2008年04月28日「誰だってズルしたい!」 東海林さだお著 文藝春秋 520円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 う〜ん、誰だってズルしたい!
 そうかなぁ、僕はズルしなくたっていいんだけど・・・な〜んて人は信用しない。もち、ズルしたい。人が見てなければめちゃズルしちゃう。こういう人でなきゃ仲間に入れない・・・こういう人がたぶんいっぱいいるのが国交省であり、社保庁なんでやんしょうね。

 なんつうか、人間としてあまりにも正直過ぎて笑ってしまう。で、プロとしてはあまりにも意識が低いんで、こちらも嘲笑されちゃうだろうね。
 「こんなつまんない仕事してんだから、その分、役得がなきゃね」とでも考えてるんでしょうか。

 じゃ、あんさん、ズルはお嫌いですか?
 お好きです。

 ある意味、「ズルしたい!」という気持ちがあるからこそ文明は発展してきたんだもんね。人が10する努力をして10の利益を得るならば、私ゃ5、いや1の努力で20得られないか・・・と考えるわけね。
 どうやって可能になるの? その秘密が「ズル」なわけ。
 
 お役人の方々だって、いまは年収が1000万円くらいだけど、天下りを3回もやれば3億円にはなんだから。これで学生時代の奴らを超せるんだから、と計算してるわけですね。秘密=ズル=天下り、というわけね。

 中には、1600万円くらいで、「あら、見てたのねぇ!」と逮捕されちゃう防衛省の事務次官さんもいるわけでげす。

 あのさ、「濃縮果汁還元」という飲み物あるよね。「果汁100%」って書いてあんだけど、果汁が100%? 果汁ってのは、ほとんどが水分だよね。つまり、水分をとったエキスが大量にあって、工場でもう1度、水を大量に混ぜて還元するわけね。
 これで、成分はOKなわけ? ホントにいいの? これ、ズルじゃないか・・・。

 山口第2区の補選で民主党候補が勝ちました。もし、これ、自民党候補が勝ってたら、「ほら、暫定税率だってOK!」「後期高齢者医療制度だって問題なし!」と鬼の首でもとったように叫んだでしょうね。
 けど、民主党が勝っちゃった。ズルできなくなったわけだ。

 衆参ねじれ現象で法案成立が遅々として進まなくなったと言われます。で、デメリットがあると・・・。けど、こういうふうに、ズルできなくなって、争点・問題点が有権者により硝子張りになることはええことだと思いますな。

 さて、自民党は簡単に解散なんて言えなくなっちゃいましたね。でも、福田政権ではどうにもこうにも、♪にっちもさっちもブルドッグ♪
 まあ、順当に行けば、解散ではなく総辞職。で、また、自民党総裁選で1か月間の空白? このときに自民党の若手が暴れて、政界再編かな。
 仕掛けは小泉さんと前原さんあたり? だって、元々、政界再編なんて言い出したの、この2人なんだから・・・。

 ある程度のズルって、ホントは必要悪なんだろうね。水清ければ不魚住。清濁あわせ呑まなくちゃいけないと思うけど、もう、土建屋選挙は無理だと思う。いくら献金したってリターンが期待できなきゃ止めるに決まってる。
 道路等々の公共事業はもう出せません。いま狙うなら、環境にかこつけた公共事業だろうね。こういう切り口で行政に対さないとあかんな。
 あれれ、こっちのほうが本格的なズルかもね。