2005年12月12日「バカポジティブ」 関根勤著 マガジンハウス 1260円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 タレントの関根さんの本。 
 この人、ものすごく落ち着いてるよね。肩の力がいつも抜けてるというか。
 で、子どもの教育もしっかりやってる。
 「地に足がついてる人」みたいだなって、いつも思ってました。

 そういえば、いま思い出したんだけど、「の・ようなもの」って映画に出てたな。
 ほんのちょい役。小堺さんと一緒にオカマの役。

 さて、やっぱり堅実な生き方が骨の髄まで染み込んでました。
 いまだにコロッケ買うのに、夕方のセールスタイムを狙うって。しかも、高級なものにははなから目が行かない。
 いちばん安いの買う。
 これ、タレントとしてなかなか売れなくて苦労したからじゃないの。
 そしたら、売れっ子になって弾けちゃうじゃない?
 この人、公務員の息子なのね。消防署に勤めるお父さん。身体が悪くても、ちゃんと働きづめに働いてる。定年後もホテルに勤務してる。
 そんな後ろ姿と公務員の慎ましい生活がそうさせてるんだ。本人がそう言ってる。

けど、よく芸人になったよな。公務員の堅実な・・・とはほど遠いんじゃないか。
 彼が芸人になるのは、私、リアルタイムでよく覚えてます。
 彼が電波にはじめて乗ったTBSの「銀座ナウ」って番組、中学時代によくみてたもの。せんだみつおが司会やっててさ。
 三木聖子も出てたんだ。ユーミンの「まちぶせ」って、石川ひとみじゃなくて、この人が最初に唄ったんだよね(よく考えたら、これ、ストーカーのテーマソングだよな)。
永ちゃんのキャロルもこの番組からだしね。
 銀座まだ見に行っちゃったもの。

 「お客さんの笑う顔見たら、疲れがすべて吹っ飛ぶ」
 これ、ホント。
 芸人、職人にとって、自分の仕事が認められるってことは、なにものにも代え難い喜びなんだよね。
 私? 売れたら喜ぶ?
 そんなことありません。いちばんの楽しみは、たとえば、物書きとしてなら、テーマを与えられて、自分でも考えてなかったアイデアが飛び出た時。これが最高! 売れるか売れないかはほとんど関係ありません。
 反響がまったくなくても、満足感、充足感があるんだよね。物書きって、基本的に自分との対話だからさ。
 けど、これからは読者と対話しながら書いていこうと思う。ちょっと反省。文体、リズムが変わるかも。

 タモリは他人の舞台を見ないので有名。だけど、彼のステージには必ず来る。
 カンコンキンシアターね。理由はシンプル。
 「なんのメッセージ性もないから」
ただただ、バカやってるだけ。
あまり、裏読みなんかしたくないんだよ。芸人がなまじメッセージ持ったりすると、「堕落する」ってこと知ってるの。
 何歳なっても、バカができる。これが芸人の魂なんだよね。北野武さんもそうでしょ。意識してバカやってるでしょ。森繁や鶴太郎になっちゃいけないのよ。

 そんな彼のストレス解消は「1人カラオケ」。
 1人でカラオケ行って唄いまくるわけ。暗い? そんなこと気にしないってさ。160円高。