2005年04月25日「美女に幸あり」「人類のルール」「失踪日記」

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」


1 「美女に幸あり」
 林真理子著 マガジンハウス 1050円

 日テレで「anego」やってますね。あれ、原作は林さん。
 あの本も以前、ご紹介したことがあると思いますが、これは「美女入門 PART5」です。

 美女ねぇ。嫌みがなくていいね。この人がいうと。
 これが菜々子ちゃんや紀香が言ったりすると、嫌みでしょ。ユーモアさえ感じられますもの。

 さすがに、感性裕にああだ、こうだと気づく。しかも、それがパンピーレベル。だから、共感を呼ぶんでしょうな。わたし、この人、大好きです。
 やっぱりこのくらい肩の力を抜けた文章が書けるのは、たいしたものなんですよ。

 「世の中にはファッション・セレブリティ」って人がいますね。いろんなファッションパーティに顔出してる人いるでしょ。
 映画の試写会とかね。
 ディオール、シャネルの新作パーティにも招待されちゃう。で、驚くのはいつもそこのドレスなんか着ちゃってるわけ。
 「なんてお金持ちなのぉ」
 「みんな貸出に決まってるでしょ」

 「彼から贈ってもらっていちばん嬉しかったものは?」
 「貴金属!」
 ほんとうに正直な人です。でも、少なくないでしょうね、本音のところでは。

 美人で若くていい女。そんな娘がそうとう年上の男と不倫の関係になる。
 まるで、映画の世界か石田純一ワールド。
 いつでも、だれとでも結婚できる。ちょっとした大人のレッスンを愉しんでるだけ。
 「あなたみたいな若い子が期間限定の恋をするのもいいかもね」

 二十代前半ならではの余裕です。
 これが三十代になるとちょっと事情は変わってくると思うよ。気づいていない女性も少なくないと思うけど。
 若くてもガキは嫌だろうし、四十代、五十代でもいい女はいい女。年齢は基本的に関係ない。
 いつも物欲しげに男を吟味してる卑しい顔の女性は嫌だね。

 女性誌って、水着特集とダイエットってワンセットになってるんですね。ちいとも知りませんでした。
 150円高。

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2 「人類のルール」
 フットボールアワー著 角川書店 1200円

 フットボールアワーの向かって左。あれ、岩尾君というんだけど、彼、吉本興業の不細工男コンテストでなんでも三年連続チャンピオンだとか。しかも、ダントツの。
 いや、たいしたものです。
 なんでもナンバーワンはなかなかなれませんものね。芸は身をたすくです。

 「合コンは個々の役割分担ができていることが成功の秘訣なので、自分はドリフで言うと誰なのかをしっかり把握しておく」
 うーん、大切ですね。キャラがかぶるとダメですものね。

 「おふくろの味だけでしゃなく、おやじの味、おじの味があってもいい」
 ということは、「義母の味」とか「姪の味」「嫁の味」ってのもあっていいわけか。このネーミングだと、ちょっと路線が変わりそうだけど。

 「バイト感覚というと聞こえが悪いが、そのイメージを変えるには、すべてのアルバイターがもっとバイトに精を出していくしかない」
 わたし必ずしもバイトのほうが低くて、正社員のほうができるとは思ってません。伸び盛りの新興企業なんて、はっきり言ってバイトのほうが優秀です。何年やってもできない人間はできません。仕事で成長しようなんて考えていないからです。
 こういう新興企業の正社員に人材なんていませんものね。それよりも、たまたま学校が近かったんでバイトしてます、という学生に優秀なのがいる。正社員はその上に乗ってるだけ。
 指示もすべてバイトがしてます。これが現状です。株式を公開したての会社なんて、こんなレベルが少なくないと思うよ。

 「ミナミの帝王にいちばん違和感を感じ、しかしいちばん愛しているのは大阪人である」 なーるほど。竹内力の大阪弁、いっこうにうまくならないものね。でも、わたし、このシリーズ大好きです。すべて見ております。劇場版も含めて、ぜーんぶ見てます。
 極道役の結城哲也、好きですね。この人、「企画」とか「配役プロデューサー」に名前を連ねてますね。元チャンバラトリオ。大好きです、大阪名物ハリセンチョップ。

 「女子アナは人気選手とばかり結婚するのではなく、コーチのほうにも目を向けるべきである」
 たしかに! でも、収入が違うもの。彼女たち、基本的にはお金じゃないかな。それが大前提で、あとはだれにするかって考える。
 でも、それだけ優先権が与えられるほどの人たちなのかな。
 150円高。
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3 「失踪日記」
 吾妻ひでお著 イーストブレス 1200円

 著者は売れっ子漫画家。だから、本書はマンガです。
 全部実話。
 ということは、この人、失踪しちゃった・・・わけです。

 締切に間に合わない。
 こういうことはよくあります。いや、よくはありませんが、たまにあります。
 その場合、たいてい対応は三通りになります。
 「締切? 今日? ホント!」と演技する人。くれぐれも言っておきます。わたしは違います!
 「締切? 知ってたよ。けどさ、まだ宇宙から降ってこないんだよ」と天を仰ぐ人。確信犯です。で、宇宙とかわけのわからないのに責任転嫁しちゃう。くれぐれも言っておきます。わたしは違います。
 そして、もう一つがこの著者のようなタイプ。
 「今日、締切だ。どうしよう。どうしよう。編集者に怒られる」ってなわけで、ばっくれちゃうわけ。
 くれぐれも言っておきます。わたしは違います。

 で、ばっくれたこの人、どこに行ったかというと、森に入っていったわけ。
 なんか、ターザンというか、ロビンフッドというか、プーさんというか、どことなくファンタジーなんだけど、早い話がホームレスなのね。

 昼間は寝て、夜中、ごそごそ。で、コンビニ、スーパーの賞味期限切れの弁当とか持って帰るわけ。
 そんなこんなで不審尋問受けて、通報されます。奥さん、いるんですよね。だから、失踪届が出ていて、保護されるわけ。

 けど、また同じようなことをします。懲りないのね。
 で、今度はガス職人として住み込みで働くわけ。で、資格もとっちゃう。そんな暇あったら、マンガ描けばいいって?
 やはり、そこは当事者じゃないとわからない複雑な問題があるんでしょ。

 まっ、そんなこんなでめでたく漫画家として戻るわけです。警察に保護された時、警察官にファンがいて、ホームレスの彼に自分の子どものためにサインをもらったりね。
 いったい、なんて書いたんだろうね。
 200円高。
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