2008年02月08日「非属の才能」 山田玲司著 光文社 735円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 佐藤ゆかりセンセ、岐阜から追い出されちゃいましたね。やっぱ、爺様の七光りは強いですなぁ。政治家としての資質はゆかりセンセのほうがはるかに上でしょう。
 怪文書とか週刊誌ネタとかでイメージを落としたことは事実。けど、たんなるおばさんよりはずっといいよね。

 まっ、選挙では負けたんだし、これからだって、ここじゃ勝てそうにない。それに、ゆかりセンセは田舎より都会のほうがお似合い。
 ここは潔く東京五区で頑張ってくださいませ。

 さて、ゆかりセンセもある意味で「非属」なのかもしれません。
 非属とは著者の造語。どこにも属さない。属していない。孤高の存在=才能ある人、ということらしい。

 行列なんかにゃ並ばない。空気だって読めない。浮いてる。学校に1人も友人がいなかった太田光さんに大槻ケンヂさん。高校3年間で5分しかしゃべらなかったほっしゃん(ホンマかいな。私も1時間くらいかも)。
 もちろん、人の言うことは聞かない。

 つまり、自分の中にどこにも属せない感覚があり、それを信じ続けた。
 これ、非属の才能。

 子どもはだれだって卑属の才能なんだよね。でも、群れで生活するうちに知恵を身につけます。こう動いたらこうなるなという予測ができれば、それなりに感情を抑えたり、意識をシフトしたりして、有利な状況を実現しようと考えるようになります。

 群れず、他人の意見などに左右されず、我が道を行く。ある意味、はなはだ困った人物。
 これ、非属の才能。

 ミルクをこぼして気づかない子ども。いま、意識は自分の世界にある。夢中になるということはそういうこと。
 「なにやってるの? 注意しなさい」と親は言う。けど、いま、意識は宇宙にあるから下世話なことには関心がないわけ。
 これ、非属の才能。

 赤い小さな魚の群れのなかに1匹「スイミー」という黒い魚が混じってた。みんなとちがうというだけの理由で虐められた。ずっと孤独だった。
 ところが、群れが巨大なマグロに襲われたとき、「ボクが目玉になるよ」と大活躍。群れ全体で赤い大きな魚のふりをしてマグロを追いやった。
 これ、非属の才能。

 はぐれものは2つの意味で群れに貢献するわけ。自然界を見ればよくわかります。
 たとえば、シマウマ。ぼんやり群れから外れたシマウマはライオンに食べられちゃう。このおかげで群れはライオンに気づいて逃げられるわけ。つまり、非属の才能のおかげで群れ全体が助かるというメリットが1つ。

 もう1つは、群れ全体が食糧危機になったとき、変わり者だから勝手にどこかに出かけちゃう。たまたまそこで食べられる草や木を見つけた。群れはこの1匹の後をつけていけば食糧にありつけるというわけ。
 勝手気ままな行動が群れ全体を救うというわけ。

 バカとはさみは使いよう。けど、なかなか使えないし、使える人もめったにいない。結果、非属の才能は生きにくい。
 これ、非属の才能・・・の宿命。

 つらい? ぜんぜん。だって、人にも持ち味や個性があるもの。キャラやパーソナリティを殺してまで生きたとしても、それは生きてるとは言わないの。




 昨日から花粉症。咳がつらいねぇ。免疫力が落ちたのかもしれませんな。