2015年06月19日高橋治さん。。。

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

「若い日の美しい私を抱いてほしかった」

 高橋治さんの小説で一躍、有名になりました。

 学生時代、互いに好意を抱いていた男女。しかし、どちらも告げられず、そのまま互いに家庭を持ちます。
 50歳になる前、海外で出会います。それから大人の恋・・・。

 年に1度の逢瀬。まるで七夕です。それが9月1日からの3日間。
 場所は八尾。男と女の道行。中年にも純愛はあるのです。

 モチーフとなったのは、言うまでもなく、このファンタジックな祭り。そう、越中おわら風の盆です。



 若柳流の舞い、三味線、太鼓、それに胡弓の音色。女子十二楽坊が登場するずっと昔に胡弓を取り入れたセンスのある祭りです。踊りも唄も音楽も背景も、なんとも色っぽい、艶っぽい。

 能登金沢もいいけど、夏の終わりに富山に足をのばす。すると、もうそこはおわら風の盆の季節。飛騨の山々が描く稜線から富山平野へ。その途中に細く長く広がる坂の町があります。そこが八尾。

 二百十日、初秋の風が吹くころ、おわら風の盆は幕開けです。

 優美な「佐渡おけさ」、躍動的な「徳島の阿波踊り」、そのどちらにもない優雅さはどこあるんでしょうかね。
 止まった時の美しさ? そうかもしれません。
 涼しげな揃いの浴衣。編笠の間から少し顔を覗かせる。町の伝統と個性を反映した町流し。そして、輪踊り。
 山々が赤くもえる夕暮れ過ぎ。家並みに沿ってぼんぼりに淡い灯がともる。幻想的であり優美でもあります。
 
 魂が疲れたあなた、素敵なバイブレーションに襲われますよ。

 ご冥福をお祈り致します。。。


 さて、今日のメルマガでご紹介する本は「絢爛たる影絵 小津安二郎」(高橋治著・岩波書店・1382円)です。