2011年06月11日「チャイナシンドローム」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 フクシマの事故発生から話題になってる映画ですけど、なかなかいい映画なんですよ、これ。
 ジェーン・フォンダ、ジャック・レモン、マイケル・ダグラス等が出演してんの。

「中国症候群」というのは、メルトスルーしたら、放射線物質がカリフォルニアの裏側の中国まで熔けていってしまう、というものね。
 


 この映画が公開されたのは1979年3月16日。その12日後にスリーマイル島の原発事故が発生しました。シナリオもいいけど、こんな追い風があったんで映画は大ヒット。
 
 タイミングが良すぎる? はいな、「中島孝志の 聴く!通勤快読」の視聴メンバーならご存じの通り。あれが真相でしょ。

 さて、内容は・・・キンバリー・ウェルズ(ジェーン・フォンダ)はローカルテレビの女性リポーター。軽めのニュースを担当してるんだけど、もち、硬派の仕事がしたくてたまんない。

 ひょんなことから原発の取材をすることになったんだけど、そこで「事件」が発生するのね。地震があって、その後、原発技師のゴデル(ジャック・レモン)は「異常」を感じ取るわけ。地震とはちがう震動ね。

 で、水位がどんどん下がって止まらない。
「神様、止めてくれ」と叫ぶ有様。炉心溶融寸前でなんとか停止。
 この一部始終をリチャード(マイケル・ダグラス)がカメラに収めてたわけ。これ、法律違反なのよ。
 もち、2人はど素人ですからね、なにもわかんない。ただ、ゴデルの慌て方、炉心溶融が停止したときの様子から、「ただのトラブルじゃない」と直感するわけ。

 で、そのフィルムを専門家に見せると。。。。

「あなた方が生きているのは奇跡です。南カリフォルニアの住民も同じです」

 この特ダネを放送しようと意気軒昂なキンバリーなんだけど、局のお偉いさんは電力会社と裏取引。放送させない。頭に来たリチャードはフィルムを盗んで原発反対運動の公聴会に臨むわけ。

 キンバリーはバーで遭遇したゴデルに取材します。

「大衆はあのとき危険にさらされていたの?」
「原発は安全だ。二重三重のシステムで守られている。溶接部だってX線でチェックされてるんだ」

 あの震動が気になったゴデルは独自に調査します。そしてわかるわけ。格納容器の溶接部を撮影したX線写真は同じものを使い回していた、ということを。
 で、溶接を担当したプラント建設会社の責任者を詰問すると、

「政府に出すバカげた書類だ。6年前の写真だよ」
「原子力規制委員会に訴える!」
「10億ドルの訴訟になる。殺されるぞ!」

 キンバリーとゴデルは公聴会で決定的な証拠=X線写真を提出することに合意。ところが、その写真を運ぶ途中でスタッフが何者かに追突されて大事故に遭うわけ。で、写真を盗まれちゃう。
 ゴデルは自分が証言しようとするんだけど、尾行されて、またまた殺されそうになるわけ。

 で、最後の手段として原発ジャックに出た。で、キンバリーを呼び出して放送させることにすんだけど。。。

 まったく他人事とは思えず緊張して観ましたよ。電力会社ならやりそうだな。裏社会と通じてるんだろうな。政治と利権、金とトラブルが結びつきやすい「土壌」ですからね。

 DVDがめちゃ安なんで、これはぜひ観てください。その価値はありますよ。