2016年06月24日必見!「ほほえみの御仏--二つの半跏思惟像」
カテゴリー中島孝志の「日本伝統文化研究会」」
今日は博多原原です。メンバーはご参集のこと。いつものようにまくらで経済とくに英国の離脱問題について少し、本講義は前回の続きではなく、「売上を3倍増させる最先端マーケティングの原理原則について語ろう」にします(始まる頃には結果が出てるでしょうけどね)。
利上げするなら英国残留決定のタイミングがベストなんだけど・・・。
ただいま博多到着。麻生さん、緊急会見。「まさかの坂」がありましたなあ。
この結果、離脱派がいちばん驚いてるでしょ。「そんなつもりなかったんです〜」と後悔しとるんちゃう? 民主主義はだれもが1票あるわけで、「あんなこと言わなきゃよかった」とキャメロン首相も後悔しとるんちゃうか〜。
EUでも英国は特別扱いしてもらってきたわけで。なにが不満なのかねえ。ま、1票は1票ですからね。
これでスコットランドは英国から離脱。となると、アイルランドも離脱。大英帝国は吹けば飛ぶよなその他大勢になりさがるわけで。
またしても「ワーテルロー詐欺」にやられてしまいましたな。「残留派リード!」「離脱派敗北宣言!」と投票直前、メディアに思いっきり吹かせた連中がいるわけで。。。
安心してポンド買い、ユーロ買いしてた投資家はたまらんわ。100円突破の円高、大暴落も当然やあ。ダウは残留期待で上昇してたわけですから、これから暴落必至。となると、週明けの日経平均株価はさらに下落? 金は引き続き上昇?
「連中」は売りと為替で大儲け。しばらく相場は混沌。世界は総混迷総困惑総混乱だわな。
これでキャメロンはクビ。で、英国民は離脱の現実を思い知るわけでね。製造業はとうに店じまいしてるし、かといって金融業もいままで通りとはいかないし、タックスヘイブンはアメリカに奪われちゃうし・・・英国はホントに終わりましたな。で、今後、頼みの棚は中国となるわけ?
アメリカに詫び入れるんならAIIB離脱しかないわなあ。
やっぱ、金(ゴールド)様様でんな。
さて、この火曜日から始まりました、「日韓国交正常化50周年記念」の特別展。人気沸騰ですね。行ってまいりましたよ。
それにしても、日韓正常化ねえ・・・韓国でも舛添さんみたいに野心満々の男なんぞが大統領になるような事態になったら、正常化も国民ウケするパフォーマンス優先で吹っ飛ぶんではないかしらん。
ま、そんなことがないよう、両国民はしかと手を携えて進めてまいりたい、と思います。
さて、特別展とてもよかったっす。中宮寺(法隆寺の東側にある小さな門跡。尼寺なのよ)と韓国国立中央博物館からそれぞれお持ち頂いたわけでね。この2つしか展示されていません。あっという間です。
けど、いいものはいい。しかも中宮寺で拝見するより今回のほうがいい。
なぜか?
あのね、光背の裏まで拝見できるからです。これ、お寺ではそうはいきません。表だけですから。裏に回って拝見することはできませんからね。
光背ってオーラです。光です。密教の「大日如来」も光の塊のことです。東大寺とか高山寺とかの華厳経では「毘盧遮那(仏)」が同じです。サンスクリット語の「バイロチャーナ」のことです。あまねく宇宙を照らす光、という意味です(「アミターバ=無量光=阿弥陀(仏)」のことですね)。
これ、元もと金箔を漆で貼り付けてたわけ。ホントに光り輝く存在だったでしょうな。
はじめて見た日本人はなにを思ったか・・・仏がここにいる。これなら救ってくれるにちがいない。恍惚としたでしょうね。
さて、この光背ですけどなにをデザインしてるかわかります? 見ればすぐにわかります。ぜひご確認ください。で、これを見れば、中国は中国でもどの地域から伝わってきたかがわかります。
で、半跏思惟像ですが、門跡様はあくまでも「如意輪観音です。ご本尊です」とおっしゃるでしょう。ま、平安時代以降の言い方なんすけどね。
国宝半跏思惟像(中宮寺所蔵)。
ホントに美しいお顔です、。オフィスには広隆寺の弥勒菩薩半跏像をパネルにして飾ってます。
ところで、ほとんどの仏像つうのは立像か坐像ですよ。こんな中途半端な坐り方つうか立ち方つうか、こういうポーズは少ないですよ。100に1つもないでしょう。で、ガンダーラ彫刻でたくさんの仏陀が彫られている中に「半跏思惟像」があるんです。ポーズが特殊ですからね。印象に残ったんでしょう。
思索中なの? 悩んでるの? ロダンの「考える人」みたい?
いろんなこと感じるでしょうけど、どうすか、立像や坐像にはない、なんともいえない「優しさ」があると思いません?
なぜそうなのか? 詳しくは原原でお話しましょう。立像、坐像、そして半跏思惟像って、それぞれ役割つうか使命つうか、意味があるんです。実はね。。。今度じっくりお話します。5〜6世紀の大陸と半島の歴史も交えてね。あまりブログで語りすぎると「しゃべり過ぎ!」と物言いつけられますんで。。。
国宝78号半跏思惟像(韓国国立中央博物館所蔵)。
日韓それぞれから半跏思惟像を出展して頂いてますけど、どちらがお好みですか?
日本のは木製。クスノキですね。7世紀=飛鳥時代の作です。乙巳の変あたりでしょう。韓国(百済)のは金銅製。6世紀=三国時代です。
素材の違いは、日本は木が豊かで立派なクスノキがたくさんありました。いまもそうです。西日本ではとくに大きなクスノキがあります。たしか鹿児島の神社仏閣に日本最大のクスノキがあるはずです。
一方、百済というか半島ではクスノキが育たないんですね。済州島にあることはありますが小さいんですよ。とてもとても彫れるようなものではありません。そのかわり金銅製ですからね。立派なモノです。
木製は柔らかいし、デリケートな表情が出せます。比較する必要もありませんが、優しいまなざしをされている思惟像がいいっすね。
日本のはもちろん彩色されています。彩色ってせいぜい10年くらいしかもたないんです。大徳寺で拝見した狩野派の襖絵も水墨画だから残ったわけで。彩色してたらもちません。だから、これ、何回も塗られています。
黒光りしてますけど、元もとは肌色なんですよ。
韓国の半跏思惟像は冠をかぶってます。ホントは中宮寺の半跏思惟像も冠があったんです。頭部に付けてた穴があります。でも、仏像って「仏陀像」の略でしょ。「仏陀=如来=悟った人」という意味ですから、冠なんて装飾物は身につけないわけ。
これ、菩薩ですからね。菩薩つうのはゴータマ・シッダルタ(釈迦牟尼仏)の次に「仏陀=如来」となることを約束された修行者でして、入滅後56億7千万年後、この世界に現われて未来の衆生を救済してくれるわけ。それまでは兜率天で修行(説法)してるらしいっす。
ここらへん、原原で2時間ほど講義したことありますよね。
だから、装飾物があるんです。ほかの仏像でも確認してみてください。
私、毎月、大阪原原の前に必ず四天王寺に詣りますでしょ。敬虔なんじゃなくてたんに蕎麦食べに行ってるだけなんすけど。四天王寺って、ホントの名前知ってます? 四天王がいるから通称としてこちらが有名になっちゃったわけで。
ご本尊も元もと半跏思惟像=如意輪観音です(いまのご本尊は救世観世音菩薩)。
救世観世音て聖徳太子のことですからね。お忘れなく。
半跏思惟像は弥勒菩薩なんです。この「弥勒」と銘打ってるのは世界唯一、日本にあります。どこのお寺だかご存じ? これは宿題にしましょ。
東京国立博物館(上野)で7月10日まで。夜8時までオープンしてます。NHKが放送しましたから土日は混むだろうなあ。。。
立像よりも坐像よりも好きですね。なぜかというと、いま、私たちはみな半跏思惟像そのものだからですよ。
さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体」(大井幸子・片桐勇治著・ビジネス社・1620円)です。
利上げするなら英国残留決定のタイミングがベストなんだけど・・・。
ただいま博多到着。麻生さん、緊急会見。「まさかの坂」がありましたなあ。
この結果、離脱派がいちばん驚いてるでしょ。「そんなつもりなかったんです〜」と後悔しとるんちゃう? 民主主義はだれもが1票あるわけで、「あんなこと言わなきゃよかった」とキャメロン首相も後悔しとるんちゃうか〜。
EUでも英国は特別扱いしてもらってきたわけで。なにが不満なのかねえ。ま、1票は1票ですからね。
これでスコットランドは英国から離脱。となると、アイルランドも離脱。大英帝国は吹けば飛ぶよなその他大勢になりさがるわけで。
またしても「ワーテルロー詐欺」にやられてしまいましたな。「残留派リード!」「離脱派敗北宣言!」と投票直前、メディアに思いっきり吹かせた連中がいるわけで。。。
安心してポンド買い、ユーロ買いしてた投資家はたまらんわ。100円突破の円高、大暴落も当然やあ。ダウは残留期待で上昇してたわけですから、これから暴落必至。となると、週明けの日経平均株価はさらに下落? 金は引き続き上昇?
「連中」は売りと為替で大儲け。しばらく相場は混沌。世界は総混迷総困惑総混乱だわな。
これでキャメロンはクビ。で、英国民は離脱の現実を思い知るわけでね。製造業はとうに店じまいしてるし、かといって金融業もいままで通りとはいかないし、タックスヘイブンはアメリカに奪われちゃうし・・・英国はホントに終わりましたな。で、今後、頼みの棚は中国となるわけ?
アメリカに詫び入れるんならAIIB離脱しかないわなあ。
やっぱ、金(ゴールド)様様でんな。
さて、この火曜日から始まりました、「日韓国交正常化50周年記念」の特別展。人気沸騰ですね。行ってまいりましたよ。
それにしても、日韓正常化ねえ・・・韓国でも舛添さんみたいに野心満々の男なんぞが大統領になるような事態になったら、正常化も国民ウケするパフォーマンス優先で吹っ飛ぶんではないかしらん。
ま、そんなことがないよう、両国民はしかと手を携えて進めてまいりたい、と思います。
さて、特別展とてもよかったっす。中宮寺(法隆寺の東側にある小さな門跡。尼寺なのよ)と韓国国立中央博物館からそれぞれお持ち頂いたわけでね。この2つしか展示されていません。あっという間です。
けど、いいものはいい。しかも中宮寺で拝見するより今回のほうがいい。
なぜか?
あのね、光背の裏まで拝見できるからです。これ、お寺ではそうはいきません。表だけですから。裏に回って拝見することはできませんからね。
光背ってオーラです。光です。密教の「大日如来」も光の塊のことです。東大寺とか高山寺とかの華厳経では「毘盧遮那(仏)」が同じです。サンスクリット語の「バイロチャーナ」のことです。あまねく宇宙を照らす光、という意味です(「アミターバ=無量光=阿弥陀(仏)」のことですね)。
これ、元もと金箔を漆で貼り付けてたわけ。ホントに光り輝く存在だったでしょうな。
はじめて見た日本人はなにを思ったか・・・仏がここにいる。これなら救ってくれるにちがいない。恍惚としたでしょうね。
さて、この光背ですけどなにをデザインしてるかわかります? 見ればすぐにわかります。ぜひご確認ください。で、これを見れば、中国は中国でもどの地域から伝わってきたかがわかります。
で、半跏思惟像ですが、門跡様はあくまでも「如意輪観音です。ご本尊です」とおっしゃるでしょう。ま、平安時代以降の言い方なんすけどね。
国宝半跏思惟像(中宮寺所蔵)。
ホントに美しいお顔です、。オフィスには広隆寺の弥勒菩薩半跏像をパネルにして飾ってます。
ところで、ほとんどの仏像つうのは立像か坐像ですよ。こんな中途半端な坐り方つうか立ち方つうか、こういうポーズは少ないですよ。100に1つもないでしょう。で、ガンダーラ彫刻でたくさんの仏陀が彫られている中に「半跏思惟像」があるんです。ポーズが特殊ですからね。印象に残ったんでしょう。
思索中なの? 悩んでるの? ロダンの「考える人」みたい?
いろんなこと感じるでしょうけど、どうすか、立像や坐像にはない、なんともいえない「優しさ」があると思いません?
なぜそうなのか? 詳しくは原原でお話しましょう。立像、坐像、そして半跏思惟像って、それぞれ役割つうか使命つうか、意味があるんです。実はね。。。今度じっくりお話します。5〜6世紀の大陸と半島の歴史も交えてね。あまりブログで語りすぎると「しゃべり過ぎ!」と物言いつけられますんで。。。
国宝78号半跏思惟像(韓国国立中央博物館所蔵)。
日韓それぞれから半跏思惟像を出展して頂いてますけど、どちらがお好みですか?
日本のは木製。クスノキですね。7世紀=飛鳥時代の作です。乙巳の変あたりでしょう。韓国(百済)のは金銅製。6世紀=三国時代です。
素材の違いは、日本は木が豊かで立派なクスノキがたくさんありました。いまもそうです。西日本ではとくに大きなクスノキがあります。たしか鹿児島の神社仏閣に日本最大のクスノキがあるはずです。
一方、百済というか半島ではクスノキが育たないんですね。済州島にあることはありますが小さいんですよ。とてもとても彫れるようなものではありません。そのかわり金銅製ですからね。立派なモノです。
木製は柔らかいし、デリケートな表情が出せます。比較する必要もありませんが、優しいまなざしをされている思惟像がいいっすね。
日本のはもちろん彩色されています。彩色ってせいぜい10年くらいしかもたないんです。大徳寺で拝見した狩野派の襖絵も水墨画だから残ったわけで。彩色してたらもちません。だから、これ、何回も塗られています。
黒光りしてますけど、元もとは肌色なんですよ。
韓国の半跏思惟像は冠をかぶってます。ホントは中宮寺の半跏思惟像も冠があったんです。頭部に付けてた穴があります。でも、仏像って「仏陀像」の略でしょ。「仏陀=如来=悟った人」という意味ですから、冠なんて装飾物は身につけないわけ。
これ、菩薩ですからね。菩薩つうのはゴータマ・シッダルタ(釈迦牟尼仏)の次に「仏陀=如来」となることを約束された修行者でして、入滅後56億7千万年後、この世界に現われて未来の衆生を救済してくれるわけ。それまでは兜率天で修行(説法)してるらしいっす。
ここらへん、原原で2時間ほど講義したことありますよね。
だから、装飾物があるんです。ほかの仏像でも確認してみてください。
私、毎月、大阪原原の前に必ず四天王寺に詣りますでしょ。敬虔なんじゃなくてたんに蕎麦食べに行ってるだけなんすけど。四天王寺って、ホントの名前知ってます? 四天王がいるから通称としてこちらが有名になっちゃったわけで。
ご本尊も元もと半跏思惟像=如意輪観音です(いまのご本尊は救世観世音菩薩)。
救世観世音て聖徳太子のことですからね。お忘れなく。
半跏思惟像は弥勒菩薩なんです。この「弥勒」と銘打ってるのは世界唯一、日本にあります。どこのお寺だかご存じ? これは宿題にしましょ。
東京国立博物館(上野)で7月10日まで。夜8時までオープンしてます。NHKが放送しましたから土日は混むだろうなあ。。。
立像よりも坐像よりも好きですね。なぜかというと、いま、私たちはみな半跏思惟像そのものだからですよ。
さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体」(大井幸子・片桐勇治著・ビジネス社・1620円)です。