2014年10月16日阿部頼義さんの「おぼろづき」は美味し。。。
カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」
「ななつぼし」「ほしのゆめ」「ふっくりんこ」「ゆきひかり」「ゆめぴりか」・・・北海道といえば、「まずいお米の代名詞」でしたけどね。いまや日本一美味い、といわれるまでになりました。
私。コメは三越本店と半蔵門にある宮内庁御用達のコメ屋で買ってるんす。
三越は勉強しとりまんな。毎月、新しいコメを紹介してくれるんだけど、もち、その場で食べさせてくれるわけ。
この前は鵡川のコメでしたよ。鵡川って柳葉魚ですよ。有名なのはそれしかないとこ。
「え、鵡川? どうして?」
「美味しいですよ」
ほんまかいな。口にしてびっくり。ま・い・う!
三越の担当者がいかに勉強しているか。後日、テレビを見てましたら、全国の日照時間がチャートになってるわけ。きちんと日照時間があった地域は東京寄りの千葉県、そして道南。苫小牧から襟裳岬、釧路あたり。この2カ所ですよ。さすが三越。
で、札幌に行くとホテルが駅についてるから、自然と大丸のデパ地下を通るのよ。私、大好きだから、ゆっくり見てるんだけど。。。
三越みたいにコメ売場では、ご推奨のコメを紹介してるわけ。見ると、このおぼろづきともう1つのコメ。
「どっちが美味いの?」
「どちらも美味しいですよ」
ま、そういうわな。「じゃ、どちらが物語があるの?」と奇妙な質問をしてみたら、これが反応するんですよ。
「阿部さんのおぼろづきです」
「へえ、阿部さんじゃないとダメなの?」
「阿部さんががんばったからできたんです、このおコメ」
そこまで言うか。わかりました。では食べさせて頂きましょう。
「・・・」
美味し。名古屋原原に石川県から参加されてるメンバーがいましてね。コメも作ってるらしいんだよね。あれも美味かったけど、これも美味い。思わず25キロ購入。だってこれが限度なんだもん。
阿部さんのおぼろづきか・・・で、どんな物語なの?
「俺たちにとって不味い米を作ることは死を意味するんです」
平成24年10月21日、北海道のローカルTV局で放送されたのが「阿部農場のおぼろづき」。美唄市茶志内の阿部義一、頼義さん親子の奮闘ぶりです。
「おぼろづき」がこの世に生まれる経緯について、千野米穀店の徳永善也さんが熱く語っておられます。
「おぼろづき」を育種したのは北海道農業研究センター稲育種研究室室長をされていた安東さん(当時)。筑波試験場で「ミルキークィーン」を手がけた方ですね。
「このお米(北海292号)はブレンド米専用として出そうと思うが、どうだろう?」
「美味しいけどブレンドには適さないと思います」
粒が小さめだけど粒感がしっかりある。粘りも強い。「きらら397」や「ほしのゆめ」と混ぜても合いそうにない。
「早く品種になることを希望します。この弾力のある粒々感は他の品種にはない味わいだと思います」
「北海292号」を世に出す作付け会議で、ある農業関係者が出来高8000俵と予定。本州の米屋が全量引き受ける、と手を挙げた。ふいに口から突いて出たのが「半分ずつにしませんか?」という言葉。同時に「潰れるかも」と思ったそうですよ。当時の販売数量3500俵でしたからね。
この年、北海道は「北海292号」は、粒の粒厚がうすい、収量性が悪い、他に低アミロース系の米が出ている、という理由から「廃棄」と決定。「栽培してはいけない」という結論。しかし阿部農場では見事な稲穂をつけている「おぼろづき」。
冷害になるとお米の品質は落ちる。収量が低くなる。味が落ちる。味が落ちる原因の一つはたんぱく含量の高さです。
土壌窒素が寒いためにきちんと分解されず稲体に吸収されてしまう。稲の活動や新陳代謝も衰える。窒素は粒子として米の中に存在するので、それがデンプンのネバネバ活動を妨げる結果、食感にパサつき感が出て粘りの少ないごはんになる、というわけです。
「292」は廃棄処分。それでも品種申請された「おぼろづき」は道内で(密かに?)栽培されていました。しかし以前食べた「292」とは味わいがちがう。
一度廃棄処分となった品種は復活することはないにもかかわらず、おぼろづきは強運からか、味が良いからか、あちらこちらで”密かに”栽培されて問題になっていました。
阿部さんはいろいろな妨害や中傷をはねつけて、「おぼろづき」が北海道の品種として認められるきっかけをつくりました。
平成15年、刈り取り前の田んぼに雷が落ちました。稲妻は稲の妻=田に恵みをもたらす吉兆。月偏に龍の字で「朧月」。翌日、雷で焦げて穴の空いた場所を丁寧に刈り取り、四隅に米と塩と酒を撒いてお祓い。刈り取った稲はそのまま保管し、翌年、雷の当たった籾種として使用。
この「おぼろづき」が「全国米食味鑑定士コンクール」で魚沼産コシヒカリ等と並ぶ最優秀賞・金賞を受賞します。
なるほど、そういうことか。きっと話題になりまんな。「カンブリア宮殿」あたりかな・・・。
私。コメは三越本店と半蔵門にある宮内庁御用達のコメ屋で買ってるんす。
三越は勉強しとりまんな。毎月、新しいコメを紹介してくれるんだけど、もち、その場で食べさせてくれるわけ。
この前は鵡川のコメでしたよ。鵡川って柳葉魚ですよ。有名なのはそれしかないとこ。
「え、鵡川? どうして?」
「美味しいですよ」
ほんまかいな。口にしてびっくり。ま・い・う!
三越の担当者がいかに勉強しているか。後日、テレビを見てましたら、全国の日照時間がチャートになってるわけ。きちんと日照時間があった地域は東京寄りの千葉県、そして道南。苫小牧から襟裳岬、釧路あたり。この2カ所ですよ。さすが三越。
で、札幌に行くとホテルが駅についてるから、自然と大丸のデパ地下を通るのよ。私、大好きだから、ゆっくり見てるんだけど。。。
三越みたいにコメ売場では、ご推奨のコメを紹介してるわけ。見ると、このおぼろづきともう1つのコメ。
「どっちが美味いの?」
「どちらも美味しいですよ」
ま、そういうわな。「じゃ、どちらが物語があるの?」と奇妙な質問をしてみたら、これが反応するんですよ。
「阿部さんのおぼろづきです」
「へえ、阿部さんじゃないとダメなの?」
「阿部さんががんばったからできたんです、このおコメ」
そこまで言うか。わかりました。では食べさせて頂きましょう。
「・・・」
美味し。名古屋原原に石川県から参加されてるメンバーがいましてね。コメも作ってるらしいんだよね。あれも美味かったけど、これも美味い。思わず25キロ購入。だってこれが限度なんだもん。
阿部さんのおぼろづきか・・・で、どんな物語なの?
「俺たちにとって不味い米を作ることは死を意味するんです」
平成24年10月21日、北海道のローカルTV局で放送されたのが「阿部農場のおぼろづき」。美唄市茶志内の阿部義一、頼義さん親子の奮闘ぶりです。
「おぼろづき」がこの世に生まれる経緯について、千野米穀店の徳永善也さんが熱く語っておられます。
「おぼろづき」を育種したのは北海道農業研究センター稲育種研究室室長をされていた安東さん(当時)。筑波試験場で「ミルキークィーン」を手がけた方ですね。
「このお米(北海292号)はブレンド米専用として出そうと思うが、どうだろう?」
「美味しいけどブレンドには適さないと思います」
粒が小さめだけど粒感がしっかりある。粘りも強い。「きらら397」や「ほしのゆめ」と混ぜても合いそうにない。
「早く品種になることを希望します。この弾力のある粒々感は他の品種にはない味わいだと思います」
「北海292号」を世に出す作付け会議で、ある農業関係者が出来高8000俵と予定。本州の米屋が全量引き受ける、と手を挙げた。ふいに口から突いて出たのが「半分ずつにしませんか?」という言葉。同時に「潰れるかも」と思ったそうですよ。当時の販売数量3500俵でしたからね。
この年、北海道は「北海292号」は、粒の粒厚がうすい、収量性が悪い、他に低アミロース系の米が出ている、という理由から「廃棄」と決定。「栽培してはいけない」という結論。しかし阿部農場では見事な稲穂をつけている「おぼろづき」。
冷害になるとお米の品質は落ちる。収量が低くなる。味が落ちる。味が落ちる原因の一つはたんぱく含量の高さです。
土壌窒素が寒いためにきちんと分解されず稲体に吸収されてしまう。稲の活動や新陳代謝も衰える。窒素は粒子として米の中に存在するので、それがデンプンのネバネバ活動を妨げる結果、食感にパサつき感が出て粘りの少ないごはんになる、というわけです。
「292」は廃棄処分。それでも品種申請された「おぼろづき」は道内で(密かに?)栽培されていました。しかし以前食べた「292」とは味わいがちがう。
一度廃棄処分となった品種は復活することはないにもかかわらず、おぼろづきは強運からか、味が良いからか、あちらこちらで”密かに”栽培されて問題になっていました。
阿部さんはいろいろな妨害や中傷をはねつけて、「おぼろづき」が北海道の品種として認められるきっかけをつくりました。
平成15年、刈り取り前の田んぼに雷が落ちました。稲妻は稲の妻=田に恵みをもたらす吉兆。月偏に龍の字で「朧月」。翌日、雷で焦げて穴の空いた場所を丁寧に刈り取り、四隅に米と塩と酒を撒いてお祓い。刈り取った稲はそのまま保管し、翌年、雷の当たった籾種として使用。
この「おぼろづき」が「全国米食味鑑定士コンクール」で魚沼産コシヒカリ等と並ぶ最優秀賞・金賞を受賞します。
なるほど、そういうことか。きっと話題になりまんな。「カンブリア宮殿」あたりかな・・・。