2005年10月10日「劇団KAZUMA」関東初お目見え!

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 「ごめんやっしゃ、ごめんやっしゃ。どっこらしょっと、あんたもあれでっか。一馬のファンでッか?」
 いきなり、こうきたもんね。大阪のオバチャンは凄い。いやいや、横浜は南区にある三吉演芸場でのこと。
 たまたま隣席に座った60歳くらいのオバチャンでんがな。初対面とかなんかまったく関係なし。
 「これ、食べる。美味しいねんで(と飴を突き出す)。この近くにウィークー(マンション)借りてんねん。ひと月19万やでぇ。高っいなぁ、東京は(ここ、横浜です!)。毎日、梅に茶漬けだけや。せこいか? けど、一馬いのちやねん。あんたも一馬目当てでっか?」
 劇場に入ったら、みな仲間やで。人類みな兄弟やでぇ・・・つうことなんでしょうな。
 「うち、ここ終わったら、次、浅草やねん。今日はダブルヘッダーやねん。横浜駅て、ここから遠いん?」
 まったくせわしないオバチャンでっせ。水はがぶがぶ。よく食べて、よくしゃべる。1日20リットルも飲むんやて。更年期障害の抗うつ剤飲んでるからやて。60歳で更年期? そんなあほな!プライベートなこと、言われても・・・。ホント、参りました。

 で、座長の藤美一馬が登場すると、これまた。
 「ちょっとごめんやっしゃ、ごめんやっしゃ」と、私の足を踏んで舞台袖まで出張って扇子をプレゼント。
 「あれな、17100円なんや(聞いてない!)。デパートで買うたら4万はしまんねん。この劇場、大量に仕入れてるから、安うなるんやろな。座員みなに買うたげたがな。女の子は2千円のやつやけどな。えぇねん、女の子はどうでも。けど、座長は安物ではあかんな。いちばんえぇヤツ、買うたげたんや」
 「・・・」
 「けど、結局、この方が安くつくんや。役者と食事一緒したら、大変やで。銭、いくらあってもたりまへんで。せいぜいお茶くらいやな。せこいか?」
 「・・・」
 「息子がいま、札幌に出張中やねん。チャンスや思うて、ウィークリー借りてんねん。ほらほら座長、出てきたで。よぉく見いや」
 言われなくても、わかってま。
 そのおばちゃん、もうくるくる回るペンライト出して振ってますのや。「大阪ではみなでこうやるんや」とのこと。
 「東京のお客さんは役者を乗せるゆうことが下手やわな。どうせ銭、払ろうてるんやから、乗せて乗せて乗せ倒して、せいぜいえぇ舞台見せてもらわんとな。元、取れまへんでぇ。わかったら、これ、貸したげるわ。あんたもやりなはれ、そやそやそうやるんや」

 今日ね、劇団「KAZUMA」の10月公演なんですよ。そうそう、大衆演劇です。
 この前、紹介した「都若丸劇団」同様、本拠地は関西。で、なんと関東初見参! 舞台? そら、力、入ってましたでぇ。

藤美一馬座長!あなたの舞台、関東でもいけまっせ!

 芝居は座長が3枚目役。「3枚目になるのは苦労するわ。メイクに9時間もかかってもた」とのこと。芝居は生きてます。今日のアドリブは最高におもろかった。

左側が座長!さすが寛美さん直伝の演技!右は華原涼さん!

2人の将来のために泣く泣く破門する親分(藤千代之助さん)
 最初は顔見せのミニショー。その後は芝居。大衆演劇は毎日演(だ)し物が違うからね。
 今日は「上州百両首」。これがいいんだよ、ホントに。人情物でんな。スリの足を洗った2人の男。1年後、どちらが成功してるか、出世競争をするわけ。で、1年後・・・。2人は正反対の姿。さてさて、どうなったのか。それはお芝居を観てのお楽しみ。
 もちろん、涙あり、笑いあり。座長を中心に幹部3人ががっちりスクラム組んでます。達者だねぇ、芝居が。うまいやぁ、文句なし。

グランドショーは歌と踊り。

フィナーレは「大親分」。清水港の旅姿3人男ね。
 後半、歌の時間に座長がお客全員と握手して回ったね。関東初お目見え、これからお客をドーンとつかむには、こういう地道な活動が大切なのよ。

政治家だけじゃないよ、スキンシップの大切さは!
 今月29日まで。12日は劇団蝶々の中野弘次郎座長と「2人忠治」。13日はお客全員にTシャツプレゼント。14日は「矢切の渡し」。こりゃ、全部、行かなくちゃ。入場料は2200円。
 成功してや!期待してまっせ!応援しまっせ!♪引越しのサカイ♪ってなもんですわ。