかな。売れねぇだろうなぁ。