2002年11月11日元気があれば何でもできる!

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この芝居、良かったよ


 昭和31年10月28日。

 この日が何の日か、知ってますか?

 そうです、そうなんです。といっても、ほとんどの人は知らないだろうけど。

 大阪の通天閣が完成した日なんですね。もちろん、二代目ですよ。初代は大阪空襲で焼け落ちましたし、鉄は供出でもってかれましたからね。

 なんで、今頃、そんな話をするかというと、先週の土曜日に赤坂で友人が出演してる芝居があったんです。題名が「TSUTENKAKU」。そのものずばりです。

 演出は麻丘めぐみさん。「芽生え」「わたしの彼は左利き」というヒット曲の元アイドル歌手ですな。 

 まったく期待せずに行きました。ホントは徹夜明けだったんで、行くの止めようかと思ってました。でも「浮き世の義理」って、大事でしょ。行ってきました。見てきました。

 小さな芝居小屋に満席。歌あり、踊りあり、まっ、これはちゃちいんだけど、ストーリーがものすごくうまい。めっけもんでした。お買い得でした。脚本がよくできてました。

 通天閣で「大橋劇場」を経営するオカマの店主。そして、ロック歌手星カンタ、その友人たち。それに、「殺しの柳川組」の組長が絡んで、戦中戦後、通天閣を民間で再建するまでの、大阪人の元気復興物語。これが主軸に話は進んでいきます。

 その合間を縫うように、小さな物語が同時並行するわけですね。

 通天閣が焼ける前日にたった一回だけ会い、そして行方が知れなくなった女との再会。高所恐怖症の息子との不和。父と子の絆。父親が息子にホントに残したかったのは、何か。それが、通天閣からの眺めです。そのために、懸命に活動してたんです。

 子役が舞台回しの役目をきっちり果たして、ストーリーがテンポ良く運んでいきます。

 あまり面白いんで、もう一度、見ようと思ったら、日曜日に二回公演して、終了だとか。今度、みなさん、一緒に行きましょう。タイトル、覚えておいてくださいね。


かつての大阪人の気概を見習おう

 日本経済はこれから、大変ですね。いや、もうすでに大変です。

 わが業界で言えば、ビジネス書は地獄です。かといって、文芸書はといえば、これまた、地獄です。文芸作家がどうすればビジネス書が書けるのか、と教えを請いにくるくらい大変なんです。

 「竹中プラン」とか「木村プラン」だとかいろいろ言われてますが、もう、覚悟を決めて毒を飲むしかないでしょう。いままで先送りしてきたのが悪いんです。

 「もう底だ、もう底だ」と言われ続けて、どんどん深みにはまってきました。

 かといって、底が見えているかといえば、まだ見えません。国民は底まで沈んでもしかたないと考えてますよ、きっと。底を見たくないのは、底に着いてすべてがさらけ出されると都合の悪い人たちでしょ。

 「あなたがたの刑事処分は考慮しますから」と銀行のボスたちに言っても、それでも怖いんでしょうね。

 よっぽど、悪いことしてきたんでしょうね。政治家と組んで。

 底を見る。底に着いたら、あとは浮くしかない。底に着かないから、浮き上がれないんです。

 捨てなければ得られないことがたくさんあります。

 日本人はもう一度、ゼロからスタートするしかないんです。産業再生は仕組みやネットの問題ではありません。元気の問題ですね。元気さえあれば、かつての大阪人のようにできないこともできるようになりますよ、必ず。