2018年04月17日世の中フェイクが多すぎる。。。

カテゴリー中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記」

 まったく1年前と同じ様相を呈してきましたね。キーワードは「フェイク=自作自演」です。

 違うのは、1年前は習近平とのコーヒーブレイク中。チョコレートケーキを食べながら、「いま、シリアへ59発トマホークをお見舞いしたよ」と伝言。

 習近平は10秒間固まったままで、ようやく苦笑いで返すしかなかったんです。軍師が席を外したタイミングを狙ったトランプ。習近平は「素」をさらけ出してしまったわけです。

 ああ、この男、身体は大きいが肝は小さいんだな。



 今回は、CIAが持ち込んだ「生物化学兵器(イラクにも持ち込んでいたが、査察の前に大量破壊兵器とともにイランに移していたから見つかるわけがない。フセインは保有していなかった)」をアサド政権が使用した、と濡れ衣を着せるための自作自演。

 トランプは先刻承知。「シリアから撤退させる」とペンタゴンにもはからず発表しちゃいました。軍産複合体はまだまだ居座りたい。だから、居座る理由をつくったというわけ。英仏の参戦理由は別にありますけどね。

 アメリカという国は、「アラモ砦の戦い」から、フィリピンとカリブ諸島を騙し取った「対スペイン戦争(メイン号事件=自作自演の爆破事件)」、そして「真珠湾攻撃」。いずれも主演、脚本、監督=すべてアメリカ、という自作自演劇がお得意なのよ。
 そうそう、1967年、第3次中東戦争の時なんぞ、情報収集船「リバティ号事件」がありました。これは同盟国イスラエルがアメリカの軍艦を沈没させようした事件ですよ。どうして味方が沈没させようとしたか?
 「沈没させたのはエジプト軍だ!」と大騒ぎして、報復のために米軍がエジプトを侵略するというシナリオなわけ。情報通の日本人なら、またその手かよ、とバレバレだけど、一般的なアメリカ人て世界情勢なんぞなーーんも関心のない田舎者ですからね、世論工作にはこれがいちばん。

 いつもの手で簡単に引っかかるわけ。そろそろ脚本代えたほうがええんちゃう、と思うけどね。もう21世紀なんやから。

 で、去年もトマホーク爆撃直後から「円高」「金価格高」になったのはご記憶の通り。この3月からもNY金価格は高値安定推移。ダウの乱高下、ダウに連れて日経平均株価の乱高下とは対比的と言えましょう。





 あくまでも金をベースにおいて、余裕資金は大暴れする株式で大儲け。株価乱高下? ボラが激しいから、買いで儲かり、売りで儲かる。揉み合いでは話になりませんよ。

 では、これからどうなるのか?




やはり金をベースに余裕資金は株式で回すべきですよ。

 シリア問題、トランプはやる気がありません。去年は習近平への忠告。シリア、とくにプーチンには「兵士を避難させとけ」と事前に通告済み。穀物倉庫を攻撃したからしばらく雀が集まってしょうがなかったとか。

 今回は、米国内部の産軍複合体のご機嫌とりのため。ロシアゲート事件を調べれば調べるけど、民主党=オバマ、ヒラリーの立場が悪くなる情報ばかり。このまま行けば民主党のほうが危ない。

 いま、トランプの頭の中で最優先すべきことは? もち、「中間選挙」です。下院の全議席と上院33議席の改選です。これに勝たなければなりません。そのためにはなんでもやる。とくに株価は上げますよ、なんとしてもね。ヘッジファンドの〆は11月なのも偶然ではありませんな。

 中国を封じ込めるためにはロシアの協力が必須です。選挙に勝つにはロシアとシリアをヒールにトランプはベイビー役を演じなきゃならんわけで。中東で戦火を広げたい軍産複合体のご機嫌をとると一挙両得。

 これから日米首脳会談。安倍内閣かなり厳しいっすよ。内閣が倒れたら日本売りのはず。となれば円安必至なんだけどね。そうはならない。外国人が株式投資で借りてた円を返すから円高。

 先週は内需株から輸出株にシフトしてたけど、逆回転するかもね。

 5月から6月にかけて米朝首脳会談。「トランプの本気」をプーチンから聞いた金正恩は腹を決めた。君子豹変。けど、本質は変わらない。
 朝鮮半島の非核化が首尾良く進めば(北朝鮮の自己申告でカウントされた核兵器をアメリカ本土で解体)、次は在韓米軍、在日米軍の撤退が本格化します。

 安倍首相失脚で「憲法改正」が頓挫したわが国は、数年後、「実は核兵器、まだ残っとるがよ」と金正恩から脅かされたら? 終わりですな。「在日米軍撤退」という意味は「日米安保条約廃棄」ということですから。

 北朝鮮に核技術を渡したのはパキスタンのカーン博士ですけど、その後の協力はCIAでしょ。そしてソ連の亡命科学者。

 米中貿易摩擦も「自作自演」。選挙のために支持者獲得、支持率向上を狙ってのこと。

 この世の中は「フェイク」だらけでホンモノはありません。VRてのはそういうことなんかね。戦争もフェイク。経済もフェイク。トランプのひと言で揺れ動く株価なんかまさにフェイク。

 ドル円は基本的にはアメリカの長期金利と相関してますから、長期金利が上昇すればドル高円安、低下すればドル安円高。年初は逆相関。ここに来て正相関に戻りつつありますな。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「おらおらでひとりいぐも」(若竹千佐子著・1,296円・河出書房新社)です。