2006年08月23日「花田少年史」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 逢いたいなぁ、あの人に・・・。たとえ、それが幽霊であっても。
 そんな人、いますか?

 予告編で見た時、「これはおもしろいぞ!」と楽しみにしてたのね。元々、一色まことの人気コミック。いま、深夜に日テレでやってるよね。その実写版ていうやつ。



 予告見てなかったら、ふーん、若貴の少年時代の記録映画か。1人はちゃんこ屋の起業家として成功し、1人は相撲部屋を興して成功する物語か・・・なんて思ってた。
 全然ちがうのね。

 主人公の花田一路は腕白少年。交通事故がきっかけで幽霊が見えるようになっちゃった。で、香取聖子という謎の幽霊少女ほか、幽霊たちからいろんな相談、依頼を持ちかけられちゃうのよ。
 というと、日本版ハリポ? 違うんだな。
 私も子どもの頃は幽霊をよく見てました。いるんだよね。見えるの。それがだんだん見えなくなってくる。勘も鈍ってくるしね。

 ロケは広島の竹原市ですね。港町。
 一路の親父はいま、タクシーの運転手してるけど、元々は漁師なのよ。漁師仲間からは嫌われてる。仲間を嵐の時に見捨てた人間だと誤解されてるからね。
 
 一路の友だち壮太は父親が見捨てたとされる猛の子ども。2人は仲がいいんだ。
 でも、父親が死んでから何年の経つ。母親は、同級生の桂(ケイ)の父親と再婚する話が出てる。複雑だよね。

 運動会の借り物競走。壮太が引いたのは「お父さん」とある。けど、父親なんていないよ、壮太には。
 「貸してあげなよ」と聖子。
 「えっ」と一路。
 一路の身体を借りて、壮太の父親が蘇る。壮太にだけは見える。
 「父さんはそんな小さなことにこだわらないぞ。おまえも新しい父さんとうまくやれ。それが母さんのためだ」
 「・・・」

 幽霊が見えることでいろんなことに巻き込まれます。けど、それがユーモアとペーソスに溢れてるんだ。

 「ALWAYS 三丁目の夕日」同様、子役が溌剌と演技してます。篠原涼子 、西村雅彦 、北村一輝、杉本哲太の面々が出演。
 なかなかよくできてます。2時間10分があっという間。映像もきれいだしね。お勧め。