2013年10月08日安倍ブレーンはファンドマネジャータイプ?

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 アメリカ政府が機能不全に陥り、オバマがAPECをドタキャンするなか、東京オリンピックも決まったことだし、と来年4月の消費税増税が決まりました。

 下手すると、「やっぱや〜めた」となりかねませんよ。10月17日のぎりぎりまで茶番劇は続きます。物別れに終われば? そりゃデフォルトでんがな。

 それにしても、安倍さんのブレーンてのは玉石石石石混淆に見えますな。

 消費税率を上げる。相続税率を上げる。法人税率を下げる。復興特別法人税を前倒しで廃止する。いってみれば、企業優遇、国民いじめ、大企業・輸出企業優遇、中小零細企業いじめ。さらに繰越欠損金や簡易税制まで廃止されるかもしれませんよ。財務省はせせこましく税金を集めたいわけですからね。

 で、厚労関係のブレーンはいったいだれなんかね。「ホワイトカラー・エグゼンプション」のことですよ。派遣社員とかニートが社会問題になったせいか、最近の企業は制限社員とか中高年の出向などを切り札にしてますね。

 ますます若年層の就職先が消えていきます。

 ホワイトカラー・エグゼンプションは元々、04年に小泉さんが導入を決定したものですよね。て、いままで、いつもの審議会などでもまれてきたわけ。ま、厚労省は抵抗してるようですがね。

 これって、早い話が残業代ゼロ制度なのよ。仕事は結果責任とはいいますけど、世の中、1を聞いて10わかる人たちばかりではありませんからね。「努力しました」「懸命にやりました」という時間の長さで評価することもありです。

 だけど、これって20代の話でね。そもそもホワイトカラーと残業代つうのがどうもピンと来ないわけ。私、とことん残業しませんでしたから。

「さあて残業代でも稼ぐか」といいながら残業してる先輩を見てから、残業代なんていらないから社内外で勉強しよって決めました。それが正解かどうかはわかりませんよ。けど、35歳で独立してから、いつでもニート、いつでも失業というリスクの中で生きてきました。

 けど、この法律の危うさはその先にあるのよね。「ホワイトカラーエグゼンプション」が法定化されたら次はブルーカラーにも浸透しますよ。いまのような労組の弱さであれば。。。

 派遣社員と正社員が対立軸にあるのは労組がダメだからでしょ。派遣社員という新業態を取り込み、雇用を守る政策が欠如していますからね。

 残業ではなく基本給を上げる。けど、日本の賃金は世界最高レベルです。もういっぱいいっぱいでしょう。ではどうなるかといえば、雇用しない、雇用しても使える人材だけ残す。生産性が低くなったらリストラする。

 つまり、アメリカ化が進むだけです。きっと安倍さんのブレーンは小泉政権同様、アメリカ賛美主義者が巣くっているんでしょうな。
 
 日本は正社員の解雇は簡単にはできません。だから採用も難しいわけですね。結果、雇用の調整弁として派遣社員が活用されてきたわけです。

 すべては65歳まで雇わせることが狙いなんでしょうな。つまり、年金破綻のリカバー策ですな。役人と政治家の失策は常にいちばん弱い層が尻ぬぐいを強制されるわけです。

 労組は本気になって政策提案をしなけりゃ人心が離れていきますよ。

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