2013年12月02日「もうひとりの息子」
カテゴリー中島孝志の不良映画日記」
いやあ、参りましたなあ。なにが参ったか。この土日に放送されたテレ朝開局55周年記念ドラマ「オリンピックの身代金」のおかげで、私の本は2位(アマゾン・キンドル)。1位になりそこなっておりますんや。
ま、いっか。いやいやよくないわな。でも、ドラマ自体は秀作でしたねえ。竹野内豊さんとマツケン。どちらも抑えた演技が説得力がありました。とくに、私、マツケンて役者大好きなんす。これはもう1度見たいっすね。
ええっと、「午後2時に1位になりました」と版元からメールが入りました。おお、ホンマや。ホリエモン、半沢直樹をおさえて、「キンドル本 冬のセール」に選ばれてしまいました!
けど、あのドラマ、よくできてます(実は原作よりはるかにいい)。脚本家と主演2人のおかげですな。再放送があったらぜひ見てください。
さて、だれもつきあってくれないから1人で銀座。この映画館よく来るのよね。で、今日がラスト。来週末なら横浜で上映されるんだけど、ほら、せっかちだから。。。
60歳になる男性。出産時に病院側のミスで取り違えられていたとか。ワイドショーならずとも、耳目を引くニュースですわな。
母親ならわかるだろ? わかりませんな、きっと。
かたや小金持ちで家庭教師をずっとつけてもらっていたとか。いくら昔のこととはいえ珍しい。かたや貧困層。いくら昔のこととはいえ、この世代で定時制高校というのは経済的事情といってもかなりのレベルですわな。たいていは中退するのにえらいですなあ。
それにしても、事実は小説より奇なり、ですな。
病院を恨むのか? 自分の人生を恨むのか? そういうニュアンスが伝わってきません。よっぽど人間のできた人なんでしょう。「生きているうちに実の両親と会いたかった」という言葉はその通りでしょうね。
両親はすでに亡く、ご本人はすでに還暦。知らなかった方が良かった? もしもっと若かったら? 外野雀はごちゃごちゃいうでしょうけど、これが運命なんでしょう。
運命ならば粛々と受け容れるしかありませんな。過去を悔やんでもせんないこと。前を向いて歩くしかありません。
生きているんだからありがたいことです。もし両親が健在ならば、愛してくれる人がもっと増えたのに。残念なのはこれだけですよ。
「見ろよ、アブラハムの息子、イサクとイシュマエルだ」
ヨセフとヤシンは鏡を見てニヤリ。たしかにねえ。。。
「知ったとき、どんな気分だった?」
「きみと同じさ、たぶん」
「パレスチナ人と知って憎しみを感じた?」
「ぜんぜん、感じない」
「きみは?」
「パリに住んでいるから」
こちらのテーマはちょいと複雑でんねん。
テルアビブに暮らすフランス系イスラエル人の家族。18歳になった息子が兵役検査を受けます。ところが再検査。理由? 両親と血液型が合わない。
父親は大佐。母親は医師。考えられるのは母親の不貞。けど、それはありえない。
結果が判明します。息子は実の子ではなかった。
湾岸戦争の混乱の中、病院で取り違えられていた。ということは・・・相手側の家族にも伝えられます。
しかも、この2組の家族は「セキュリティウォール=アパルトヘイトウォール」で隔てられたイスラエル人とパレスチナ人。早い話が、ユダヤ教とイスラム教。アイデンティティはどうなるの?
ぼくって、なに? 家族とはなにか? 愛情とはなにか?
しっかし女つうか母親ってのはすごいね。「もう1人の息子」の扱いにどきまぎしてうろたえる父親たちを尻目に、女たちはイデオロギーとか建前とかルールなんて完全に超越しちゃってる。
母性ってのはそんなもんか〜るく超えてまうんですわ。
世界も男社会から女社会、せめてオカマ社会になれば、戦争とか侵略だとかなくなるかもしれまへんな。世界中の国連大使はオカマかニューハーフにするってのはどやろ?
わたしが取り違えられた本人だったら? 子どもならお年玉をもらえる相手が増えたな、と思うでしょうな。いまなら? そういう人生なんだな、と思うだけですね。
わが子が取り違えられたら? 子どもが増えた、と大喜びするでしょうね。なぜって、お子さんをお持ちの方ならおわかりでしょう。
2人のわが子を50%ずつ公平に愛する親なんていませんわな。「公平に」200%ずつ愛情を降り注ぐでしょ? 何人増えようとウエルカム。増える分だけ幸せも増えるんです。
ろくでもない子でも? それは親がろくでもないからでしょ? 子どもの責任ではありません。
親がいるから子どもがいる。生きているんだからありがたいことです。もう1度すべてに感謝しなくちゃねえ。
さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『五千回の生死』(宮本輝著・新潮社)です。詳細はこちらからどうぞ。
ま、いっか。いやいやよくないわな。でも、ドラマ自体は秀作でしたねえ。竹野内豊さんとマツケン。どちらも抑えた演技が説得力がありました。とくに、私、マツケンて役者大好きなんす。これはもう1度見たいっすね。
ええっと、「午後2時に1位になりました」と版元からメールが入りました。おお、ホンマや。ホリエモン、半沢直樹をおさえて、「キンドル本 冬のセール」に選ばれてしまいました!
けど、あのドラマ、よくできてます(実は原作よりはるかにいい)。脚本家と主演2人のおかげですな。再放送があったらぜひ見てください。
さて、だれもつきあってくれないから1人で銀座。この映画館よく来るのよね。で、今日がラスト。来週末なら横浜で上映されるんだけど、ほら、せっかちだから。。。
60歳になる男性。出産時に病院側のミスで取り違えられていたとか。ワイドショーならずとも、耳目を引くニュースですわな。
母親ならわかるだろ? わかりませんな、きっと。
かたや小金持ちで家庭教師をずっとつけてもらっていたとか。いくら昔のこととはいえ珍しい。かたや貧困層。いくら昔のこととはいえ、この世代で定時制高校というのは経済的事情といってもかなりのレベルですわな。たいていは中退するのにえらいですなあ。
それにしても、事実は小説より奇なり、ですな。
病院を恨むのか? 自分の人生を恨むのか? そういうニュアンスが伝わってきません。よっぽど人間のできた人なんでしょう。「生きているうちに実の両親と会いたかった」という言葉はその通りでしょうね。
両親はすでに亡く、ご本人はすでに還暦。知らなかった方が良かった? もしもっと若かったら? 外野雀はごちゃごちゃいうでしょうけど、これが運命なんでしょう。
運命ならば粛々と受け容れるしかありませんな。過去を悔やんでもせんないこと。前を向いて歩くしかありません。
生きているんだからありがたいことです。もし両親が健在ならば、愛してくれる人がもっと増えたのに。残念なのはこれだけですよ。
「見ろよ、アブラハムの息子、イサクとイシュマエルだ」
ヨセフとヤシンは鏡を見てニヤリ。たしかにねえ。。。
「知ったとき、どんな気分だった?」
「きみと同じさ、たぶん」
「パレスチナ人と知って憎しみを感じた?」
「ぜんぜん、感じない」
「きみは?」
「パリに住んでいるから」
こちらのテーマはちょいと複雑でんねん。
テルアビブに暮らすフランス系イスラエル人の家族。18歳になった息子が兵役検査を受けます。ところが再検査。理由? 両親と血液型が合わない。
父親は大佐。母親は医師。考えられるのは母親の不貞。けど、それはありえない。
結果が判明します。息子は実の子ではなかった。
湾岸戦争の混乱の中、病院で取り違えられていた。ということは・・・相手側の家族にも伝えられます。
しかも、この2組の家族は「セキュリティウォール=アパルトヘイトウォール」で隔てられたイスラエル人とパレスチナ人。早い話が、ユダヤ教とイスラム教。アイデンティティはどうなるの?
ぼくって、なに? 家族とはなにか? 愛情とはなにか?
しっかし女つうか母親ってのはすごいね。「もう1人の息子」の扱いにどきまぎしてうろたえる父親たちを尻目に、女たちはイデオロギーとか建前とかルールなんて完全に超越しちゃってる。
母性ってのはそんなもんか〜るく超えてまうんですわ。
世界も男社会から女社会、せめてオカマ社会になれば、戦争とか侵略だとかなくなるかもしれまへんな。世界中の国連大使はオカマかニューハーフにするってのはどやろ?
わたしが取り違えられた本人だったら? 子どもならお年玉をもらえる相手が増えたな、と思うでしょうな。いまなら? そういう人生なんだな、と思うだけですね。
わが子が取り違えられたら? 子どもが増えた、と大喜びするでしょうね。なぜって、お子さんをお持ちの方ならおわかりでしょう。
2人のわが子を50%ずつ公平に愛する親なんていませんわな。「公平に」200%ずつ愛情を降り注ぐでしょ? 何人増えようとウエルカム。増える分だけ幸せも増えるんです。
ろくでもない子でも? それは親がろくでもないからでしょ? 子どもの責任ではありません。
親がいるから子どもがいる。生きているんだからありがたいことです。もう1度すべてに感謝しなくちゃねえ。
さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『五千回の生死』(宮本輝著・新潮社)です。詳細はこちらからどうぞ。