2008年04月03日哀しいね

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

おかあさん

おかあさんは
どこでもふわふわ

ほっぺは ぷにょぷにょ
ふくらはぎは ぽよぽよ
ふとももは ぼよん
うでは もちもち

おなかは 小人さんが
トランポリンをしたら
とおくへとんでいくくらい
はずんでいる

おかあさんは
とってもやわらかい
ぼくがさわったら
あたたかい 気もちいい
ベッドになってくれる

 こんな素敵な詩を書いた9歳の男の子が殺されちゃった。しかも、「おかあさん」に。
 「離婚してて無職で」・・・だから将来を不安だったんだと。うつ病だったんだと。

 最近、心中事件が多いですね。なぜ心中になるのか? 1人で死なないからですね。死ねないんでしょう。残された子どもが不憫で・・・。
 ところが心中のミス(?)も少なくありません。殺した本人だけが生き残る、というやつです。

 子どもは親の持ち物だなんて、だれが考えたんでしょう。親も子どもも別物。

「カ・イ・サ・ン!」

『ホームレス中学生』の田村さんの父親は保護責任者遺棄ですか? 親から捨てられても、子どもたちは近所の人の世話になり自活したりして、なんとか生きてきましたよね。

 以前も書きましたけど、近くに教会が運営する施設「○○園」があるんです。チビちゃんから高校生までが、シスターと一緒に暮らしています。
 経済的に苦しくて我が子を手放すケースばかりではありません。「虐待」が多いんですね。一緒に暮らしていると子どもが可哀想。だから引き離すんです。
 仕事で父親がいない隙に母親が虐待する。だから、休日だけ戻るという子どもも少なくありません。

 園の子どもたちと愚息は幼稚園が一緒。仲良しなんです。で、水曜日は早く終わるんで、みな我が家に来ます。すると、我先に家内の膝に座ろうとするんです。取り合いです。普通は焼き餅を焼くんですけど、息子はまったく無関心。

 子どもにとって「おかあさん」は特別な存在なんですね。私の膝は余ってるんですがだれも近寄りません。

 いまでもたまに「○○園」のバスを見かけます。あの頃と同じように、あどけない顔をしたチビちゃんたちがちょこんと座っています。二重写しに見えて仕方がないんですね。
「頑張れよ! いいことあるよ」と囁きます。いや祈ります。

 世間は厳しいというけど、もっと信用してもいいし、依存してもいいと私は思います。
 残念ながら、この母親は「困ってるんだ」というメッセージが出せない人のようですね。娘の間はそれでもいいけど、親になったらもっと強くならなくちゃ。

 命を賭けても守るべき我が子を殺めるには事情があるかもしれませんけど、子どもは親のものではありません。
 子どもは意外と強いです。意外と子どもは大人です。親の複雑な事情も意外と悟っていたりします。
 子どもを信じてやれなかった。それが悲劇の根本にあるのかもしれません。

 母に似て 父に似て この子は 神の子 仏の子

 哀しい事件です。