2010年07月09日消費税よりも景気対策!
カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」
いよいよ参院選挙直前ですね。いっこうに盛り上がりませんね。
ま、候補者は史上最多かもしれませんけど中身がねえ。手垢のついた小党乱立。候補者の顔ぶれは・・・衆院の落ちこぼれか西日の当たるタレント連中。
で、有権者は連日WC観戦で少々睡眠不足。選挙戦術が変わったのか、ウグイス嬢の声も聞きませんなあ。それよりなにより候補者と会わない。いったいどこで選挙運動してるんだろう?
わざとか天然か「消費税」を争点に持ち出した菅さん。支持率落とすはずですよ。でも、有権者のいちばんの関心は「景気対策(39.1%)」。以下「年金・福祉・医療(13.8%)」「バラマキ政策の見直し(12.3%)」「子育て・教育問題(7.6%)と続き、「消費税」なんてわずか6%。
ま、そうでしょうなあ。政治家より有権者のほうが切実だもん。人から分捕る率を争点にすんなちゅうの。もし消費税を争点にするなら、飴と鞭の「飴」を用意しとかんとね。
たとえば、議員数を半減するとか参院を廃止しちゃうとか。もちろん議員の歳費は一律3割カット。在任25年とかでもらえる特別手当なんて廃止しちゃう。
少なくとも、このくらいやるからどうぞ消費税を認めてください、と国民にお願いするのが当たり前ざんしょ?
国民は払わないとは言ってないの。いまの政治の下ではお金持ってても払いたくないの。そういうこと。
ところで気になるのは、菅さん、先日(6/28)の金融サミット(G20)で、「先進国は2013年まで財政赤字を半減する」「各国の状況で財政健全化計画は異なる」「最悪の財政状態にある日本は例外扱い」とオバマさんがわざわざ切り出した意味をきちんと理解してるかどうか・・・ということ。
ギリシャのソブリン・リスクに端を発したユーロ危機はご存じの通りだと思いますが、実はアメリカも大変なんですよね。アメリカって、GDPの7割くらいが個人消費なんですけど、もちろん、メインは住宅ですよ。ところが、この4月に延期延期で来てた住宅減税がとうとう廃止になりました。廃止=実質増税ですからね。すると、いきなり前月比10%を超える大幅減少。
住宅価格が下落するとデリバティブ金融商品の価格も下落します。
デリバティブの元本がいまどのくらいあるか。総計で600兆ドルといわれています。これ、兆という桁の上です。5.4京円ですよ。
1%焦げ付いただけでも540兆円。これ、日本のGDPよりも多いんですね。
昨年来、アメリカで金融不安が少し遠のいた要因の大きな部分は、不動産マーケットが回復してきたからですが、これがまたまた危なくなってきたわけです。で、すでに3月には、FRBは住宅関連の債権(エージェンシー債)買い取りを「予定通り」やめています。もう買えない、というわけですね。
でもね、FRBがいつまでもこんな債権持ち続けるわけがありません。いつか民間に売っ払いたいんでしょうけど、買う人いますかね。
ボロ債権の最後の引き受け手が政府・FRBだったんですからね。
さて、何が言いたいかというと・・・オバマさんは、財布の紐を締めることしか考えない、また、それしかできないヨーロッパと同じ轍を日本&中国にはしてくれるな、わがアメリカと一緒に「景気回復」を優先して欲しい、ということなんですね。
というのも、かつて、先進国(中国が先進国かどうかは疑問ですが)が一斉に緊縮財政を展開し、自国通貨の切り下げて不況を抜け出ようとしたとき(=近隣国貧窮化計画)、いったい何が起きたか?
「大恐慌」が起きました。
財政が赤字だからといって、短絡的に節約だ、不買だ、そして増税だ・・・と突き進むと、歴史は繰り返してしまうことになるでしょう。
日本経済は96〜98年、00〜03年に不況に突入(もちろん、株価低迷)しましたけど、これ、どちらも超緊縮財政の結果、そうなったんですね。とくに03年4月28日の日経平均株価など7607円ですよ(あの小泉さんの総理時代。参考までに08年10月27日のリーマン・ショック暴落が7162円。09年3月9日が7086円)。
FRB議長のバーナンキさんなど持論の「インフレ・ターゲット」を押さえてまで、世界恐慌へと拡大しないよう、スピーディに、しかも大盤振る舞い=財政出動してきました。
もちろん、オバマさんも就任直後の演説で「私の任期中に財政赤字を半減する!」と宣言してました。だから、来年早々、大増税に踏み切るとメディアは騒いでますけど、どうかなあ。私ゃ、大増税する前に、タックスヘイブンに逃避した資金の回収に本腰入れるんじゃないかなあと思います。いくらあるか知ってます? 7兆ドル(630兆円)ですよ(アメリカ分は500兆円もある!)。
「5年以内に貿易黒字を2倍にする!」と豪語しちゃって、まずは中国に人民元高を一応、飲ませたわけだからさ。アメリカも必死ですよ。余裕が少しでもある国にはガンガン買ってもらいたいんだから。日本なんて、竹中さんの時よりゴリゴリの要求してくると思うよ(小沢さんが嫌がらせ受けてるのもアメリカがやりにくいからだと思うな)。
ま、そういうわけで、いくらアメリカべったりの菅さんでも世界経済を見ずに勝手に増税(=緊縮財政)されたら困る。参院選後、チェンジもありえますよ。
「ギリシャ生け贄」の噂も聞こえるいま、世界最大の債権国日本の政策は国内だけでなく、実は世界も熱い視線を送っているはずです。
さて今回、「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は、『バブルは別の顔をしてやってくる』(熊野英生著・日本経済新聞出版社)です。詳細はこちらからどうぞ。
ま、候補者は史上最多かもしれませんけど中身がねえ。手垢のついた小党乱立。候補者の顔ぶれは・・・衆院の落ちこぼれか西日の当たるタレント連中。
で、有権者は連日WC観戦で少々睡眠不足。選挙戦術が変わったのか、ウグイス嬢の声も聞きませんなあ。それよりなにより候補者と会わない。いったいどこで選挙運動してるんだろう?
わざとか天然か「消費税」を争点に持ち出した菅さん。支持率落とすはずですよ。でも、有権者のいちばんの関心は「景気対策(39.1%)」。以下「年金・福祉・医療(13.8%)」「バラマキ政策の見直し(12.3%)」「子育て・教育問題(7.6%)と続き、「消費税」なんてわずか6%。
ま、そうでしょうなあ。政治家より有権者のほうが切実だもん。人から分捕る率を争点にすんなちゅうの。もし消費税を争点にするなら、飴と鞭の「飴」を用意しとかんとね。
たとえば、議員数を半減するとか参院を廃止しちゃうとか。もちろん議員の歳費は一律3割カット。在任25年とかでもらえる特別手当なんて廃止しちゃう。
少なくとも、このくらいやるからどうぞ消費税を認めてください、と国民にお願いするのが当たり前ざんしょ?
国民は払わないとは言ってないの。いまの政治の下ではお金持ってても払いたくないの。そういうこと。
ところで気になるのは、菅さん、先日(6/28)の金融サミット(G20)で、「先進国は2013年まで財政赤字を半減する」「各国の状況で財政健全化計画は異なる」「最悪の財政状態にある日本は例外扱い」とオバマさんがわざわざ切り出した意味をきちんと理解してるかどうか・・・ということ。
ギリシャのソブリン・リスクに端を発したユーロ危機はご存じの通りだと思いますが、実はアメリカも大変なんですよね。アメリカって、GDPの7割くらいが個人消費なんですけど、もちろん、メインは住宅ですよ。ところが、この4月に延期延期で来てた住宅減税がとうとう廃止になりました。廃止=実質増税ですからね。すると、いきなり前月比10%を超える大幅減少。
住宅価格が下落するとデリバティブ金融商品の価格も下落します。
デリバティブの元本がいまどのくらいあるか。総計で600兆ドルといわれています。これ、兆という桁の上です。5.4京円ですよ。
1%焦げ付いただけでも540兆円。これ、日本のGDPよりも多いんですね。
昨年来、アメリカで金融不安が少し遠のいた要因の大きな部分は、不動産マーケットが回復してきたからですが、これがまたまた危なくなってきたわけです。で、すでに3月には、FRBは住宅関連の債権(エージェンシー債)買い取りを「予定通り」やめています。もう買えない、というわけですね。
でもね、FRBがいつまでもこんな債権持ち続けるわけがありません。いつか民間に売っ払いたいんでしょうけど、買う人いますかね。
ボロ債権の最後の引き受け手が政府・FRBだったんですからね。
さて、何が言いたいかというと・・・オバマさんは、財布の紐を締めることしか考えない、また、それしかできないヨーロッパと同じ轍を日本&中国にはしてくれるな、わがアメリカと一緒に「景気回復」を優先して欲しい、ということなんですね。
というのも、かつて、先進国(中国が先進国かどうかは疑問ですが)が一斉に緊縮財政を展開し、自国通貨の切り下げて不況を抜け出ようとしたとき(=近隣国貧窮化計画)、いったい何が起きたか?
「大恐慌」が起きました。
財政が赤字だからといって、短絡的に節約だ、不買だ、そして増税だ・・・と突き進むと、歴史は繰り返してしまうことになるでしょう。
日本経済は96〜98年、00〜03年に不況に突入(もちろん、株価低迷)しましたけど、これ、どちらも超緊縮財政の結果、そうなったんですね。とくに03年4月28日の日経平均株価など7607円ですよ(あの小泉さんの総理時代。参考までに08年10月27日のリーマン・ショック暴落が7162円。09年3月9日が7086円)。
FRB議長のバーナンキさんなど持論の「インフレ・ターゲット」を押さえてまで、世界恐慌へと拡大しないよう、スピーディに、しかも大盤振る舞い=財政出動してきました。
もちろん、オバマさんも就任直後の演説で「私の任期中に財政赤字を半減する!」と宣言してました。だから、来年早々、大増税に踏み切るとメディアは騒いでますけど、どうかなあ。私ゃ、大増税する前に、タックスヘイブンに逃避した資金の回収に本腰入れるんじゃないかなあと思います。いくらあるか知ってます? 7兆ドル(630兆円)ですよ(アメリカ分は500兆円もある!)。
「5年以内に貿易黒字を2倍にする!」と豪語しちゃって、まずは中国に人民元高を一応、飲ませたわけだからさ。アメリカも必死ですよ。余裕が少しでもある国にはガンガン買ってもらいたいんだから。日本なんて、竹中さんの時よりゴリゴリの要求してくると思うよ(小沢さんが嫌がらせ受けてるのもアメリカがやりにくいからだと思うな)。
ま、そういうわけで、いくらアメリカべったりの菅さんでも世界経済を見ずに勝手に増税(=緊縮財政)されたら困る。参院選後、チェンジもありえますよ。
「ギリシャ生け贄」の噂も聞こえるいま、世界最大の債権国日本の政策は国内だけでなく、実は世界も熱い視線を送っているはずです。
さて今回、「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は、『バブルは別の顔をしてやってくる』(熊野英生著・日本経済新聞出版社)です。詳細はこちらからどうぞ。