2008年08月31日「敵こそ、わが友」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 たまたま銀座にいくことがあって、慌てて、シネマ情報をチェック。
 これやな・・・テアトル銀座か。ホテル西洋銀座のそばか。昔、横澤彪さん演出の「ベニスの商人」を5回も観たとこかな。池乃めだか師匠ばかり気になって、堤真一さんが出ていたことをしばらく気づかなかったな。

 さてと、ヒトラーに心酔してアンデス山脈に「第四帝国」を夢見た男。元元ナチス親衛隊の幹部。彼の3つの人生を検証する衝撃のドキュメンタリー。
 たしかにドキュメンタリーでしたな。けど、これ、ドラマでやってもよかったかも。つうか、そのほうがいい。



 アメリカの戦後最大のライバルはソ連。今も昔もそうだけど、最近は中国が加わって三つ巴となってます。
 アメリカにとって、ヒトラー率いるナチスよりもソ連がいちばんの問題なのよ。で、そのためにフランスのリヨンでレジスタンス殺しの虐殺者として有名だったナチ親衛隊幹部のクラウス・バルビーを自陣営に引き入れるわけ。

 勝手なものですけど、これが政治ですな。昨日の敵は今日の友。敵の敵は味方。現実的には、利用できる間は友人。右手で握手しながら、左手で拳を握っているのが外交だからね。

 さて、バルビーは「終身刑」を宣告された戦犯でありながら、戦後処理に便利だとして対共産党のためにCIAで雇われます。なにしろ、ナチスには1930年代から共産党の情報がありますからね。これが第2の人生。

 結局、フランスから引き渡し要求が出たために、4年間、使うだけ使って南米に逃がしちゃうわけ。で、バルビーはボリビアで暗躍するわけ。これが第3の人生。
 軍事政権を支援、チェ・ゲバラ暗殺計画も立案。

 いま、ロシアとグルジアの対立を契機に西側とロシアの「冷戦」が復活しそうですが、ロシアのプーチンは一貫して強いロシアの復権を模索していたはず。
 折からの資源高で冬眠から息を吹き返した熊がどこまで大暴れするか。原油と天然ガスを媒介として資源外交を展開するつもりでしょう。
 こうなると、西側は脱原油・脱天然ガスが政策としてより重要となってきますね。原子力は今後、より積極的に展開されると思いますよ。
 
 予告編でやってたけど、『善き人のためのソナタ』のウルリッヒ・ミューエが、ヒトラーの演説指導に当たるユダヤ人教授を演じる『わが教え子ヒトラー』は見物ですな。