2015年06月20日妙心寺東林院の沙羅双樹は儚げでした。。。

カテゴリー中島孝志の「日本伝統文化研究会」」

 名古屋原原のあとは大阪。これ、決まってるわけです。
 で、締め切り抱えてる中、突如、京都で下車。

 なんのため?

 迷ったんだけど、行きたくてね。理性よりも感性が上回ってしまいました。あとで苦しむのに、あとで泣くのに。あとで恨むのに。。。女って弱いのね。

 アホか、おどれは男やないけ! ま、そうなんすけど。

 あのね、妙心寺。この季節なら、まあ、目的は2つでしょうな。
 1つは紫陽花寺の退蔵院。宮本武蔵が修行したとこでもありますし、「元信の庭」もありますし、なんたって、瓢鯰図かな。国宝ですからね(本物は博物館にあんだけどさ)。

 そうそう、JR東海のポスター「枝垂れ櫻」の寺ですよ。ここは。
 もち、こちらも参りましたよ。けど、ホントの狙いは。。。

 東林院なのよ。なんともいえない趣きの塔頭でしてね。妙心寺は日本最大の禅寺です。塔頭は46。なかでもここは非公開。
 ただし、このシーズン。すなわち、沙羅双樹の花咲く規制だけは特別拝観できるわけ。この2週間だけ。。。

 沙羅双樹というと、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」つう『平家物語』でご存じではないかしらん。。。

 「♪沙羅双樹ってなんですのん?
 「はいはい、はいはいはい」。。。って、どうして「あるある探検隊」になるん?

 お釈迦さんが入滅したとき、その四方に対の沙羅樹が咲いたわけ。白い花がお釈迦さんをおおいました。四方つうことは8つ。きれいなきれいな花。。。

 ただし、朝に咲いて夕べには散る1日花。一念で咲き誇り、一念で散る。

 花の命は長さではおまへんな。短い分だけ思い切り咲かせてもらいまひょ。散ることがわかっているから思いっきり綺麗に咲きます。滅びの美学。なんとも潔い。儚げで。けなげで。。。だから心惹かれるんでしょうな。

 花も人も同じですな。。。


東林院の入口。宿坊でもありますからね、ここは。

まずはお茶をどうぞ。。。

沙羅双樹をイメージしとるんやろな。

 ホントもっと花が落ちてるんです。蜜を求めて蟻が来ます。すると苔をひっくりかえしていまいます。で、花も数えるだけにしているそうな。


苔の風情がええどすな。

緑一色のなかに白い花が映えますなあ。落花でも1日はもちますんや。夏椿ですな。

 ここ、東林院は精進料理で有名ですね。西川玄房住職はたくさん料理本出してますしね。


お見事!これは美味い!

 宿坊で注目するのは、実は胡麻豆腐。とくに禅寺ではね。この前の高野山の宿坊よりも美味でした。もち、テレビで紹介されたいきなり人気店になって某胡麻豆腐屋さんとはダンチ。けど、やっぱ、あそこのほうが美味いわな。

 原原のみなさんにはご紹介しましたね。あのお寺さんが日本一美味いっす。

住職はテレビのインタビュー。さすが沙羅双樹の寺でんなあ。

 退蔵院もそうですが、鹿威しから落ちる水の音は地下で響いて琴の音がしますな。趣がありますな。


壱壺琴かいな。


枯山水庭園に一壷天「水琴窟」に耳を傾けてください。雅びな音がしますんや。。。

 やっばり京都はお庭ですな。で、奈良は仏像。この空間が禅の境地なんでしょうな。

 妙心寺。開基(創立者)は花園天皇さん。開山(初代住職)は関山慧玄。2人とも大徳寺開祖、宗峰妙超つまり大燈国師の弟子ですな。

 おもしろいですなあ。臨済禅も曹洞禅も同じ。大阪原原では時間がなくてお話できませんでしたけど、曹洞宗の謂われの1人、曹渓慧能(六祖)が説いた「無一物中無尽蔵」。臨済宗開祖の臨済義玄が説いた「無事之貴人」。どちらも同じ。ま、詳しくは7月に解説しましょう。。。

 次の日曜日は鎌倉散策です。紫陽花や神社仏閣に加えて、ランチ(創作和食)もディナー(蕎麦屋)もただ者ではないレベルですので、参加メンバーはお楽しみに。。。予算はすべてひっくるめて8千円くらいかな。