2014年10月15日「蜩ノ記」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 なんとも凛としたシャシンでしたな。拙者、感服つかまつった。

 締切に追いまくられると、なぜか、飲みに行ったり、映画見たりしちゃうのよね。で、自分で自分のクビを絞めちゃう。わかっちゃいるけどやめらんない。♪スイスイスーダララッタ、スラスラスイスイスイ〜とならんのよね。

 ま、いいか。

 日本の美しい風景のなかに、美学がしぶ〜くしぶ〜く、まさにいぶし銀。人間も植物も腐るものと枯れるものとがありますな。枯淡つうんでしょうな。



 世継ぎとなる愛児を殺された松吟尼と庄三郎がはじめて出会った場所は、円通院。そうなの、8月初旬に恐山、青森ねぶた祭の翌朝、伺ったところ。あそこも見事なお庭でしたが、もっぱら遠野が使われたようですな。。。

 この映画。善人悪人が出てこない。立場上、自分がやるべきことをやっている。それで生き死にはありますが、それはすべて意味がある。

 生き甲斐が見つからないからせめて死に甲斐を、と願う弱い弱い人間もいれば、死に様ではなく生き様を見せよう、と考える強い強い人間もいます。

 強い人間と弱い人間のちがい? それは、自分のことしか考えないか、周囲のことも慮れるか、のちがいではないかしらん。。。


 さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『蜩ノ記』(葉室麟著・祥伝社)です。詳細はこちらからどうぞ。