2007年11月03日「グッド・シェパード」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

「だれも信じるなよ」「未来のことはだれにもわからない。敵が味方になり味方が敵になることもあるだろう」

 どんな映画かとひと言で言えば、「CIA誕生物語」というか、「哀しき諜報員」というか、「死刑執行人もまた死す」というか・・・監督・製作はロバート・デ・ニーロ(出演もしてる)、主演はマット・デイモン(元々はディカプリオがやる予定だったらしいけど)、アンジェリーナ・ジョリー(これは?だな)。


「CIAにTheがつかないのはなぜ?」「GodにTheがつくかい?」

 あの佐藤優さんが推薦してたということもあり、見たい見たいと思ってました。ようやく見られた。ホント、10〜11月はちと忙しかったな。
 佐藤さんが推薦した理由は、「かなりの部分、諜報員の生活が正確に描かれているからだ」という。

 たしかに、映画を見ての第1印象は「静かなゴルゴ13だな、こりゃ」ということ。
 なんの因果でこんな仕事を選んでしまったんだろう、とふと疑問に思うことがあるよね。ビジネスパーソンも同じです。でも、国家への忠誠とか正義感、使命感? いろんなものが複雑に絡んで続けてるわけだよ。

 あのプーチンもあるスパイ映画に触発されて諜報員になりたかったらしいね。
 で、どうやったらなれるのかと聞いたら、「勉強しなさい。いい大学に行きなさい。そしたら、どこからか人がやってきて声がかかる」
 実際、そうだったらしい。

 バカじゃできない仕事、私心のある人間には任せられない仕事。だれがやってもいい仕事じゃない。だから、「人物」を目利きされるわけ。

 この主人公にしたって、エール大学出身者で作られている「スカル&ボーンズ(頭蓋骨と骨)」という組織に入り、そこから認められていくわけね。
 「スカル・・・」については昔、本を読んだけど、フリーメーソン並の秘密結社ですな。アメリカのエスタブリッシュメントとして国家の利益に忠誠を尽くす集まりよ。エリートにとって、国家の利益=自分の利益だからね。
 なんて鼻持ちならない組織なんだろね。

 でも、ホントのエリート社会はそうなの。閨閥、学閥、門閥も当然、そうなのよ。テーブルにつける限られた人間だけの富と権力の世界だからね。

 主人公はキューバのカストロ政権転覆作戦を指揮し、それがCIA内部の情報漏れで失敗します。敵のスパイらしき男女が映ったビデオテープが届く。それを調査していくうちに・・・という映画。
 きわめて人間くさいドラマにしあがってます。残念なのは、マット・デイモンて、めちゃ頭がいいんだけど、理知的に見えないことね。この映画は「ハムレット」なんだから、それ風の人がやるべきだったかもね。
 まっ、いいか。ただいま上映中。

 11月はいい映画が目白押しですよ。今日から「オリヲン座からの招待状」「続・ALWAYS 三丁目の夕日」もあるしね。仕事は山積み、でも映画は見たい。シャンソンも芝居も落語も堪能したい・・・1日50時間くらいあるといいなぁ。もっと効率よく仕事しなくちゃ。