2002年09月30日「図解 儲けのカラクリ」「ロスチャイルド家の上流マナーブック」「生活様式学入門」
1 「図解 儲けのカラクリ」
インタービジョン21編著 三笠書房 495円
売れてるそうですよ、これ。以前、四六判ソフトかなんかで出てたんですが、文庫に換えたとたんにまた、売れたんだそうです。
たしかに、モノの値段てわからないよね。
たとえば、出版社と取次(問屋のこと)、書店との取引レートって知ってますか?
昔、わたしも出版社にいたからね。採算を合わせるためにコスト計算はよくしましたよ。
で、回答ですが、出版社は取次に67〜72%(差があるのは、契約条件の違い。昔は出版社に有利だった)で卸します。で、取次は書店に76〜80%でこれまた卸します。ということは、取次のマージンてのは8%ということになりますね。
書店はお客に100%で卸します。まっ、当たり前のことですが。ということは、書店は20〜24%のマージンということになりますね。
さて、この数字は一定なんですよ。
じゃ、本のコストはどうかっていうと、たとえば、1500円の本を7000冊作った時、紙代、写植、製版代、印刷、製本代などで23〜28%、デザイン、写真代などが2%、これに著者印税が10%てな具合ですね。すべて売れたとして、33%くらいが利益となる・・・はずですが、これに広告や販促費、人件費などを入れると、まっ、損はしないけど儲かりもしないって感じかな。
数字でシビアに見ていくと、やっぱり、厳しいね。もし、これでこの7000冊が捌けないとなると、こりゃたいへんだよね。そんな出版社が多いんで、いま、出版不況といってるわけ。
でも、「ハリーポッター」なんか、一冊で200万部も出ちゃうでしょ。しかも、あの出版社は2〜3人しかいないでしょ。こうなると、儲かって笑いが止まらないわけ。もう本を印刷してるのか、一万円札を印刷してるのかわからなくなります。
こんな具合に、いろんな商品、ビジネス、業界の値段のカラクリを網羅したものですね。
発泡酒は麦芽比率25%未満だと、酒税額がビールの半分以下になります。だって、販売価格の三分の一以上が税金だものね。
夜中、わたしはテレビショッピングを見るのが楽しみというか、それしかやってないからしょうがなしにつけてるんですけど、あれ、安いでしょ。
テレビの放映代が4割引、商品の原価なんて、定価の1〜2割らしいよ。これはメーカーから仕入れるというよりも、安く卸してくれる工場から直に買い付けちゃうかららしい。
ほかにも、回転寿司、金券ショップ、スーツ、激安パソコン店、塾、理髪店など、いろいろです。
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2 「ロスチャイルド家の上流マナーブック」
N・ロスチャイルド著 光文社 476円
著者の本を紹介するのは二回目になるかなぁ。
家柄も学歴もありません。でも、天下の大金持ちであるロスチャイルドに見初められて結婚しました。
その秘訣は?
それが上流マナー術だというんです。
彼女がパリの小劇場でサシャ・ギトリーの戯曲で軽薄なパリジェンヌを演じていたとき、楽屋の棚の奥に放り込まれた一冊の本を見つけました。
それがマナーブックだったんですね。
中身は未知の経験で、何度も何度も読み返します。
そして、10年後。
ロスチャイルドの母となる婦人の家へランチに招待されました。
その間、食事をしながら、彼女が執拗に著者を観察していることに気づきました。
この時、著者は、いま、自分は人生でもっとも危険なテストを受けていることを実感します。厳格な物腰の貴婦人を目の前にして、何回も目眩を感じます。
でも、この間、自分の支えになったのがマナーブックだというんですね。
どんなにたくさんの知識、資格をもっていようと、世界の大陸を訪れていようと、あらゆる人間との心を開く唯一のパスポートがこれなんです。
人が気を配らなければならないのは、いったいだれにですか?
それは、自分自身に対してなんですね。
自分自身に尊敬を抱ける人は、他人も尊敬することができます。自分自身を卑下する人は、他人を尊敬することはできないんです。
そういう人がするのは、羨望であり、嫉妬なんですよ。
だから、自分を自分で尊敬できるようになる。マナーというのは、その一つのサポートなんです。
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3「生活様式学入門」
現代生活様式学会 扶桑社 650円
あなた、電車やバスの吊革ってどうやってつかみますか?
わたしは3通りです。
その1は「たくさんの人がつかまってる部分をくるりと回転させてから、まだ触られてない部分をつかむ」。
その2は「輪っかの外側だけをつかむ」。
その3は「吊革をつかまない」。
人によって、生活様式は千差万別ですね。様々なシーンごとにいろんな生活パターンを紹介したのが、本書です。
いやはや、これだけくだらない本は久方ぶりです。でも、痛快まるかじり。笑えます。
ほかにも、「脱いだセーターの始末」「ポッキーの食べ方」「ビッグマッグの食べ方」「二人乗りのスタイル」「カップルの手のつなぎ方」「居眠りの仕方」「コンビニ袋の持ち方」などなど、こんなに役に立たない情報も珍しい。
でも、なぜか面白いんだよねぇ。発想の転換にはいいかもね。
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