2013年05月12日「フォーリングダウン」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

♪ロンドンブリッジ フォーリンダン フォーリンダン♪
 こんな唄ありましたな。 

 オハイオ州のクリーブランドで起きていた事件。3人の女性監禁事件です。10年間ですよ、10年間。誘拐&強姦。で、容疑者の52歳の男は5回妊娠させ、食物を与えず、暴力で流産させたとのこと。
 アメリカらしい事件です。まるで映画「羊たちの沈黙」か「チェンジリング」「コレクター」のようです。

 この世の中は自分が考えてるようにはいかないほうが多い。圧倒的です。
 しかし中には、そうじゃない、それは世の中のほうがおかしいんだ、と考える御仁もいます。法律よりも自分が偉い。納得いかないことは爆発させちゃう。それが権利。

 我慢が足りない云々ではなく、心が病んでるんです。

 たいていはこどもの頃の親子関係とか遺伝的なものが多分に影響してるんですが、だから、年をとるにしたがっておかしくなる人がたくさんいます。老化と勘違いしやすいけど、これ、遺伝体質が表面化してきたんですね。



 蒸し暑い日にエアコンが壊れたマイカーの中。娘の誕生日だからと接見禁止なのに、妻と娘が住む家に行く途中、工事の渋滞でイライラ。
 周囲にはケータイで大声を張り上げる男とかバスのなかで大騒ぐするこどもとか。汗のしたたる首筋にハエがとまったりして神経をさかなでる始末。

 ついに怒りが爆発。車を乗り捨たまま歩き始めるわけ。

 電話ボックスで電話しようにもコインがない。韓国人の店で両替を頼むと断られる。

「なにか買え!」
「アメリカが君の国にどれだけカネをやったか知ってるか?」

 コーラを買おうと1ドル紙幣を出すと代金は「85セント」。
「それじゃ電話がかけられない」
 怒りを爆発させ、店主の棍棒を奪い取って店を破壊。
「昔の値段に戻せ!」
 おびえる店主に代金を払って出て行く。

 空き地で休んでるとヒスパニック系の若者2人にオヤジ狩りに遭遇。これもあの棍棒で撃退。そして若者のナイフを拾ってまた歩き始める。

 このバカどもが復讐しようとこの白シャツの男を捜索。街中で見つけるやいきなり銃を乱射。ほかの人が巻き込まれるがこの男はぴんぴん。逆にバカな若者たちは事故っちゃう。
「外したな」
 血を流す若者たちに近づくと、銃のたくさん入ったバッグを奪う。「もっと練習しろ」と言い放って生き残ったヤツの足を撃ち抜く。

 ハンバーガーショップで朝食を頼むと3分ちがいで終わったと告げられる。これにも怒り爆発。天井に向けて銃を乱射。店長は言うがままだが、男は気が変わってランチメニューを選ぶ。出てきたのはペチャンコバーガー。

「あの写真とちがうじゃないか!」

 ナチス贔屓のいかれたスキンヘッドが経営するミリタリーショップでバズーカ砲を手に入れると工事中の道路で砲撃。ホントに工事中にしてやった。。。

 元妻と娘の住む家にたどり着くまで次々と事件を起こす男。

 この男、アメリカの防衛のためにミサイルをつくってきた。異常なほどの几帳面で清潔好き。人間関係がうまくつくれない。なんたって視野が狭く、自分勝手。相手の身になって考えることができない。もち、融通が利かない。

 1カ月前に解雇された。慰謝料も払えない。すべては社会が悪い。。。男の怒りは加速度的に膨満。1つの爆発が次々に誘爆。ノンストップ。

 さて、どうなりますか。。。病めるアメリカの縮図。けど、いま、日本人にもこの手の人間は増えてますよ。