2016年12月20日「この世界の片隅に」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 幼児性左翼によく見られる反戦大好き映画でもないしぃ、日本悪、連合国善という公式に洗脳されているわけでもないしぃ、戦争の持つ悲惨さ、という当たり前で手垢のついたメッセージでもないしぃ、あくまでもさりげなく、淡々と、絶望から再生=立ち直りの姿を描いた佳品でして、単館上映から全国あちこちで大ヒットして、いまや『君の名は』とロングラン記録を争う作品になるんちゃうか、つう評判でして、んなこと考えてますと、日本人とくに最近の若者(年だねえ)の感性はなかなか凄いやんけ、としか言いようがありません。


10年の間に呉も広島も日本もこんなに変わった。

 特別出演されてる渋谷天外さんに「見ておくなはれ」「ひと声だけ出てまんねん」と言われて、「ウォーリーを探せ」状態で目をこらして、いえいえ、耳をこらして聴いてたんですけどね、冒頭のあの子供をさらう獣かしらん・・・。

 それにしても、これ、5年前にドラマ化されてますよね。けど、アニメが大ヒット。なんでかなあ。う〜ん。

 違い? 美術と音声でしょうか。戦争、爆撃、原爆。。。けど、スクリーンはなんともほんわかしてましてね。ほんわかしたスクリーンに、人を殺し、人が死ぬ爆撃音が強烈にしてるわけで。視覚と聴覚では違うモノをとらえてるような感じがするんよねえ。

 ああ、こういう表現がいいなあ。闇が深ければ深いほど光が映えるわけでね。

 それにしても、主人公の北條(浦野)すずを演じたのんさん。昔の能年玲奈さんですか(事務所とのトラブルで本名が使えない、つうのも奇妙な話ですな)。ピッタシ。ほんわかしてます。巧いですなあ。

 聖の青春、海賊、昨日のきみと、沈黙、本能寺ホテル・・・日本の映画界、凄いっすねえ。これにアニメでしょ。ワンパのハリウッドなんか蹴散らすんちゃう。。。

 1月度の東京原原は二次会はありません。その分積み立てて、2月に河豚やりましょ。博多原原は新メンバーも続々。楽しみですな。新潟原原のメンバーも新メンバーをいまのうちにお誘いください。3月はオープン講義としますのでよろしくです。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「山口組分裂と国際金融」(猫組長・渡邉哲也著・1,296円・徳間書店)です。