2009年02月04日「モデル失格」 押切もえ著 小学館 777円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 日経web連載の「社長の愛した数式」は連日15万人のアクセス。日経記事中ダントツ人気のコラムとなってしまいました。本日水曜日が更新です。
 今回のテーマは「ユニクロ柳井正CEOの数式」。人罪を人財に変える仕組みを説いています。ぜひご一読くださいませませ。

 いま、テレビで活躍のもえちゃん。デビューは遅かったみたい。
 彼女がはじめて出てきたとき、活躍してたのは山田優さん。きらきら輝いてた、とのこと。「活躍してる人は必ず自分より頑張ってる」と素直に脱帽してます。天真爛漫、魅力、場を一瞬で明るくするカリスマとのこと。

 逆に言うと、もえちゃんは地味で暗い? たしかに明るくはなさそう。で、はっきりいってそれほどの美人じゃない。
 
 この人、CanCam、AneCanの専属モデルでしょ。普通、モデルつうのはいろんな雑誌やファッションショー、CMとかに登場してナンボなのよね。複数契約するわけ。
 で、ファッション誌つうのは2つのポイントがあって、1つは洋服を見せるファッションページ。もう1つは美容情報のビューティページ。この2点がいつも必ず特集されていること。これが売りなわけよ。

 専属モデルの彼女は、当然、この2つにいつも登場してないといかんわけ。ところが、もえちゃんは常にファッションページのみ。
 なぜか? 美人じゃないからよ。けど、問題あれば対策あり。美人顔じゃないことは本人も強く自覚。で、この「美人じゃない」というコンプレックスあればこそ、この世界で成功したとも言えますな。
「もえメイク」や「押切巻き」もコンプレックスをカバーする武器になった。

 意外と下積みが長いみたい。売れかけたときにハワイで事故。首を折り、脊髄に傷つけるという大事故。事務所が突然閉鎖し給料が無くて食べるものがなかった。
 けど、いちばん辛かったのは、この世界で頑張ろうとしてたけど反応がないこと。焦り。不安。ストレス。

 この下積みのなかで培った方針は、「文句を言う前にベストを尽くせ」ということ。なんかBigTomorrowみたい。でも、見習うべきだよね。

 私も意外にモデルの知人が少なくないのよね。昔、「セブンティーン」の表紙を飾ってた知人は米国に留学後、そのまま米国のコンサル会社に就職。で、いま、マイクロソフト相手にいろいろやってます。
 景気が良かろうと常時100人単位のリストラがあるから、金融危機すら気づかなかった、だって。ま、そんなもんでしょ。

 で、彼女の従姉妹がフォードモデルズという事務所に所属してんの。有名なミュージシャンの娘なんだけどさ。ララ・マッキャンとかカミラ・フィン、ドミノ・ハーヴェイ、リディア・ハースト-ショウ(新聞王ハーストの孫)なんかもいるめのよね。
 年末、来日したんでB級グルメを案内したんだけど、やっぱホンモノはちがうわ。みな振り返りますな。お気に入りは元町の塩ラーメン「本丸亭」。帰国前日、食べに行ったというほどはまったみたい。
 日本製のモデルとはちとちがいますな。欧米のモデルがハンバーガーだとすると、日本のモデルは薄焼き煎餅? なんかそんな感じ。

 いずれにしても、もえちゃんの等身大の本になってます。上から目線じゃないから、若い女性には共感を得るんじゃないかな。300円高。