2013年08月19日「クロワッサンで朝食を」
カテゴリー中島孝志の不良映画日記」
「ティファニー」じゃないの。クロワッサンなの。なんでかね。
元々のタイトルは「パリのエストニア女」。身も蓋もないタイトルでげすな。けど、日本の映画くらいじゃね。ひねりにひねったタイトルつけんの。で、どっかで聞いたことあるよね、つうのになっちゃうわけ。「パリのアメリカ人」じゃないっつうの。
ご贔屓のシネスイッチ銀座。たいてい日曜の朝いち。空いてるからね(見終わって出てきたら長蛇の列でした)。
観客はジジババばかりでそこそこ混んでるのよ(わたしもそんなに若くないけど、少なくとも2回り上と見える紳士淑女たち)。まあ、こんな時間に暇してるのはこの層しかないわな。
けど、こういう上質の映画を観ようってんだから、そこらへんのジジババではないかも。やんごとなきジジババかしらん。
母親を看取ったアンヌ(ライネ・マギ)はエストニアの雪深い田舎からフランスにやってきた。2年間遠ざかっていたシルバー相手の家政婦をするため。
相手は根性の曲がったババァ。フリーダ。演じるのはあのジャンヌ・モロー。『死刑台のエレベーター』『小間使いの日記』とかに出てる名女優。御年85歳。
エストニア人のくせにフランス語しか話さない。で、パリのエストニア人が大嫌い。なぜって、50年も経ってから、あんたは反省してない。あんたのおかげであの夫婦は離婚した。聖人君子のつもりで説教し出すから。
それがどしたのよ。妻ある男と寝ただけじゃない。
そもそも家政婦を依頼したのはステファンという男。ブラッスリーを経営してるんだけどね。アンヌと同世代で、フリーダとは昔、愛人関係だったてなとこかな。店をオープンする資金も出してくれたしさ。
「彼女を訪れるのは君と僕しかいない」
引き留められるわけ。こんなババァに貴重な時間を使う必要はないんだけどね。カネのためにやってるわけじゃなし。気分転換にパリの街を散歩。エッフェル塔にも出かける。ルーブルには行きたいし。
フリーダの朝食はクロワッサンと紅茶。クロワッサンはスーパーのまがい物じゃダメ。妥協しないんだ。そう、妥協しないで生きてきた。それがフリーダのつっぱっり人生。疲れるけど、たぶん、それが彼女の矜恃かも。
それにしても。。。パリで暮らすうちにどんどん綺麗になっていくアンヌ。恋してるからですな。ステファン役のパトリック・ピノー。ずっとジャン・レノだと思ってた。
それとそれとジャンヌ・モロー。さすがにココ・シャネルとお友達だっただけのことはありまんな。スーツはすべてシャネルじゃないっすか(アンヌにあげたコートはバーバリだったけど)。で、紅茶のカップはウェッジウッド。う〜ん。妥協を許さない生き方は小物からも伺えますな。
この映画、監督の実体験がベースになってます。
でもって、これから封切りなんだけど、お勧めの映画を1つご紹介しておきましょう。『大統領の料理人』。大好きなカトリーヌ・フロ主演なのよ。これもいいよ、絶対。
さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『週末台湾でちょっと一息』(下川裕治著・朝日新聞社)です。詳細はこちらからどうぞ。
元々のタイトルは「パリのエストニア女」。身も蓋もないタイトルでげすな。けど、日本の映画くらいじゃね。ひねりにひねったタイトルつけんの。で、どっかで聞いたことあるよね、つうのになっちゃうわけ。「パリのアメリカ人」じゃないっつうの。
ご贔屓のシネスイッチ銀座。たいてい日曜の朝いち。空いてるからね(見終わって出てきたら長蛇の列でした)。
観客はジジババばかりでそこそこ混んでるのよ(わたしもそんなに若くないけど、少なくとも2回り上と見える紳士淑女たち)。まあ、こんな時間に暇してるのはこの層しかないわな。
けど、こういう上質の映画を観ようってんだから、そこらへんのジジババではないかも。やんごとなきジジババかしらん。
母親を看取ったアンヌ(ライネ・マギ)はエストニアの雪深い田舎からフランスにやってきた。2年間遠ざかっていたシルバー相手の家政婦をするため。
相手は根性の曲がったババァ。フリーダ。演じるのはあのジャンヌ・モロー。『死刑台のエレベーター』『小間使いの日記』とかに出てる名女優。御年85歳。
エストニア人のくせにフランス語しか話さない。で、パリのエストニア人が大嫌い。なぜって、50年も経ってから、あんたは反省してない。あんたのおかげであの夫婦は離婚した。聖人君子のつもりで説教し出すから。
それがどしたのよ。妻ある男と寝ただけじゃない。
そもそも家政婦を依頼したのはステファンという男。ブラッスリーを経営してるんだけどね。アンヌと同世代で、フリーダとは昔、愛人関係だったてなとこかな。店をオープンする資金も出してくれたしさ。
「彼女を訪れるのは君と僕しかいない」
引き留められるわけ。こんなババァに貴重な時間を使う必要はないんだけどね。カネのためにやってるわけじゃなし。気分転換にパリの街を散歩。エッフェル塔にも出かける。ルーブルには行きたいし。
フリーダの朝食はクロワッサンと紅茶。クロワッサンはスーパーのまがい物じゃダメ。妥協しないんだ。そう、妥協しないで生きてきた。それがフリーダのつっぱっり人生。疲れるけど、たぶん、それが彼女の矜恃かも。
それにしても。。。パリで暮らすうちにどんどん綺麗になっていくアンヌ。恋してるからですな。ステファン役のパトリック・ピノー。ずっとジャン・レノだと思ってた。
それとそれとジャンヌ・モロー。さすがにココ・シャネルとお友達だっただけのことはありまんな。スーツはすべてシャネルじゃないっすか(アンヌにあげたコートはバーバリだったけど)。で、紅茶のカップはウェッジウッド。う〜ん。妥協を許さない生き方は小物からも伺えますな。
この映画、監督の実体験がベースになってます。
でもって、これから封切りなんだけど、お勧めの映画を1つご紹介しておきましょう。『大統領の料理人』。大好きなカトリーヌ・フロ主演なのよ。これもいいよ、絶対。
さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『週末台湾でちょっと一息』(下川裕治著・朝日新聞社)です。詳細はこちらからどうぞ。