2007年08月21日「不動産は値下がりする!」 江副浩正著 中央公論新社 777円
リクルートの創業者による1冊。私、起業家としてより投資家としての江副さんを評価してるんです。
でも、起業家としてあんだけのビッグビジネスを展開したでしょうが!?
たしかにそうなんだけど、リクルートのビジネスモデルって、東大時代の学生広告ビジネスでしょ? これ、元々、日下公人さんがはじめたことなのよね。で、彼は飽きちゃった。けど、じっと見てた人がいた。これはものになるぞってね。
それが江副さんだったってわけ。つまり、機を見るに敏な人なのよ。
だから、リクルートよりも、その後、展開したリクルートコスモス(いまのコスモスイニシア)の事業こそ、正真正銘、彼の本領が発揮されたビジネスだ、と考えてるわけさ。
「これから金利が上がる。バブルになるかも。ていうと、不動産バブル再燃か? いまのうちに土地買っておかなくちゃ」
世間はこんな風潮ですよね。事実、都心のあちこちで大規模な再開発が展開されてます。
じゃ、今後、不動産はどんどん上がるのか?
そんなことありませんよ。そんなに上がらないと判断したほうがいい。
より正確に言えば、一部の不動産のみが上がる。しかし、平均点としてはまだまだ下がる。こう考えるべきでしょう。
本書を読むと、投資家として天下一品の江副さんが、私の根拠レスの仮説に太鼓判を押してくれたような気がしましたね。もちろん、彼の場合は根拠がいっぱい。れが1つ1つ説得力があるんです。
不動産の相場は、金利の水準と逆相関にあります。つまり、金利が上がれば価格は下がるってこと。REITも金利が上がれば価格は下がります。金利が上がればマンションは売れなくなる・・・ということです。
もし頭金0のステップローンとか金利スライドローンでマンションを買ったり、節税や投資のために借金してまでワンルームを購入してたら、残念ながら、自己破産しかねないかもしれません。
いま都心の中心部では地価が高騰してます。これ、実需で上がってる分にはいいんですよ。けど、ほとんどの場合は、超人気エリアではなく、それらにつれて周辺エリアが上がってるわけ。
たとえば、港区麻布では路線価の2〜3倍。これが錦糸町の駅前一帯になると5倍にまで跳ね上がってます。
不動産だけに時価なんで、いずれ気づいてドカンと落ちる、いやいや、調整局面に入って落ち着くべき価格に自然と落ち着くことになるでしょうな。
不動産バブルが崩壊する理由は、いろいろあんの。
?常識が変わった
日本は国土が狭くて、土地は限りある資産。だから、不動産を持っていた方がインフレに強い・・・という常識がありました。
狭いという理由を考えると、いままで法律で規制されてたんで狭く建設するしかなかったの。これが現実なの。しかるに、いまや、規制緩和で容積率がどんどん拡大してます。首都圏でも近畿圏でもそうです。
私の仕事場の近くに「みなとみない21」があんだけど、これ、埋め立て地ですよ。まさに人工的な街ね。病院はありますけど、小学校は車で送迎しないとダメ。まっ、私立小中の場合は地下鉄で通えばいいわけね、
で、こんなのが、あちこちにできてるじゃないですか?
昨日、台場の隣の有明のワシントンホテルで打ち合わせしてたんですけど、江東区なんて、戦後、約2倍に増えてるんだよ。もちろん、埋め立てによるもの。ということは、今後、膨大な不動産が出現する可能性は十分あるってことね。
当然、価格は需給のバランスで決まります。てことは・・・。わかるでしょ?
?金利上昇は避けられない
日本の中央銀行は政府の顔色を窺う総裁ばかりが就任して、いまや、イエスマンの総裁ですからね。
福井さんがいる間は金利上昇は無理でしょう。しかも、アメリカがあの状態じゃ上げたくても上げられません。
けど、政府より政治、経済の圧力に抗することって無理なんですよ。やっぱ、金利は上昇トレンドに入ってます。すでに0金利は解除してますしね。
金利が上がれば、買いにくくなります。
ところが、ただでさえ供給過剰にあるにもかかわらず、業界はマンションをドカドカ作ってますよ。いま、道を歩いても気づくでしょう。
「マンション、多いなあ。いったいだれが入るんだろ?」
結果、売りたくて売りたくてしょうがないデベロッパーやマンション業者はディスカウントに追い込まれるでしょうね。
あっちが下げるなら、こっちはもっと安くします。これ、ビックカメラとヨドバシカメラの戦いみたいになっちゃう。
これ、典型的なデフレスパイラルじゃないですか。
?ファンドがもうダメ
海外の不動産ファンドが日本に投資している理由は、超低金利だからですよ。金利が上がったら収益は・・・。海外ファンドは国内不動産を解約、投げ売りし、その資金を相対的に安いアジアにシフトするのは目に見えてますよね。
一方、国内ファンドは生保等々の機関投資家がスポンサーなんだけど、REITの利回りがガクンと来たら、悪影響は必至ですよ。
不動産価格下落が金融不安にまで飛び火しないことを祈るばかりです。
ほかにも、独立法人化した大学、経営危機の大学、少子化を背景にした大学経営を考えると、何の役にも立たない広大な敷地は必要ないでしょう。となると、払い下げ?
ローンだって、金利が上がれば変わってきますよ。
まっ、その他いろいろな理由で、不動産価格は下がるというわけね。もちろん、一部の不動産は高騰するかもしれません。
けど、ピンポイントで高騰するだけで、周辺エリアも巻き込んで高騰し続けることはない、ということです。300円高。
※いよいよ9月開講!第7期原理原則研究会メンバー募集中!
物好きな方は左上の玉ねぎ坊やをクリックしてスケジュール、講義内容等をご確認ください。年間会員制のため募集は今回限り。中島孝志&特別講師(3人)の「ビジネス版すべらない話」!ディープ・インパクトをご堪能あれ!人生変わるかもよ!
でも、起業家としてあんだけのビッグビジネスを展開したでしょうが!?
たしかにそうなんだけど、リクルートのビジネスモデルって、東大時代の学生広告ビジネスでしょ? これ、元々、日下公人さんがはじめたことなのよね。で、彼は飽きちゃった。けど、じっと見てた人がいた。これはものになるぞってね。
それが江副さんだったってわけ。つまり、機を見るに敏な人なのよ。
だから、リクルートよりも、その後、展開したリクルートコスモス(いまのコスモスイニシア)の事業こそ、正真正銘、彼の本領が発揮されたビジネスだ、と考えてるわけさ。
「これから金利が上がる。バブルになるかも。ていうと、不動産バブル再燃か? いまのうちに土地買っておかなくちゃ」
世間はこんな風潮ですよね。事実、都心のあちこちで大規模な再開発が展開されてます。
じゃ、今後、不動産はどんどん上がるのか?
そんなことありませんよ。そんなに上がらないと判断したほうがいい。
より正確に言えば、一部の不動産のみが上がる。しかし、平均点としてはまだまだ下がる。こう考えるべきでしょう。
本書を読むと、投資家として天下一品の江副さんが、私の根拠レスの仮説に太鼓判を押してくれたような気がしましたね。もちろん、彼の場合は根拠がいっぱい。れが1つ1つ説得力があるんです。
不動産の相場は、金利の水準と逆相関にあります。つまり、金利が上がれば価格は下がるってこと。REITも金利が上がれば価格は下がります。金利が上がればマンションは売れなくなる・・・ということです。
もし頭金0のステップローンとか金利スライドローンでマンションを買ったり、節税や投資のために借金してまでワンルームを購入してたら、残念ながら、自己破産しかねないかもしれません。
いま都心の中心部では地価が高騰してます。これ、実需で上がってる分にはいいんですよ。けど、ほとんどの場合は、超人気エリアではなく、それらにつれて周辺エリアが上がってるわけ。
たとえば、港区麻布では路線価の2〜3倍。これが錦糸町の駅前一帯になると5倍にまで跳ね上がってます。
不動産だけに時価なんで、いずれ気づいてドカンと落ちる、いやいや、調整局面に入って落ち着くべき価格に自然と落ち着くことになるでしょうな。
不動産バブルが崩壊する理由は、いろいろあんの。
?常識が変わった
日本は国土が狭くて、土地は限りある資産。だから、不動産を持っていた方がインフレに強い・・・という常識がありました。
狭いという理由を考えると、いままで法律で規制されてたんで狭く建設するしかなかったの。これが現実なの。しかるに、いまや、規制緩和で容積率がどんどん拡大してます。首都圏でも近畿圏でもそうです。
私の仕事場の近くに「みなとみない21」があんだけど、これ、埋め立て地ですよ。まさに人工的な街ね。病院はありますけど、小学校は車で送迎しないとダメ。まっ、私立小中の場合は地下鉄で通えばいいわけね、
で、こんなのが、あちこちにできてるじゃないですか?
昨日、台場の隣の有明のワシントンホテルで打ち合わせしてたんですけど、江東区なんて、戦後、約2倍に増えてるんだよ。もちろん、埋め立てによるもの。ということは、今後、膨大な不動産が出現する可能性は十分あるってことね。
当然、価格は需給のバランスで決まります。てことは・・・。わかるでしょ?
?金利上昇は避けられない
日本の中央銀行は政府の顔色を窺う総裁ばかりが就任して、いまや、イエスマンの総裁ですからね。
福井さんがいる間は金利上昇は無理でしょう。しかも、アメリカがあの状態じゃ上げたくても上げられません。
けど、政府より政治、経済の圧力に抗することって無理なんですよ。やっぱ、金利は上昇トレンドに入ってます。すでに0金利は解除してますしね。
金利が上がれば、買いにくくなります。
ところが、ただでさえ供給過剰にあるにもかかわらず、業界はマンションをドカドカ作ってますよ。いま、道を歩いても気づくでしょう。
「マンション、多いなあ。いったいだれが入るんだろ?」
結果、売りたくて売りたくてしょうがないデベロッパーやマンション業者はディスカウントに追い込まれるでしょうね。
あっちが下げるなら、こっちはもっと安くします。これ、ビックカメラとヨドバシカメラの戦いみたいになっちゃう。
これ、典型的なデフレスパイラルじゃないですか。
?ファンドがもうダメ
海外の不動産ファンドが日本に投資している理由は、超低金利だからですよ。金利が上がったら収益は・・・。海外ファンドは国内不動産を解約、投げ売りし、その資金を相対的に安いアジアにシフトするのは目に見えてますよね。
一方、国内ファンドは生保等々の機関投資家がスポンサーなんだけど、REITの利回りがガクンと来たら、悪影響は必至ですよ。
不動産価格下落が金融不安にまで飛び火しないことを祈るばかりです。
ほかにも、独立法人化した大学、経営危機の大学、少子化を背景にした大学経営を考えると、何の役にも立たない広大な敷地は必要ないでしょう。となると、払い下げ?
ローンだって、金利が上がれば変わってきますよ。
まっ、その他いろいろな理由で、不動産価格は下がるというわけね。もちろん、一部の不動産は高騰するかもしれません。
けど、ピンポイントで高騰するだけで、周辺エリアも巻き込んで高騰し続けることはない、ということです。300円高。
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物好きな方は左上の玉ねぎ坊やをクリックしてスケジュール、講義内容等をご確認ください。年間会員制のため募集は今回限り。中島孝志&特別講師(3人)の「ビジネス版すべらない話」!ディープ・インパクトをご堪能あれ!人生変わるかもよ!