2015年02月17日イスラム国の問題について。。。

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 忘れないうちに3つの連絡事項。。。

1スピ研メンバーへのメーリングリスト
 昨日スピリチュアル研究会メンバーにメーリングリストでご挨拶させていただきました。届いてるかどうかご確認下さい。スパムメールに分類されてたら、今後、緊急&重要メールが届かなくなりますのでご注意くださいませ。。。
 
2恒例の「京都花見&舞妓haaa〜nツアー」開催について。
 今年は4月11〜12日の土日開催です。参加意思表明の締切は2月末とさせて頂きます(実際に参加するかどうか別として)。「花より怨霊・パワスポ巡り」に惹かれる方が何人か。。。

3来月の新潟原原ラスト講義は開催日が変更となりました。
 3月14日(土)に変更します。時間は午後4時〜7時。ごめんね。だって「2015新潟酒の陣」(詳細はこちら)があんだもん。当日のホテルは暴騰かつ混み混み。いまのうちに予約しといて。私はなんとか確保。
 今後、新潟原原は3時間講義します。2次会は午後7時〜どすえ。なお、講義前に「酒の陣」に出陣される方は、シャトルバスorタクシーでいったん新潟駅方面まで出てから講義会場(ただいま物色中)に来て頂くとスムーズです。
 とにかく新潟はビールで少し濡らしてから本格的にポン酒を呑み始めるわけで。天下の酒処でもありまして。ホンにポン酒好きな県民なんだなあ。
 ポン酒お嫌いですか? お好きです。


「イスラム国に対抗するための資金援助に2億ドル・・・」
 安倍さん、言わんでも良かったですなあ。つうか、絶対に言ってはいけません。

 もし外務省あるいは首相秘書官とかが文言を書いてたとしたら、これは致命傷ですな。あまりにもあまりにも「イスラム・リテラシー」が欠如している、としか言いようがありません。
 ところが事件発生後、「イスラム国対策のために拠出する2億ドルは人道支援のため」と繰り返しました。二重の間違いです。ケンカ売ってるようなもので、完全に的にかけられまっせ。
 
 たしかに人道的支援は必要ですよ。けど「イスラム国」云々のフレーズは不要。ちんぴら議員の発言ならまだしも、首相がしては絶対ダメ。日本攻撃の言質を与えてしまうからです。事実、与えてしまいました。

 国会審議で、いつもとんちんかんな質問しとる野党にしても、今回だけは正しいと思います。

「報道の自由だろが!」と危険地帯にわざわざ出かけて人質になった「英雄」にしても、いままで日本政府は国民の血税から身代金をそっと払って解放してもらってきました。英雄はそんなことご存じないでしょうがね。知らないから、「報道の自由だろが!」といい年したカメラマンものたまえるわけです。別に、あの方が行かんでも確度の高い情報はたくさん入ります。

 今回は、安倍さんの発言で殺されたと指摘されてもしょうがありません。今回ばっかりはね。イスラム国は一枚岩ではありません。殺すか活かすか意見は対立していたはずです。烏合の衆には派閥がつきものですからね。

 この地域に、タイミングで、ホントは用もないのにわざわざ出かけていった。で、わざわざあんな発言をした。不注意でした。迂闊でした。イスラエル等々に出かけたのは、オバマではなくアメリカの共和党に指示されてのこと。行かなくても良かったですね。

 さて日本人がムスリムを考えるとき・・・。

「1日5回も礼拝するなんて敬虔なのね」
「いつも体を覆っている奇妙な風習」
「トンカツは食べられないのね。もったいない」
「1人で4人も妻をもてるなんて最高!(あるいは最悪!)」
「いつもテロばかり起こして怖い」
「原油に恵まれたラッキーな人たち」
「働かなくても学校とか病院とかタダなんでしょ」
・・・。

 ま、こんなもんかな。。。すべて誤解と錯覚そして偏見ですね。欧米でもそうです。私たち日本人とちがうのは、知っててやってること。
 
 イエロージャーナル『シャルリー・エブド』なんて、イスラム教徒の女性を下半身をむき出しにした絵を載せる下世話な風刺画でした。ムハンマドを小馬鹿にした風刺画はNGです。ムスリムにとって彼は預言者なんですから。

 ところで、イスラム教は偶像崇拝禁止。だからムハンマドの風刺画はダメ。。。これも誤解です。詳しくは原原でお話しましたけど、『クルアーン(コーラン)』にはそんなこと1行も書かれていません。

 ムハンマド昇天に題材をとった「ミウラージュ」の絵は有名ですし、そのほか預言者の顔までしっかり描いた作品はたくさんあります。
 
 イスラム教で絶対なのはアラーの神だけを信仰すること。人間やモノを信仰や崇拝の対象にしてはならないこと。ムハンマドは生身の人間でしょ。だから信仰の対象ではありません。まして、その絵画などをアラーの神にするがごとく崇めてはいかん、ということなんですね。

 デンマークの『ユランズ・ポステン紙』がターバンに爆弾を巻き付けたムハンマドを描きました。偶像を描いたからではなく、「イスラム過激派」として描いたことに問題があるわけです。これを「表現の自由」とは言いません。「自由、平等、博愛」の「自由」がこんな低レベルであったらフランスの恥でしょ。

 ジャーナリズムは、報道や発表で生じた義務と責任には必ず「落とし前」をつけなあきまへん。それでこその「自由」でしょ。

 さて、ムスリムは商業の民です。イスラム教は「砂漠の宗教」ではなく「商業=都市生活者の宗教」なんです。あれだけ布教がスピーディに進んだ源は軍事力ではなく商業活動にあります。教団組織も布教制度もない。出家も奨励されてない。それがイスラム教です。

 きちんとビジネスをする。貿易をする。季節風を利用してアジア、アフリカ、地中海、インド洋へ出かけ、現地人にアラビア語や数学を教え、医学薬学を提供して命を助ける。こういう現世利益を与えてファンを増やしてきたわけです。

 欧米がムスリムに偏見と差別意識を持つのは理由があります。かつて(711年)、イベリア半島をムスリムが占領しました。その後、キリスト教徒が奪還します。「レコンキスタ」ですね。最後の砦グラナダが落ちたのは1492年でした。これはサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼がきっかけでしたよね。

 その後、イベリア半島とくにスペインはユダヤ教徒とムスリムを徹底的に排除します。カトリックに改宗して洗礼を受けなければ4カ月以内に出て行け、と追い出してしまいました。当時、ユダヤ人は20万人が追放されています。

 これがスファラジ・ユダヤ。正統ユダヤ人です。1割しかいませんけどね。「エルサレム奪還!」を主張できるのはこの人たちだけです。

 もち、ムスリムは隠れムスリム=モリスコになりました。なにしろ、イスラム教だけでなく、アラビア語も服装等の風俗も禁止されました。そして彼らはユダヤ人とはちがって北アフリカに逃げていきました。それがいまにつながっているんですね。

 どうしてユダヤ人とムスリムをここまで迫害し、国から追い出したんでしょうねえ?
 はい、彼らは自分たちの職を奪う敵だったからです。これ、現代の欧米社会でも実態はまったく同じです。

 では、彼らを追い出してスペインはどうなってたでしょうか?
 はい、没落しました。インカ帝国、アステカ文明。。。彼らの金を奪いに奪ったスペインがあっという間に没落したのは、金満で超インフレになったからだけではありません。働き者の労働者が消えたからです。

 前車の轍を踏みつつありますなあ。「労働」を忌避するキリスト教徒の連中と、ユダヤ、ムスリムは根本からちがいます。働き者の彼らを忌避したら欧米の経済は回らなくなりますよ。
 すべての職を奪って金融業しかできないようにさせたのはだれか? キリスト教徒たちじゃないですか。

 欧米が没落するのは金融危機だけが原因ではありません。文化的、社会的、宗教的に、あまりにも偏狭な価値観が勝手に没落させているんです。

 日本は欧米の価値観に巻き込まれてはいかんのです。聖徳太子と仏教と神道。すべてを呑み込むふくよかな価値観のままでいいんです。イスラム国すら呑み込んでしまう器の広さ。けっして恨まない。水に流す。

 忘れっぽい? いいじゃないっすか。恨んでばかりいたら、結局、自滅するんです。「右の頬を打たれたら。。。」といいつつ、ちっともできない連中に教えてあげられるのは日本人だけです。

 ま、詳細は原原で。。。いずれにしても、東京マラソンは要注意ですなあ。


 今日のメルマガでご紹介する本は「中国外交の大失敗」(中西輝政著・PHP研究所・842円)です。