2015年05月09日「AIIB」とはなんなのか。。。

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 「AIIB(アジアインフラ投資銀行制度)」をどう読み解くかです。



 結論は、日本が参加してもいいし、参加しなくてもいい。お好きなように、というものです。
 どちらに転んでも国益上、メリットもデメリットもありますが、
短期レンジで考えるか、長期レンジで考えるかで、いくらでも逆転できると思います。

「TPPはアメリカの利益にしかならない!」
「同様に、AIIBは中国の国益にしかならない!」

 巷間、大騒ぎしていますが、私はそうは思いません。これらの国がいままで日本にしてきたことはすべて「短期勝利、長期敗北」となっているからです。

 経費がかかりすぎた沖縄経営から足を洗うためにニクソンは佐藤栄作に返還を要求しました。当時(70年代初頭)、「糸で縄を買った」と言われましたが、積極的に買ったのではありません。金のないアメリカから引き取ったに過ぎません。今後、「辺野古移設問題」がこじれたら、アメリカに「施政権」を戻せばいいんです。



 さて、「AIIB」とはなにか? ひと言でいえば、「破綻直前国家による国際的取り込み詐欺」とでもいうべきものです。TPP同様、どうせ3年以上すったもんだが続きます。「参加予定国」が多ければなおさらです。しかも批准しなければ無効です。

 ヨーロッパ諸国の誘い水となったイギリスの参加ですが、ユーロからも追い出されかねない崖っぷち国家が「保険」の意味で参加表明したにすぎません。いざとなればやめるでしょう。「習近平に恩を売るなら、いまでしょ!」程度の判断でしょう。

 世界一の債権国=金持ち日本。世界一の債務国=借金王アメリカが参加しない金融制度など画竜点睛を欠くに等しいのです。「目論見が外れた」としか言いようがありません。

 そこで、年末締め切りを今年3月へと延ばし、さらに6月に変更しました。おそらく、日本が入るまで延期に次ぐ延期となるでしょう。そのうち、しびれを切らして、なんだかんだと理由をつけて
李克強あたりが催促に来るかもしれません。

 どうしてそんなに焦っているのか? 中国が崖っぷちだからですよ。

 参加国の顔ぶれを見てください。スイスとドイツ以外は話になりません。スタートしたら即、「金くれ〜」という国々ばかりです。ギリシャと北朝鮮も参加をもう一度打診するでしょう。破綻寸前の胴元に禁治産者が群がる構図です。

 「オレの許しがあるまで勝手にAIIBに入ったら、ダメよ〜ダメダメ!」とアメリカが邪魔する理由は、IMF・世界銀行体制に手を突っ込んできた中国への嫌がらせです。「こんなことなら、ミヤザワのアジア通貨圏制度を認めてやったらよかったかも」といまごろ後悔していることでしょう。

 この5〜6月にも、韓国経済が地獄に叩き落とされる「大事件」が発生するかもしれません。狙いはAIIB潰しです。この件については原原で詳しくお話したいと思います。

 結論。日本は高みの見物をしていればいいんです。TPPと一緒です。バスに乗るのは最後の最後でいいんです。どうせ世界は日本を待っているんですから。