2010年02月04日「人を惹きつける技術」 小池一夫著 講談社 880円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 そうか、そういうわけだったんですね。

 なにがって、わたしがかつてはまっていた漫画に『弐十手物語』というのがあるんです。原作は『子連れ狼』『クライングフリーマン』等で知られる劇画界の大御所、小池一夫さん。
 つまり、本書の著者なんですけどね。

 この漫画、週刊ポストに長年連載されてました。もち、愛読してましたし、全巻持ってます。


哀しくても泣けない、辛くても泣けない。なぜならそれがおいらのお役目だからさ。だから「つ〜る〜!」と叫ぶんだよ。


 でね、最初、主人公は渋い色男。強くて強くて、だれも手が出せない。たとえば、ゴルゴ13を武士にしたような苦み走った男だったんですよ。

 ところが、ある時から、脇のひょろりとした腰抜け侍が主役になっちゃったんですね。

 このひょろですけど、犯人を追ってる最中でも、火の見櫓を降りられない猫を見つけると、上がって助けちゃう。にもかかわらず、ひっかかれちゃう。で、上役から叱られる。要領が悪いことこの上ない人物。ま、愛すべきキャラクターなんですけどね。
 この男、鶴次郎。魔法使いサリーちゃんに出てくる、良子ちゃんの三つ子の弟みたいな瓢箪顔した侍。これがスポットライトを浴びて・・・あれれ、どこ行ったの、藤掛飯伍? えっ、この瓢箪が主役?

 不思議でならなかったんです。ようやくわかりました。1978年から26年続いた漫画ですからね。ずっと不思議だったんですけど、32年ぶりに疑問が氷解しましたよ。

 結論はね、藤掛飯伍は人気なかったんだって。で、主役交代。瓢箪に換えたとたん、どっとウケたんだって。
 理由? それはね・・・詳細はこちらからどうぞ。