2012年12月11日北朝鮮、ミサイル発射中止すんの?

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 ミサイル延期なの? まさか、善人だけが取り柄の官房長官が「さっさと発射したら」と発言したから恐れをなして止めよっかな、と考えたわけではないっでしょ。

 技術的なトラブル? 前回みたいに飛んだけどすぐ爆発するとか? んなアホな。いくら北朝鮮でも考えられませんわな。

 もし延期するとしたら、考えられる理由は1つ。中国国内でトラブルが起きているせい。

 北朝鮮にイケイケの指示を出してるのは中国の瀋陽軍区でしょ。ここは毎度のことですが胡錦涛さんの北京政府と対立してました。
 ここに来て、5年ぶりに共産党大会が開かれ、軍区のおもだった責任者を胡錦涛派が占めた。では、江沢民派はどうかというと、胡錦涛の側近を逮捕したりなんぞしております。習近平さんの北京政府は瀋陽軍区の動きを止められない。いや、江沢民からどんどんやれ、とけしかけられているかもしれません。

 ミサイル発射で、日本に対する中国の意向が読めます。
 
 北朝鮮は近々第3次核実験を強行するはずでしょ。ミサイル発射なんぞは序の口です。

 国連は北京政府にいままで以上に北朝鮮に強硬姿勢をとるように求めます。当然、北朝鮮の監視は瀋陽(昔の奉天)軍区の担当ですからね。

 瀋陽軍区といえば、7軍区ある中国人民解放軍のなかでも圧倒的戦力を持っていることで有名です。ロシアとの国境、北朝鮮との国境など、中国東北部の守備を固めています。4個集団軍、遼寧省軍区1旅団、2個武装警察師団を管轄し、最新ミサイルや機動戦車は当然保有しています。ないのは核兵器だけ。

 北朝鮮の核実験にしても、これは日本や韓国に対する恫喝というよりも、北京政府に対するものと考えたほうがいいかも。政治、経済、軍事上のトラブル、あるいは事故などの社会問題が起きたら、海外とのトラブルではなく、中国ではつねに国内問題が反映されているわけです。

 原因は誰かと誰かの対立から発生している、と考える視座がほしいですな。

 北朝鮮のミサイル、核実験が成功すれば、実質的に瀋陽軍区が権力を持つことになります。北京の地下室にある核兵器発射のボタンを瀋陽軍区が北朝鮮内に保有することになります。

 北京はもちろ、ロシアもアメリカもそう認識しているはず。つまり、瀋陽軍区は北京政府に対して絶対的な発言権を持つ、と理解すべきでは?

 北朝鮮労働党は参謀総長(軍人の最高位)李英鎬(リ・ヨンホ)を解任しましたね。金正日の葬儀の席次を見れば、金正恩さんの後見人ですよ。

 その人物の解任がなにを意味するか? それは対北朝鮮政策で、瀋陽軍区よりも北京政府が優位に立っていた、ということでしょう。つまり、核実験という先軍政治ではなく、中国流の経済改革に北朝鮮がシフトしよう、としていたわけです。

 今後、先軍政治派の巻き返しがあるかもしれないが、北朝鮮は北京政府のコントロール下に入ることを選択していた、わけです。

 人民解放軍は外国には対抗するけれども、国内ではバラバラですからね。もし最強の瀋陽軍区が北京政府を的にかけたらひとたまりもないっしょ。

 万が一そうなったらどうするか? 北京政府はその他の六軍区に命令することはできない。核弾頭を400個も保有しても飛び道具のみ。機械化戦車軍団をもつ瀋陽軍区はあっという間に北京を制圧してしまいますよ。この瀋陽軍区に対抗できるのは米軍しかありません。

 大陸の情勢は複雑怪奇なり。。。


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