2020年08月15日「日本のいちばん長い日」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 さーて、この作品については、かつて1度、このサイトで紹介したことがあんだけど、ほかの記事を書いてしまって消しちゃったんですよね。

 よくあります。8/12開催「中島孝志のワンハンドレッド倶楽部」にしても、あの時使用したレジメ(パワポ)、深夜に続いて収録したニコニコ動画のレジメにそのままアップロード。つまり、消しちゃったんですよ。
 で、アーカイブ見ながら再作成。はじめて見ましたよ、自分のアーカイブ。

 なかなか面白いことしゃべってますね。これは役立ちますよ、投資家の皆さんは。

 最悪は、単行本の原稿を渡す前に消しちゃったこともあります。本気出せば5日で書けますからなんてことはなかったんですけど。

 てわけで、ブログなんてよく消してます。その都度書き直してますが、かえってよくなりますよ。

 オランダ語がマイナーだ、メジャーは英語だ、と気づいた時、一瞬絶望しますけど、「やるっきゃない」と覚悟を決めた福澤みたいなもんすかね。

 そんなええもんちゃうけどー。

 さて、あ〜あ、まっ、いつか書くこともあるだろうと思ったんですが、今回は復活の復活。



 1967年(昭和42年)に公開された映画だけど、終戦の日、実はこんな事件が起きていた、という「もう1つの日本史」です。

 主役の阿南惟幾陸軍大臣に三船敏郎さん。

 玉音放送の原盤を軍部から護った侍従の徳川義寛役は『軍閥』で東條英機を演じた小林桂樹さん。

 東宝が社運を賭けて全俳優を投入した映画。監督は岡本喜八、原作は半藤一利。ただし、彼が文藝春秋社員だったために大宅壮一名義で発表されました。

 そして、脚本はご存じ、橋本忍さん。



 「会議は踊る」というけど、米英中からポツダム宣言通告を受け、日本政府は何回も閣議を開くけれども、結論はまったく出ない。延々と議論をしている間、広島、長崎に原爆が投下され、ソ連は条約を破って参戦・・・事態はどんどん悪化するばかり。

 天皇に御聖断を仰ぐ。大御心ですな。

 8月14日、御前会議でポツダム宣言受諾を決断。しかし問題はその後に発生します。

 軍部のクーデターですね。

 もし天皇の玉音放送がNHKで流れなければ、国民はだれも終戦を知らない。陸軍の一部将校たちは本土決戦に臨むつもりでしたからね。

 物事は始めることより終わらせるほうがはるかに難しい。結婚はノー天気でできますけど離婚は計算づくでしょ。戦争も同じ。

 もし「あの時」、録音盤(2つあった)を奪われていたら、終戦は延び、さらに犠牲者が増えていたでしょう。

 阿南陸相といつも対立する米内光政海軍大臣だけど、最後の最後、阿南が死ぬ覚悟と知った後の態度が印象的ですな。

 阿南の自決は古式に則った切腹だったけど、腹を切った後、2人の部下とじっくり話し合うなど、事実はそうだったんだろうなとイメージさせます。

 「軍閥」という映画にも黒沢年男さんが出演してますが、この人は血気にはやる青年将校の役をさせたらピカイチ。『仁義なき戦い』でもそう。はまり役やな。

 英霊に捧げ祀る 胸と心