2008年03月11日石原銀行危機一髪!

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 人気都知事もこれじゃ形無しですな。衆院議員をサッと辞めたように、今回も引き際の美学みたいなものを見せてくれますかね。

 私ゃ関係ない。株主としてしかモノを言えん。経営者の独断専行が悪い・・・まっ、いろいろあるでしょう。
 けど、トヨタ出身のあの代表執行役をもってきたのは、ほかならぬ石原さんなんだしさ。

 日経新聞とのやりとりがおもしろい。

開業から半年の手応えは?
「予想以上。採点するのは3年後まで待ってほしいが、よその金融機関に断られた企業にも貸しており、非常に喜んでもらってる。3営業日で融資決定、という速さも高く評価された」

無担保融資専業では貸し倒れリスクが高いのでは?
「財務状況を見た上で、工場を見に行ったり社長と話をすれば企業の状況は判断できる。担保があると安心はできるが、設定や処理は結構大変で、そのエネルギーやコストを考えると無担保というビジネスモデルは不利ではない。むしろ、まだまだ安全なところにしか貸していないと叱ってるくらい。貸付期間は平均4年くらいで、相当の引当金が戻ってくると考えている」

メガバンクの中小向け融資積極策で存在意義を問われている?
「都の調査によると、今年9月で資金繰りが厳しいという企業は3割に達する。新銀行東京はきちんと売り上げが立つ会社、成長できる会社であれば、赤字でも債務超過でも貸し付ける。景気が悪くなると銀行はすぐに融資を引き揚げるが、うちは逃げない」

 そりゃ都民の税金だもの。いくらでもつぎ込めるわな。


主役は仁司泰正(にし・やすまさ)さん。トヨタ自動車で経理、財務畑を歩み、平成5年、豊田工機取締役、専務を経て、12年にトーメン副社長。15年、豊田通商常勤監査役。16年から新銀行東京の代表執行役。その後はご存じの通り。

 「いままでにない銀行をつくる」という肝いりで、「半年先まで生きていればどんどん融資しろ」という積極経営。しかも担保無し。これがすべて裏目に出たわけだ。

 都に400億円の出資を要請したものの、この3月決算の累積赤字1016億円はちと痛いでしょうな。都は新銀行に1000億円出資してんだからね。

 資本金1187億円。出資比率84%。中間決算が▲936億円。それが時間の経過とともに膨らむ一方。しかも、現時点で融資先600社が破たんときた。

 「いまやめたらもっと酷くなる」というけどさ、バブル崩壊後、「失われた10年」にしちゃったのは「や〜めた」という決断と実行ができなかった政治家の責任でしたね。

 見切り千両、損切り万両というじゃないですか? 解散したらええねん。まだ、こんな額でしょ。都民も許しますよ。
 いまからまともな経営をしたところで、そんなのは信用金庫に任せときゃええねん。なにも新銀行がしゃしゃり出ることはない。

 もうビジネスモデルが成立しなくなってるんだから、潔く退場しなさいよ。

 10年経って、「石原さんも晩年はダメだったねぇ」「都がこんなに困ってるのは放漫経営のせいだよ」なんて言われたくないっしょ?

 ターニングポイントにさしかかってるのよ。