2004年01月26日捨てなければ得られない!

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二度と手に入らない宝物


 人間、いったん手に入れた宝物を捨てることはなかなかできません。

 おもちゃをプレゼントされた子ども。実は、それはお兄ちゃんにあげるものだった。

 「ほら、ボクにはこっちの縫いぐるみを買ってあげたの。それはお兄ちゃんのでしょ?」

 しかし、いくら言っても手放すわけがありません。

 古賀さんもきっとそうなんでしょうねぇ。

 とくに、衆院議員という宝物は政治家にとっては子どもの「おもちゃ」以上のものでしょう。あの山タフを破って当選したのですから快挙。下手すると、二度と手に入らない宝物だったのかもしれません。




ああ勘違い!


 捨てなければ得られない物が、世の中にはたくさんあります。

 あんなにしがみついた宝物だったのに、手放した後、振り返ると、「えっ、こんなものだったの?」と気づくことも少なくありません。

 たとえば、サラリーマンにとっての会社。わたしなんか、転職したとたん、会社の本質に気づいてしまいましたもの。

 「あっ、会社が好きだったんじゃないな。仕事がしたかったんだ」

 辞めた途端に雁字搦めの網が切れて、開放感と解放感でいっぱんになりましたもの。

 やっぱり、安住は人間の可能性を殺します。

 捨てずに愚痴ばかり言ってるサラリーマンはいまもたくさんいるでしょう。そして、定年になった時に後悔するわけです。

 「あの時がチャンスだった、あの時にジャンプしとけば良かった」

 そういう人はいまからでも十分、間に合うことを知らないのです。

 しかし、捨て所、捨てるタイミングを誤る人は少なくありません。

 傍観するに、古賀さんもタイミングを逸しました。

 「詐称ではありません。事実誤認です。しかし、政治家としての不明を恥じて辞職します。もう一度、雑巾がけから始めます」と宣言したら、「次」があったと思いますよ。

 おそらく、出処進退の鮮やかさとイケメンのおかげでマスコミの引っ張りだこになったでしょう。テレビなんて単純だから、テレビタックルとか朝まで生テレビとかね。そしたら、次の選挙は「ほとんど死に体」の山タフなど問題なく当選確実ですよ。

 しかし、彼はいま山タフ以下になってしまいました。あの人は下半身に問題がありましたが、この人は唯一の「売り」である清廉さを捨ててしまったのです。

 彼にとってもっとも大切にしなければいけない宝物とは、「議員資格」ではなく「清廉イメージ」だったんです。

 捨てるべき物を間違えましたな。

れでも主役で頑張りたい。逆に言えば、脇役でいる限り人は本気にはならない。リストラはチャンスそのものを無くしてしまう。やっぱり、淋しい仕打ちである。