2008年07月06日「クライマーズ・ハイ」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 1985年に起きた「日航ジャンボ機墜落事故」を、地元群馬(御巣鷹山)のいち地方新聞の視点からとらえた映画ですな。一昨年だったか、NHKが先行してドラマ化してたけど、今回は映画で登場です。

 8月12日だったよね。524名を乗せた日航ジャンボ機が墜落。原因はいろいろと取り沙汰されているけど、ボーイング社なども絡んで、いつもの通り、真相究明からはほど遠い政治決着。とくに日本航空だから真相はさらに藪の中・・・なのかもしれませんな。いまもさらなる究明が叫ばれてはいますけどね。

 で、この報道の全権を任されたのが堤真一さん演じる悠木デスクなわけ。
 けど、社内の温度は、金儲けのことしか考えない地元名士の社主に茶坊主の幹部たち・・・ではね。報道の第一線に無線機1つない。世紀の大事件を前にして、これで中央の新聞、テレビどスクープ合戦を勝たなければならないわけ。
 「事件は現場で起きている!」と青島刑事でなくと叫びたくなるわな。

 原作は横山秀夫さん。『半落ち』ね。私、彼の警察小説が好きなのね(「通勤快読」で何冊も紹介してる通り)。けど、これは読んでませんでしたね。


脚本に「るにん」の成島出さんの名前。仕事してますなあ。

 男の仕事の映画。とくに新聞記者の世界ね。職場の雰囲気はよく描かれてたと追うけど、ライバル社との競争みたいのはもっと丁寧に描いても良かったのでは? 上司も部下も関係なく喧嘩腰の世界はよくわかる。いまはどうなんだろう? 記事1つの扱いをめぐって殴り合いの喧嘩が起こるヒートアップした記者たちは健在なんだろうか?

 「マジックアワー」ほど宣伝してないわりには、そこそこ劇場も混んでました。役者勢もいいね。力作といえますな。