2003年04月14日不作為の罪

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祭りの後のしらけ感


 統一地方選挙が終わりましたね。東京は石原さん、神奈川は45歳の元衆議院議員。地方自治体の首長の顔ぶれが決まりました。

 それにしても、なんと盛り上がりに欠けた選挙だったんでしょうか。

 東京なんて、もう石原さん独走。ボブ・サップみたいでした。

 神奈川はあの田島陽子センセが突如、出馬しましたけど、まぁ最初からムチャというか、無理でしたね。あの人はタレント議員ですから、国政選挙のほうが向いてます。

 でも、これだけ選挙が静かだった理由は、有権者というか、国民の間に漂う「諦め」ですね。

 外では戦争。ところが、その戦争に対しても、まったく国民に対して真摯な説明ができなかった。論戦の場である国会でも空転するばかりでした。これは外務省がフランスの出方を読み違え、国民の意思を読み違えたせいでしょうが、総理としての義務放棄としかいいようがありません。


国民力がどんどん萎んでいく

戦争に輪をかけた経済戦争。これはもう敗戦確実。デフレは収まることを知らず、それに対して、政府は何の手も打たない。「構造改革一点張り」ですから、金融対策、財務対策をすると、構造改革ができないと勘違いしているようです。

 しかし、いま、小泉さんが取り組んでいる中途半端な構造改革なら、やらないほうがましですね。かけ声ばかりで、実態はどんどん後退し、「改革した」という既成事実だけが積み重なっているだけです。ヤマト運輸が郵政事業に参入しなかったことでも、それはわかりますね。

 小泉さんはアダム・スミス流の「神の手に委ねる」という方法なんでしょうか。これでは政治家などいないほうがましです。

 できるチャンスがあるうちに手を打たなかった。この「不作為の罪」は国民に諦観を植え付けてしまいました。

 「何をやってもダメ。まして、地方政治が少し変わったくらいで、この状況が改善できるはずがない」

 いちばん怖いのは、この諦観なんですね。希望があれば、いくらでも力も知恵も湧いてきますが、諦観はすべてのエネルギーを奪ってしまいます。この「国民力」を殺いだ罪は株価を下げ、160兆円もの国民財産を吹き飛ばした罪よりも重いと思いますよ。