2019年05月25日感謝が足りない!

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 幼児虐待などこの日本ではない、とずっと思っていました。
 おそらく目に見えないだけで、そこかしこで行われていたんでしょう。

 隠されていた現実が浮上した時、下層社会のヒトによる特別な状態であり、そのヒトも虐待されていたんだろう、と思い込んでいたら(事実そういうキャリアのヒトが少なくありません)、ごくごく普通のヒトがDVから子殺しまで平気な顔して行っているわけです。

 この国では、子どもは神様ですから、いたずらとかやんちゃは大目に見る寛容さがありました。江戸時代の絵巻物にもそんなシーンがあちこちに描かれています。

 いつから変わったのか? 貧困地域では「間引き」が行われてきましたし、徳川の時代が続いたのも見て見ぬフリをしてきたからだ、という説まであります。
 今は昔、『木枯らし紋次郎』というドラマがありました。原作はほんの数頁。笹沢左保原作だったと思いますが、主人公の紋次郎が大の苦手が「こんにゃく」。見た途端に逃げ出す。幼い頃に「こんにゃく」で窒息して間引かれる、という悪夢を経験していたからです。

 さて、こどもの日にアップすべきでした。

 病いと闘っていたわが子がいま学校に通えるようになった。奇跡です。
 引きこもりのわが子がバイトを始めた。奇跡です。
 障害のあるわが子が運動会に参加させてもらえることになった。どんでもないビリだったけど。奇跡です。
 校長先生が堪らなくなって飛び出てきて一緒に走ってくれた。奇跡です。
 
 小さな奇跡ばかりです。「当たり前」と思える人はそれこそ奇跡です。「奇跡なんだ」とわからないヒトは不幸だと思います。いま生きていることも実は奇跡なんですよね。

 わが子に感謝。心から感謝。

 感謝? 邪魔なだけだよ! お釈迦さんもわが子に「ラーフラ=橋の上の石=邪魔な存在」と名付けています。たしかに出家の身には邪魔かもしれませんね。

 なにもしてくれなくていい。一緒にいなくてもいい。どこかにいるだけでいい。感謝が足りなすぎますね。