2011年06月09日大局を見ること

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 なにもせずに1年が過ぎました。空白の1年。今頃、空白の時間をつくらないでほしいだ、などと言わないでほしいね。

 いやね、菅政権発足1年ですよ。

 菅直人という人物が大嫌いです。ま、ブログを読んでればおわかりになると思いますが。。。

 なぜ嫌いなのか? 私益のみを追求し、国益を損ねる政治家だからです。政治家としての国家デザインの経営手法も持たず、すべて財務省という一役所にシナリオと監督、大道具、小道具まで丸投げし、自分は政局の時に踏ん張るのみ、というとても総理がすべき仕事とは対極にあるからです。

 その男が策士策に溺れるの例えのごとく、いま、四面楚歌。ボロ雑巾のように捨てられようとしています。自業自得であります。

 不信任案決議、言った言わない、大連立、これからは民主党の代表選前倒しという議論があるでしょう。バカなキャスターやコメンテーターたちは「被災者をどう思っているのか」「国民不在の茶番劇だ」と非難するでしょう。

 しかし、実はこれこそ木を見て森を見ない所業であり、日本のマスコミの特徴である、重箱の隅ばかりにとらわれて「大局を見ることができない偏狭さ」なのです。

 被災者の皆さんは大地震と大津波で愛する家族を失い、財産と仕事を失い、途方に暮れていることは百も承知しています。だからこそ被災地と被災者の物心ともの復旧復興は政府の仕事としても優先順位が高いことは言うまでもありません。
 
 しかし、これが優先順位の筆頭かというと実はそうではないんです。
 被災地、被災者は日本の一部です。より優先しなければならないのは「国益=日本&日本国民全体の利益」であることは当然ではありませんか。
 
 いま、日本と日本人がいちばん注視しなければならない問題は米国債のデフォルトですよ。アメリカ政府の財政赤字は法定上限の14兆2940億ドルに達してます。

 東日本大震災の被害が15兆〜25兆円と見込まれてますけど、いままで日本がアメリカに突っ込んできた米国債がいくらなのか?
 日本の米国債保有額は8210億ドル=66兆円です! 最近抜かれっぱなしの中国を抜いて2年ぶりに世界最大の米国債保有国となってしまったわけです。デフォルトすれば、もちろん紙切れです。

 おバカな米国市民は「財政赤字よりバンザイしたほうが政府は真剣になるだろう」な〜んて暢気なことを言ってますが、デフォルトすれば確実に、デフォルトしなくてもおそらく、長期金利は3パーセントから10パーセントに急騰。ダウ大暴落。金大暴騰。

 もち、上限の引き上げは毎年続いてますから今回もするかもしれません。

 こんな危ない国アメリカに「トモダチ作戦」というとても軍隊がする仕事ではないレクレーションでごまかされて、「大量の思いやり予算」を今後5年間もむしり取られるわけです。 

 地震の前も後も、対米従属一本槍の菅内閣=官僚機構を選ぶのか、それとも脱アメリカ・アジア重視転換の政策を選ぶのか。この選択こそ、自民党が下野し、民主党が政権をとってからも、一貫してずっと問われているのです。

 この大きな対立軸を見逃してはいけません。被災地の復旧復興、被災者のリカバリーは、菅さん以外ならだれがやってもスムーズに進みます。普通のことを普通通りにできる総理ならだれでもできるんです。

 阪神・淡路大震災のケースを見てください。「フクシマ」の問題も総理みずからしゃしゃりでる問題ではなく、現地対策本部を早急に設置して危機管理責任者に全権委任して対処させればいいんです。

 より重要なことは、米国債デフォルトで経済破綻必至のアメリカと無理心中するか、それとも既得権益で潤った官僚機構からどんなに妨害されようと、対米従属政策からの転換を果たすのか。。。が問われているのです。

 大連立? 1年限りの連立内閣? ちゃんちゃらおかしいです。こんなものがうまくいくわけがありません。これから2年間は政治の混迷が続きます。ねじれにねじれてわけがわからなくなります。

 でも、それでいいんだと思います。

 民主党内でも対米従属派の菅・前原・岡田・野田グループと、対米転換派の小沢グループがあり、一枚岩ではありません。日本はあと2〜3回は総選挙が必要です。政党を見誤ってはいけません。政治家を見誤ってはいけません。

 脱原発よりも脱アメリカ。このほうが日本の国益には重大なことなのです。ただし脱原発が脱アメリカを意味するものではありません。そんな単純なものではないんです。

 脱原発=原油推進の大儲けです。

 脱原発派=再生エネルギー推進派=原油推進派=原油派=メジャー=金融機関なんです。原油価格を上げたければ原発事業を攻撃すればいい。原油事業を攻撃したければ地球温暖化というトリックを提案すればいい。しかしその真相は、高騰した原油で儲けたら次は原発で儲ける。原発で儲けたら次は原油で儲ける・・・こんなキャッチボールで雪だるまを大きくする仕組みをつくった連中は高笑いしてることでしょう。

 価格の高騰や事故でいつも不幸な目に遭うのは一般庶民です。地震の多い日本人です。原発を押しつけた張本人。原油高騰で高笑いしている張本人に騙されてはいけません。

 ここらへんのカラクリを今日の「中島孝志の 聴く!通勤快読」では赤裸々に語っています。30分もしゃべり倒してしまいました。

 今回、「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は、『黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア』(鬼塚英昭著・成甲書房)です。詳細はこちらからどうぞ。