2008年12月10日ソニーのリストラ発表に思う

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 16000人のリストラ。ソニーの発表がありましたね。
 パナソニックもそうですが、たしかに家電メーカー、それも輸出メーカーの業績は厳しいですよね。家計が落ち込み、消費が落ち込んでるわけですからね。

 しかも最近のソニーはソニーらしさがないというか、プレステにしてもマイナーチェンジだもんね。ソニーファンの私として、昔日の斬新なソニーを復活してもらいたいですな。

 ところで、経営者の目から見ると、いまほどリストラのチャンスはありません。なんでもかんでも「サブプライム問題」に責任転嫁できますからね。
 去年から、日本では団塊世代の定年が始まっています。再来年までに800万人を超える人数がオフィスからいったん卒業します。にもかかわらず、さらにリストラしたい。これが企業の本音でしょう。
 なぜか? 来るべき時代に向けて、リーン経営(筋肉質な経営ということ)をする準備をしたいわけです。優秀な若手をもっと登用したいんでしょう。

 経営者にとって、このどさくさはチャンスですよ。いままでなかなか処理できなかった懸案の不良債権にしても、「これもサブプライムだかんね。わしの責任じゃないんだかんね」としらばっくれて処理しちゃってもOK。
 なんでもかんでもサブプライムの責任にしちゃえばできます。それで株主総会もしゃんしゃんでっせ。つまり、今期はいままで処理できなかった「問題」をすべて片付けるチャンスでもあるんです。

 でも、覚えておかないといかんのは、好景気になって人を採用したくても、たぶんなかなか採れないということ。「採用取消し」なんてことした会社。大学からは出入り禁止のはず。
 いま勤めてる人たちからも、人材の流動化がスムーズになったら、「それじゃ、私、辞めますから」のひと言でハイ、サヨナラ。文句はいえませんな。おあいこですもん。
 つまり、それだけの覚悟をしないとできない所業なんですよ、リストラは。

 友人が勤める米国の大手企業は、別に金融危機にならなくたって、毎月数百人という規模でリストラがありました。リストラというより、人材のスクラップ&ビルドです。会社や事業部ごと、平気で売買する社会ですからね。人なんて、部品としか思ってません。
 
 やはり、不景気になったら即、首を切る会社よりも、全員減給されても雇用をつないでくれる会社のほうがいいですよね。

「今日限りであんたと離婚したいわ」
「なんでやねん?」
「サブプライムが悪いのよん。悪う思わんといて」
 こんな会話もあるかもよ。お互いにクワバラクワバタオハラ。