2006年05月29日「東京・築地 五つ星の味、極上の逸品」 小関敦之著 東京書籍 1575円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 まいったなぁ。食いしん坊の私にとって、こんなの出されちゃうと。
 しかも、ようやく痛風が治ったというのに・・・。
 痛風ってのは体質の問題も大きいだけど、早い話が「意志の強さ(弱さ)」を反映する病気なのね。
 昔、痛風になったときはまる10カ月、お酒を一滴も飲まなかったのよ。
 「一杯くらいなら?」
 「ダメ」
 「美味しいよ」
 「知ってるよ、そんなこと」
 「じゃ、一杯」
 「一杯だけだよ、ホントに」
 「美味しい? 少しだったら健康にもいいらしいね」
 「そういえば、そんなこと聞いたことあるね」
 「もう一杯いく?」
 「いくいく」
 結局、2年後にまた痛風になっちゃった。
 以来、この繰り返しで3〜5年に1回という繰り返しで、ここ22年のつき合いでこざいます。
 一病息災? まっ、そうですな。

 でも、困るのね。この本、オールカラーなんだよ。総天然色っつうの。しかも、案内するのは築地王だよ。テレビチャンピオンなの、この人。
 寿司、牛丼(吉野家バンザイ!)、モツ、ラーメン、カレー、焼き鳥、ステーキ、肉豆腐、カレーうどん、ウナギ、オムハヤシ、焼きスパゲッティ、おにぎり、もんじゃ、トンカツ、メンチ、天丼、魚に肴・・・どうしてチゲまであんだよ!
 こんなのがカラーでドーン! 下からなめて撮るなっつうの。

 しかも、この著者、素材にうるさいから、ラーメンでも化学調味料使ってる店とかは紹介しないっつう「こだわり」を持ってる。
 寿司屋だって、高くて美味いの当たり前。リーズナブルで美味しいとこしか紹介しない。
 解体ショーで客寄せするような店は紹介したことない。けど、「こんな美味い寿司食べたことない」って喜んでるお客さんいるよね。いったい、どんな舌してんだろ? 「築地で食べてる」っつう雰囲気が美味しいのかな。それとも、味音痴?
 いるからねぇ、なに食べさせても美味しいっつう人。これ、良し悪しだと思うよ。少なくとも、私は美徳だとはぜんぜん思いませんよ。

 さて、この本のお勧めは、たんなる築地ガイドじゃないってとこかな。
?良心的な店を厳選してます。
?マップ案内がしっかりしてるからわかりやすい。
?「夜の営業」があるかどうかマークしてある。これはいいよ。仕事が忙しいビジネスパースンにはありがたい情報です。
?魚介、干物、肉、加工品、乾物、調味料、お菓子、漬け物、野菜までカラー写真で紹介。土産品にもなるからいいね。
?お取寄情報も完備。築地に行けない人もフォローしてるわけ。

 もう参りました。明日、行きます。
 けど、どこに行こうかなぁ? 鮨つかさ、天ぷらなかがわ、うなぎの丸静、焼き鳥の鳥治、肴の高野、水炊きの新三浦、それとも、きつねやの肉豆腐? まずは吉野家で特盛食べるか! しかし、これ食べたら何も入らないよな。
 どうしよう、どうしよう。

 選ぶのに困るのも、食いしん坊には楽しいの。見てるだけで、♪幸せいぃっぱい、胸いぃっぱい♪ってね。
 食いしん坊は単純なのよ(いい人、多いよ)。280円高。