2007年06月27日「ゾディアック」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 「セブン」の監督デビッド・フィンチャーの作品なのよ。で、愉しみにしてたの。
 今週は金曜から「ダイハード4.0」もあるし、「日刊ゲンダイ」で3カ月の連載がはじまるし、来月は来月で面白い映画が目白押しだかんね。
 無理してレイトショーに行ったのね。今日はメンズデーで1000円だったし。

 で、見終わった最初の感想は・・・これ、2時間37分も必要な映画かぁ?

 最初鋭くて、中盤くらいでアル中になっちゃう記者(これが名優ロバート・ダウニー・ジュニアなんだよなぁ)の役って必要だったの(で、いつからアル中になったんだ)?
 この記者がいたから、主役のイラストレーターが本格的に捜査するタイミングが遅れるっちゅうか、尻切れトンボちゅうか、本中華なんじゃないの?

 「あのイラストレーター、いつ捜査はじめるんだろ? 映画、終わっちゃうよ」と心配しちゃいましたよ。

 音楽と映像の巧さで表面的には恐怖感を盛り上げてるんだけどさ、サスペンスてのは、「底に流れる怖さ」がストーリーに見えなくちゃねぇ。 


力作ですよ、力作。

 この作品、「事実」に忠実に作られてるんだよね。けど、なまじ、事実という制約にとらわれたのかもなぁ。監督自身、子どもの頃、すぐ近くで発生した事件だから、原体験みたいのはあったと思うよ。
 けどさ、それにしても、こんなに長尺にする必然性も効果もなかったと思うな。
 
 基本的に、映画も読書も愉しむためのものだ、と考えてます。だから、辛口になっちゃう本や映画、ドラマはいままで絶対に紹介しなかったの。
 だって、私ゃ、批評家じゃないもん。娯楽家だもん。どうせ伝えるなら、「これいいよ、面白かったよ」というポジティブなメッセージを伝えたいじゃないですか!
 ねぇ。

 なら、書かなきゃいいじゃん?
 そうなのよね。

 でも、この事件の重大性てのは、1969年以降、この事件が1つのメルクマールになってるからよ。
 「ダーティハリー」にしたって、「羊たちの沈黙」にしたってさ、シリアルマーダー主役の映画はこの事件にルーツがあったりすんだよ。

 いくらでも面白くできるはずなんだけど・・・「事実」が展開を邪魔したのかもね?