2009年01月11日「古都」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

　新年の映画は今日あたりから佳品が目白押しですな。ま、私は仕事しなくちゃいけないからちとお預け。「ステイ」という状態です。グルルゥ。

　それにしても、綺麗な女優さん少なくなりましたね。基本的に日本人て美人が少ない民族なんです。たぶん、いろいろな民族との交わりがことのほか少なかったからでしょうね。
　美人の産地中南米、シルクロード、そして中近東あたりとはぜんぜん違いますモンね。

　昔の女優さんて、やはり、「美人大会」（古いか）のチャンピオンのような美を誇ってました。そういう意味では、まいや、演技派が活躍できる環境になったのかもしれません。
　
　で、今回述べたいのは「気品」についてです。これ、たんなる美人度とは物差しが違いますよね。これ、金持ちだとか頭がいいとかいう次元とは違うんですね。なんつうか「凜」とした美しさというか。
　だれとはいいませんが、いまの女優さんに致命的に欠如している要素かもしれません（ま、基本的に女優って外見は女性だけど中身は「男」ですからね）。

　でも、女優なら、せめてスクリーンの中だけでもそんな気品を感じさせて欲しいものですな。

　というわけで、岩下志麻さん二役の映画です。かつて、山口百恵さん、上戸彩さんも演じましたけど、気品という点でやっぱ比べ物にはなりません。NHKの朝ドラ「だんだん」もモチーフをぱくってますけど、これ、川端康成の原作です。


この人が「極妻」演じるとは思いませんでした。役者やのお。

　原作の映画にも京都の祭りのあれこれが描かれてますけど、川端先生は京都がお好きで、これ以外にも「美しさと哀しみと（こちらは女の復讐劇だけど）」という作品でも京の風情をたっぷり紹介してますな。

　さて、双子に生まれながらも、室町の商家の軒先に捨てられた千重子は京呉服問屋の娘として育ちます。
　「おまえがあまりに可愛いんで盗んでしまったんや。ご両親にはいつも堪忍え、と両手を合わせて謝っとる」
　父親も母親もそういうけれども、20歳の八重子は信じていない。「私はきっと捨て子やったんや。ほんとうの両親は困窮してるはず、大丈夫やろか」と考えているわけ。

　ところが、祇園祭りの宵山で、八重子は自分そっくりの女性に出会います。
　「なにを願ってたん？」
　「はい、生き別れになった姉のことを」
　「・・・」
　北山杉の貧しい里娘として育った苗子は一目で双子の姉だ、と見抜きます。

　「女の出世は早い」と北野武さんが言ってます。大奥でも殿から見初められたら大変な出世ですもんね。いまの時代でも「成金」にはすぐになれます。
　けど「気品」ちゅうのは一朝一夕には身につきませんな。これは簡単にアップデートできませんな。むずかしいものでんなあ。