2010年08月17日「カティンの森」「誰がため」
カテゴリー中島孝志の不良映画日記」
終戦記念日はどこのテレビ局もお約束で反戦映画、ドラマのオンパレード。
NHKのドラマ見てましたけど、10分で欠伸。スピード感なし。退屈。止めました。
で、発売されたばかりのDVDを2本立て続けに見ちゃいましたよ。仕事が佳境に入ってたんですけどね。
「カティンの森」は2007年のポーランド映画。アンジェイ・ワイダ監督。彼の父親がこの事件の犠牲になってます。「誰がため」は2008年公開のデンマーク映画。
前者はソ連の戦争犯罪を、後者はナチスドイツの戦争犯罪をテーマにしてますね。
それにしても、人間というのは極限状態に置かれると残虐非道なことを平気でしてしまうんですな。マザーテレサもいれば、スターリン、ヒトラーもいるわけです。
カティンの森というのは、ソ連の森の名前です。4400人のポーランド軍の将校、警官、官吏、聖職者、医師、教師などが、騙されてこの森に鉄道で運ばれ、次々に後頭部にピストルを一撃。
戦後、ドイツが降伏すると、ソ連の仕業にもかかわらず、スターリンはナチスの犯罪として告発。
英仏は冗談じゃないとテーブルにつきませんでしたけど、アメリカは黙認。
「ポリッシュ・ジョーク」が世界的に有名です。ポーランド人を笑いの種にしたものですけど、この国がバカにされるのが理解できます。
第二次大戦でも、油断していて、西はナチスドイツに、東はソ連に蹂躙されました。不可侵条約を結んでましたよ。でも、こんな国が守るわけないでしょ。
こういうお人好しの国がもう1つ、アジアにありましたね、そういえば。
おかげで、ポーランドの軍隊は戦火を交えることなく捕虜になります。そして、ソ連の赤軍に次々と殺されていくわけです。
ポーランド亡命政府は将校1万人を含む25万人の軍人と民間人が消息不明だと何度もソ連に問い合わせますけど、なしのつぶて。
対独戦争で部隊が編成されたものの、集結したポーランド兵士は将校1800人、下士官と兵士27000人。行方不明の捕虜の1割以下。
もちろん、カティン以外でもソ連は殺し続けていたわけです。
理由? 捕虜への食糧、衣服などのコストよりピストルの弾1発のほうか安くつくからですよ。ソ連という国はそういう国です。
ポーランド人はだれもがソ連の仕業だと知ってました。けど、首相もだれもソ連を非難しない。なぜか? 怖いからです。ソ連の属国ですからね、ホントのことなど言えません。ソ連崩壊まで言えませんでした。
2009年、プーチンはソ連の責任だと認めましたけど、ロシア&ロシア人に責任はない、と謝罪しませんでした。とっくの昔にカタがついてることでも蒸し返して、わざわざ謝る菅さんとは大違いです。
この4月、ポーランドで追悼式典が予定されてました。レフ・カチンスキ大統領夫妻、政府高官、三軍の長が搭乗した専用機がこのカティンの森近くで墜落しましたね。式典中止です。
なんだかなぁです。
一方、「誰がため」という映画はデンマークのパルチザン2人の物語です。
シトロンとフラメンはナチスドイツの傀儡になっているデンマーク人要職者を次々に暗殺します。最後、1人は銃弾を浴びて死に、1人は服毒自殺します。
デンマーク国民の8分の1が見に行ったという映画ですね。
戦争の残酷さ、人間の冷酷さ、戦争なんてものはこんなくだらねぇものなんだ、ということがわかります。
さて今回、「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は、『破産しない国イタリア』(内田洋子著・平凡社)です。詳細はこちらからどうぞ。
NHKのドラマ見てましたけど、10分で欠伸。スピード感なし。退屈。止めました。
で、発売されたばかりのDVDを2本立て続けに見ちゃいましたよ。仕事が佳境に入ってたんですけどね。
「カティンの森」は2007年のポーランド映画。アンジェイ・ワイダ監督。彼の父親がこの事件の犠牲になってます。「誰がため」は2008年公開のデンマーク映画。
前者はソ連の戦争犯罪を、後者はナチスドイツの戦争犯罪をテーマにしてますね。
それにしても、人間というのは極限状態に置かれると残虐非道なことを平気でしてしまうんですな。マザーテレサもいれば、スターリン、ヒトラーもいるわけです。
カティンの森というのは、ソ連の森の名前です。4400人のポーランド軍の将校、警官、官吏、聖職者、医師、教師などが、騙されてこの森に鉄道で運ばれ、次々に後頭部にピストルを一撃。
戦後、ドイツが降伏すると、ソ連の仕業にもかかわらず、スターリンはナチスの犯罪として告発。
英仏は冗談じゃないとテーブルにつきませんでしたけど、アメリカは黙認。
「ポリッシュ・ジョーク」が世界的に有名です。ポーランド人を笑いの種にしたものですけど、この国がバカにされるのが理解できます。
第二次大戦でも、油断していて、西はナチスドイツに、東はソ連に蹂躙されました。不可侵条約を結んでましたよ。でも、こんな国が守るわけないでしょ。
こういうお人好しの国がもう1つ、アジアにありましたね、そういえば。
おかげで、ポーランドの軍隊は戦火を交えることなく捕虜になります。そして、ソ連の赤軍に次々と殺されていくわけです。
ポーランド亡命政府は将校1万人を含む25万人の軍人と民間人が消息不明だと何度もソ連に問い合わせますけど、なしのつぶて。
対独戦争で部隊が編成されたものの、集結したポーランド兵士は将校1800人、下士官と兵士27000人。行方不明の捕虜の1割以下。
もちろん、カティン以外でもソ連は殺し続けていたわけです。
理由? 捕虜への食糧、衣服などのコストよりピストルの弾1発のほうか安くつくからですよ。ソ連という国はそういう国です。
ポーランド人はだれもがソ連の仕業だと知ってました。けど、首相もだれもソ連を非難しない。なぜか? 怖いからです。ソ連の属国ですからね、ホントのことなど言えません。ソ連崩壊まで言えませんでした。
2009年、プーチンはソ連の責任だと認めましたけど、ロシア&ロシア人に責任はない、と謝罪しませんでした。とっくの昔にカタがついてることでも蒸し返して、わざわざ謝る菅さんとは大違いです。
この4月、ポーランドで追悼式典が予定されてました。レフ・カチンスキ大統領夫妻、政府高官、三軍の長が搭乗した専用機がこのカティンの森近くで墜落しましたね。式典中止です。
なんだかなぁです。
一方、「誰がため」という映画はデンマークのパルチザン2人の物語です。
シトロンとフラメンはナチスドイツの傀儡になっているデンマーク人要職者を次々に暗殺します。最後、1人は銃弾を浴びて死に、1人は服毒自殺します。
デンマーク国民の8分の1が見に行ったという映画ですね。
戦争の残酷さ、人間の冷酷さ、戦争なんてものはこんなくだらねぇものなんだ、ということがわかります。
さて今回、「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は、『破産しない国イタリア』(内田洋子著・平凡社)です。詳細はこちらからどうぞ。