2009年10月27日「おひとり京都の愉しみ」 柏井壽著 光文社 861円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 これからの京都は1年を通じてもいちばんいい季節でしょうね。紅葉、もみじ。盆地ですからちょい寒くなる。湯豆腐もいいよね。
 観光客がどかどか訪れるんでしょう。年間5000万人ですからね。
 ま、今年は新型インフルの影響で客足もかなり厳しくなったでしょうけど。

 おかげで、いままで大名商売してたホテルや食べモン屋さんも「商売の原点」に立ち戻るいい機会になったかもしれませんな。

 私、京都に4年間住んでました。といっても、若い頃ですからね。本書で紹介されてるような店はとんと知らなんだ。
 でも、「おひとり京都の愉しみは・・・歩くことから始まる」という著者の提案には大賛成ですね。私、京の都を歩きましたもん。

 そしていまでも歩いて探してます。京の朝5時。毎朝ウォーキングがてら3時間ほどあちらこちらを歩いてます。そのおかげでしょうか、本書に書かれてた通りとかお店の3割くらいは知ってましたなあ。

 「ああ、あそこか」「あれがそうだったのか」と読んで思わず納得至極。

 さて、著者は京都在住の歯科医なのよ。以前、「通勤快読」でご紹介したことがあります。でもって、私、29歳のときに「京都最先端ツアー」というイベントをプライベートでしたことがあるんですけど、このとき、知り合ったのが柏井さんでした。
 当時、奥さんに北山で器の店かなんかさせてたんとちゃうかな。で、日本酒のバーとかもやってたんとちゃうかな。

 で、私が「北山というのは原宿みたいなもんですか?」と臆面もなく聞いちゃった。ああ恥ずかしい。
 北山文化の北山と、成り上がりの原宿とでは、そもそも歴史の重みが違うんです。柏井さん、いま、雑誌等でグルメ記事とかも書いてますけど、顔写真を見るたびにそのときのやりとりが思い出されてしまいます。

 さて本書の中身ですけど、さすがに面白い。これから京都に行こう、という人には格好のガイドになるかもしれませんな。とくにいちばん面白いのはね・・・ここから先はこちらにどうぞ。